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【清水の舞台から飛び降りる】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

清水の舞台から飛び降りる

【ことわざ】
清水の舞台から飛び降りる

【読み方】
きよみずのぶたいからとびおりる

【意味】
死んだつもりで、思い切って大きな決断をすること。非常に重大な覚悟を固めて、物事を実行すること。

ことわざ博士
清水の舞台から飛び降りるは、失敗する不安や大きな負担があっても、覚悟を決めて一歩を踏み出すことを表すんだよ。
助手ねこ
高価な品物を買うときや、人生を左右する選択をするときなどに用いるニャン。

【英語】
・take the plunge.(よく考えた末に、思い切って重大なことを決断する)

【類義語】
・清水の舞台から後ろ飛び(きよみずのぶたいからうしろとび)

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「清水の舞台から飛び降りる」の語源・由来

ことわざを深掘り

「清水の舞台」とは、京都市東山区にある清水寺(きよみずでら)の本堂から、音羽山(おとわやま)の急な斜面へ張り出した舞台を指します。現在の本堂と舞台は、寛永10年、すなわち1633年に再建されたもので、舞台の高さはおよそ13メートルあります。切り立った崖の上から張り出しているため、そこから飛び降りるには、命を懸けるほどの覚悟が必要です。

本来、この舞台は、景色を眺めるためだけの場所ではありません。清水寺の本尊である観音菩薩(かんのんぼさつ)に、雅楽(ががく)、能、狂言、歌舞伎などの芸能を奉納する場所として使われてきました。「舞台」という名も、観音に芸能をささげる場であったことに結び付いています。

この言い方の背景には、高い舞台を見上げて「ここから飛ぶには決死の覚悟が要る」と考えた比喩だけでなく、実際に舞台から飛び降りた人々がいたという歴史もあります。江戸時代には、清水寺の観音に一心に祈って飛び降りれば、命が助かり、願いもかなうという信仰が広まりました。

その信仰のよりどころの一つに、『妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)』の「観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんぼん)」、一般に「観音経」と呼ばれる一章があります。そこには「或被悪人逐 堕落金剛山 念彼観音力 不能損一毛」とあり、悪人に追われて高い山から落ちても、観音の力を念じれば髪の毛一本さえ傷つかない、という意味を表しています。

江戸時代前期の俳諧辞書『俳諧類船集(はいかいるいせんしゅう)』(1676年、梅盛撰)には、「清水の舞台からとぶは、かの仏の説給ひし、堕落金剛山、念彼観音力、不能損一毛の試なるべし」とあります。清水の舞台から飛ぶ行為を、観音の力によって高所から落ちても傷つかないという経文の教えを試すものとして捉えています。

この古い用例では、「清水の舞台から飛ぶ」は、まだ現在のような比喩だけではありません。観音への信仰を背景として、実際に舞台から飛び降りる行為そのものを指しています。当時は、病気の回復、恋の成就、物事の吉凶などを願い、高い場所から身を投じる風習があったと伝わっています。

清水寺の塔頭(たっちゅう)である成就院(じょうじゅいん)の日記には、元禄7年、すなわち1694年から、元治元年、すなわち1864年までに起きた、未遂を含む235件の「飛び落ち」が記録されています。寺は、飛び落ちを防ぐ柵の設置や人々への指導を京都町奉行所へ求め、明治時代には京都府が禁止令を出しました。

記録に残る舞台の高さは、現在の建物で、およそ四階建ての建物に相当します。それでも多くの人が観音の力を信じて飛び降りたことから、この行為が当時の人々にとって、単なる無謀な行動ではなく、命を観音に預けて願いの成就を求める、きわめて重大な決断であったことが分かります。

一方、言葉はしだいに、実際に飛び降りる行為から離れ、思い切った決断を表す比喩へと移っていきました。式亭三馬の滑稽本『浮世風呂(うきよぶろ)』(1809~1813年・江戸時代後期)には、「エエ、何のコレ、清水の舞台から飛んだと思て十二文か」とあります。わずかな金を支払うことを、清水の舞台から飛ぶほどの決心になぞらえた、こっけいな言い方です。

この用例では、舞台から本当に飛ぶのではなく、金を出すことへのためらいを乗り越える意味で使われています。江戸時代後期にはすでに、「清水の舞台から飛ぶ」という具体的な行為が、金銭を使うことや、思い切った行動をすることの比喩として通じるようになっていました。

表現には、「清水の舞台から飛ぶ」「清水の舞台から飛び下りる」「清水の舞台から落ちる」などの形があります。現在は「清水の舞台から飛び降りる」が広く用いられ、「清水の舞台から飛び降りるつもりで買う」のように、強い覚悟を必要とする買い物や、失敗を恐れずに下す重大な決断を表します。

このように、「清水の舞台から飛び降りる」は、清水寺の高い舞台と、観音を信じて実際に飛び降りた人々の行為を背景に生まれました。そこから、命を懸けるほどの覚悟を表す比喩へと変化し、現在では、十分に考えたうえで思い切って大きな決断をすることを表すことわざとして定着しています。なお、現代の表現はあくまで比喩であり、実際に舞台から飛び降りることを勧めるものではありません。

「清水の舞台から飛び降りる」の使い方

ともこ
健太くん、ずっと欲しがっていたあの本格的な天体望遠鏡、ついに買ったんだって?
健太
うん、お小遣いを何年も貯めて、足りない分はお父さんにお手伝いのご褒美として前借りして、清水の舞台から飛び降りる気持ちで注文したんだ。
ともこ
わあ、それはものすごい決意だったね!これから毎晩、星を見るのが楽しみになるじゃない?
健太
そうだね、まずは今週末の流星群を絶対にこの目で見事にとらえてみせるよ。
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「清水の舞台から飛び降りる」の例文

例文
  • 長年ためた貯金で店を開くため、彼は清水の舞台から飛び降りる覚悟で契約書に署名した。
  • 清水の舞台から飛び降りるつもりで、アルバイト代をためて念願の自転車を購入した。
  • 留学を決めるには勇気が必要だったが、彼女は清水の舞台から飛び降りる思いで申し込んだ。
  • 店主は清水の舞台から飛び降りる決意で、売れ残った品物を半額にした。
  • 家族は清水の舞台から飛び降りる覚悟で、古い家を建て替えることにした。
  • 社長は清水の舞台から飛び降りるつもりで、新しい事業への投資を決断した。

主な参考文献

・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000~2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・横山正幸編著『実録「清水の舞台より飛び落ちる」―江戸時代の『清水寺成就院日記』を読む』横山正幸、2000年。
・梅盛撰『俳諧類船集』1676年。
・式亭三馬『浮世風呂』1809~1813年。





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