「釘を刺す」の意味(語源由来・類義語)
【慣用句】
釘を刺す
【読み方】
くぎをさす
【意味】
あとで問題がおこらないように、あらかじめ注意しておくこと。
後々トラブルを避けるための、先手先手の行動やね。ちょっとした確認でも、大きなトラブルを防ぐことができるんやな。
【語源由来】
昔の大工は、釘を使わずに、木をうまく組み合わせて家を建てていたが、念のために釘を打つようになったことから。
【類義語】
・先手を打つ
・念を押す
「釘を刺す」の解説
「釘を刺す」という言葉の語源は、日本の昔の建築のやり方に基づいているんだ。昔の日本の建築は、基本的に木を使った建築がほとんどだったんだよ。それは、今でも残る世界最古の木造建築である法隆寺なんかがその例だね。
そして、その木造建築では、初めは釘を使わない工法が主流だったそうだよ。それではどうやって建物を組み立てていたかというと、木材に特別な切れ込みを入れて、その切れ込みを使って木材同士を組み合わせていたんだって。
でも、時代が江戸の中期になると、さらに安全性を高めるために、「釘を刺す」つまり、「釘で木材を固定する」という工法が取り入れられたんだよ。そのとき使われていた釘は、今の釘とはちょっと違って、「和釘」と呼ばれるものだったんだ。
この、「釘を刺す」つまり「釘でしっかりと固定する」という行為が、後に「しっかりと注意を促す」、「確認をする」などの意味になって「釘を刺す」という言葉として使われるようになったんだよ。
「釘を刺す」の使い方
「釘を刺す」の例文
- このことは誰に言ってもならないと釘を刺したのに。
- 三時までおやつを食べてはいけないと釘を刺したが、二時に見た時にはすでにケーキがなかった。
- お父さんのお手伝いで買い物に行くと言うと、「お菓子は一つだけだからね」と釘を刺された。
- 若いころ俳優をめざし苦労したらしく、演劇の道にだけは進むなと親に釘を刺されている。
- 歯が大事ならば、綿菓子を買ってはいけないと釘を刺されてから祭りに行った。
- 彼女を怒らせたくなければ、私の名前を出してはいけないと釘を刺したではないか。
【注意!】間違った例文
❌「母が大事にしている指輪を壊してしまって、釘を刺された。」
だから、あとで問題が起きないように、最初からしっかりと説明したり、注意したりすることを表すんだ。