【ことわざ】
朝起きは三文の徳
【読み方】
あさおきはさんもんのとく
【意味】
朝早く起きると、少しでも何かしらのよいことや利益があるということ。


【英語】
・The early bird catches the worm.(早く動く人が機会をつかむ)
・Early to bed and early to rise, makes a man healthy, wealthy, and wise.(早寝早起きは人を健康で豊かで賢くする)
・An hour in the morning is worth two in the evening.(朝の一時間は夕方の二時間に当たる)
【類義語】
・朝起きは三文の得(あさおきはさんもんのとく)
・朝起き千両、夜起き百両(あさおきせんりょう、よおきひゃくりょう)
・一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり(いちにちのけいはあさにあり、いちねんのけいはがんたんにあり)
【対義語】
・朝寝八石の損(あさねはちこくのそん)
・朝寝朝酒は貧乏のもと(あさねあさざけはびんぼうのもと)
「朝起きは三文の徳」の語源・由来
このことわざは、朝早く起きる習慣をよいものとして勧める、日本の古くからの言い方です。今では「早起きは三文の徳」という形のほうが広く知られていますが、「朝起きは三文の徳」も古い形として伝わっています。
まず「三文」は、一文銭三枚ほどの、ごくわずかな金額を表します。そこから、このことわざの「三文」は、大金ではなく、ほんの少しの得や益をたとえた言い方だと分かります。
そのため、このことわざは、朝早く起きれば急に大きな成功を手にするという意味ではありません。少し早く動くことで、時間に余裕ができたり、仕事や勉強がはかどったりして、小さくても確かなよいことがある、という考えを表しています。
また、「徳」は「得」とも書かれます。ここでの「徳」は、人の立派な心だけをいうのではなく、利益や益に近い意味でも受け取られてきました。
古い用例としては、1880年(明治13年・明治時代)の歌舞伎の台本に、「朝起きは三文の徳がある」という形が出てきます。少なくとも明治時代には、今とほぼ同じ意味で、このことわざがすでに使われていたことが分かります。
その少し後には、落語「春日の鹿」にも「早起きは三文の徳」の用例が伝わっています。こうしたことから、明治期には「朝起き」と「早起き」の両方の形が広まりながら、このことわざが人びとの暮らしの中に定着していたと考えられます。
由来については、一つだけを決めるのがむずかしい言葉です。中国には、三日早起きすれば一人分の働きに当たるという、よく似た内容の言い方が古くから伝わっており、日本でもこの考え方と結びつけて受け取られてきました。
この中国の言い方は、日本のことわざと意味が近く、朝の時間を大切にする考え方が昔から重んじられていたことを知らせます。ただし、その言い方には「三文」も「徳」も入っていないので、日本のことわざとまったく同じ形の出発点だと言い切ることはできません。
もう一つ、奈良の鹿にまつわる有名な話もあります。家の前で鹿が死んでいると困るので、人びとが朝早く起きるようになり、それが「三文の得」につながったという語り方ですが、話としては面白くても、そのまま定説にしにくい点もあります。
このように、「朝起きは三文の徳」は、ぴたりと一つの出来事だけから生まれたと決めにくいことわざです。中国にある近い考え方、日本での生活の知恵、そして明治時代にはっきり確かめられる用例とが重なり合いながら、今の形で親しまれるようになったとみるのが自然です。
だからこそ、このことわざのよさは、お金の話に限られません。朝の少しの時間を生かすことが、一日の落ち着きや仕事のしやすさ、心のゆとりにつながるという、暮らしの知恵として長く受けつがれてきた言葉なのです。
「朝起きは三文の徳」の使い方




「朝起きは三文の徳」の例文
- 遠足の日に早く起きて弁当の中身を確かめられたとき、母は朝起きは三文の徳だと言った。
- 出勤前に資料を読み直す時間ができ、朝起きは三文の徳を実感した。
- 休日に朝早く起きて庭の草取りをすませると、朝起きは三文の徳という言葉がぴったりだと思った。
- 試合の日の朝に早く起きて道具を点検できたので、朝起きは三文の徳という結果になった。
- 朝市に出かけて新鮮な魚を買えた祖父は、朝起きは三文の徳だと笑った。
- 締め切りの日に早く出社して見落としていた誤字を直せたので、朝起きは三文の徳と言えた。























