「漁夫の利」の意味(出典・故事・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
漁夫の利
【読み方】
ぎょふのり
【意味】
双方が争っているすきにつけこんで、第三者が利益を横取りすること。
【出典】
『戦国策』
【故事】
シギとハマグリが争っているところに、通りかかった猟師が、簡単に両方ともとらえたという中国の故事から。
【類義語】
・鷸蚌の争い
・犬兎の争い
・田父の功
・濡れ手で粟
・両虎相闘いて駑犬其の弊を受く
・両虎食を争う時は狐其の虚に乗る
【対義語】
・二兎を追う者は一兎をも得ず
【英語訳】
・Two dogs fight for a bone and the third runs away with it.
「漁夫の利」の解説
「漁夫の利」の言葉の由来は、昔の中国の話に基づいているんだ。
昔、中国の人、蘇代という人が燕という国の王様、恵王に話した話があるんだ。その話はこうだよ。
ある日、ハマグリが口を開けていると、シギという鳥が来てハマグリを食べようとしたんだ。でも、ハマグリは口を閉じてシギのくちばしを挟んでしまったよ。それで、ハマグリとシギがお互いに手を引こうとせず、争っている間に、漁師が来て、簡単にハマグリとシギを捕まえてしまったんだ。
それで、「漁夫の利」は、他の人たちが争っている間に、それを見ている別の人が利益を得る状況を表すようになったんだよ。だから、もし友達が何かで争っているときに、別の友達がその争いを利用して何かを得るような場面があったら、「あれは漁夫の利だね」と言うことができるよ。
「漁夫の利」の使い方
「漁夫の利」の例文
- 2党が足の引っ張り合いをしている間に、あの党が与党となった。まさに漁夫の利だ。
- プロ野球をみにいって、ホームランボールを取ろうとしたおじさん二人がボールをはじいて、ぼくの足もとにボールが転がってきたので拾った。漁夫の利とはこのことだ。
- 僕が彼らの争いを傍観し、漁夫の利を狙っていた事は既にお見通しだったらしい。
- 結局のところ漁夫の利さながら得したのは、彼女だけである。
「漁夫の利」の文学作品などの用例
この次の機会にこそ、日本は漁夫の利をしめるか、さもなければ大漁祝いのわけ前にありついて、前回でものにしそこねた北や南での領土的野心をみたすことができるという潜行的な宣伝が行われている。(宮本百合子の便乗の図絵より)