「一寸の虫にも五分の魂」の意味・英語・類義語
【ことわざ】
一寸の虫にも五分の魂
【読み方】
いっすんのむしにもごぶのたましい
【意味】
どんなに小さく弱い存在であっても、自分なりの誇りや意地を持っているということ。
【英語】
The fly has her spleen and the ant has gall.(蝿にも脾臓があり、蟻にも膀胱がある)
※英語の声:音読さん
【類義語】
・小糠にも根性
・蛞蝓にも角
「一寸の虫にも五分の魂」の解説!使用時の注意点とは?
「一寸の虫にも五分の魂」ということわざは、どんなに小さく弱い存在であっても、それなりの意地や誇りを持っているため、決して侮ってはいけないという教訓を含んでいます。
「一寸」は約3cm、「五分」はその半分の1.5cmを指します。
小さな虫であっても、その半分には魂が宿っているという意味から、どんなに弱い立場の人でも、自分なりの信念や考えを持っていることを表しています。
このことわざは、目下の人を見下したり、弱い立場の人を軽んじることへの戒めとして使われることが多いです。
例えば、後輩を侮っていると、いずれ実力を追い越されてしまうかもしれませんし、格下の相手を油断していると、思わぬ反撃を受けることもあります。
そのため、どんな相手に対しても敬意を持って接することが大切だというメッセージが込められているのです。
ただし、「一寸の虫にも五分の魂」は相手を「小さな虫」にたとえる表現のため、場合によっては失礼にあたることがあります。
特に、目上の人に対して使うのは避けたほうがよいでしょう。
また、相手をかばう意図で使ったとしても、言い方によっては不快に感じさせることがあるため、注意が必要です。
「一寸の虫にも五分の魂」は、弱い立場の人を守るためのことわざですが、使い方によっては誤解を招くこともあります。
状況に応じて、他の表現を使い分けながら、相手への敬意を忘れずに活用していきましょう。
「一寸の虫にも五分の魂」の使い方
「一寸の虫にも五分の魂」の例文
- 長いものには巻かれろ、という諺は徳川時代の平民の境遇から発生した意味ふかい言葉である。一寸の虫にも五分の魂、という言葉も、等しくこれらの描写をもたぬ市民の心から産まれている。(宮本百合子『パァル・バックの作風その他』)
- 一寸の虫にも五分の魂。見せてやる。虫けらのようなこのおれにいったい何ができるのか。(うえお久光『悪魔のミカタ』)
- 名ばかりの亭主で、むなしく、日々が過ぎた。一寸の虫にも五分の魂やないか、いっそ冷淡に構えて焦らしてやる方が良いやろと、ことを察した木下が忠告してくれたが、そこまでの意気も思索も浮ばなかった。(織田作之助『放浪』)
- 野球チームの新人選手は、見た目は小柄だったが、一寸の虫にも五分の魂を地で行くような粘り強さで、次第にチームの中心選手となっていった。
- ボクシング初心者のぼくが、王者の鈴木くんと対戦することになった。勝負にはならないかもしれないが、一寸の虫にも五分の魂だ。なんとしても一発は当てるぞ。
- 甲子園の1回戦でいきなり強豪校と戦う事になってしまった。でも一寸の虫にも五分の魂ということわざがある。甲子園初出場でも意地を見せて戦おう。