「おくびにも出さない」の意味(語源由来・類義語)
【慣用句】
おくびにも出さない
【読み方】
おくびにもださない
【意味】
心に秘めて言葉にしないこと、表にださないこと。
秘密を隠すってことか。ほんまに大事なことやなら、口から出すことはないわけや。
【語源由来】
胃の中のガスを我慢して外に出さない意から。
【類義語】
・素振りも見せない
「おくびにも出さない」の解説
「おくびにも出さない」っていう表現はね、何かを本当に深く隠して、それを絶対に誰にも話さない、見せない、という意味なんだよ。
例えば、君がクラスメイトに秘密の恋人がいて、それを誰にも話さない、見せないと決めているとしよう。それはまさに「おくびにも出さない」という状態なんだ。
「おくび」というのは、胃から口に向かってガスが上がってきて出る、「げっぷ」のことを言うんだ。「おくびにも出さない」とは、その「げっぷ」さえも我慢してしまうほど、何かを秘密にする、隠すという意味になるんだよ。
だから、何かを「おくびにも出さない」と言うときは、それが本当に大事な秘密で、絶対に誰にも言わない、見せないという意味になるんだね。
「おくびにも出さない」の使い方
「おくびにも出さない」の例文
- 先生はうるさい生徒に対して苛立ちの気持ちをおくびにも出さず、言葉を続けた。
- これからどんなことが待ち受けるのか不安ではあるが、そんなことはおくびにも出さず立ち向かうのみだ。
- さっきまでの疑いをおくびにも出さず、彼に問う。
- 試験に受かるか受からないかの瀬戸際だが、そんなことはおくびにも出さずに笑う。
- 胸中の疑惑はおくびにも出さずに、にこにこしている。
「おくびにも出さない」の文学作品などの用例
主人は平気な顔をして「君の忠告に従って写生を力つとめているが、なるほど写生をすると今まで気のつかなかった物の形や、色の精細な変化などがよく分るようだ。西洋では昔から写生を主張した結果今日のように発達したものと思われる。さすがアンドレア・デル・サルトだ」と日記の事はおくびにも出さないで、またアンドレア・デル・サルトに感心する。(夏目漱石の吾輩は猫であるより)