「恐れ入谷の鬼子母神」の意味(語源由来)
【ことわざ】
恐れ入谷の鬼子母神
【読み方】
おそれいりやのきしもじん
【意味】
「恐れ入りました」をしゃれていったことば。
一言で「恐れ入りました」って感じを出すために、こんな風に言葉を遊んでるんやな。面白いな、これは。
【語源・由来】
「鬼子母神(きしもじん・きしぼじん)」とは、凶暴で他人の子供を食べてしまう悪い女神のこと。
仏陀(ぶっだ)に懲らしめられ、のちに出産・育児の神となった。
その鬼子母神が祭られている、東京都台東区入谷と「恐れ入りやした」の「入りや」をかけていったもの。
また、相手の実力に圧倒されて参ること。
あまりにひどくてあきれるという時にも使う。
「恐れ入谷の鬼子母神」の解説
「恐れ入谷の鬼子母神」っていうのは、実はちょっとしたジョークが含まれた表現なんだよ。
みんな、「恐れ入りました」っていう表現を聞いたことあるよね。これは、「驚いた」「びっくりした」っていう感じの意味だよ。それで、「いりや」は「入りました」の「入り」のこと。この「いりや」を東京にある地名、「入谷(いりや)」にかけているんだ。
さらに、その「入谷」には「鬼子母神」っていう神社があるんだよ。だから、その2つを組み合わせて、「恐れ入りました」を面白おかしく表現したのが、「恐れ入谷の鬼子母神」なんだよ。
だから、これは「びっくりした」「驚いた」っていう感じを、ちょっと面白く言い換えた言葉なんだね。
「恐れ入谷の鬼子母神」の使い方
「恐れ入谷の鬼子母神」の例文
- そんなに細いのに、カツ丼を5杯も食べるなんて、恐れ入谷の鬼子母神だね。
- あのピッチャーが完全試合をするなんて、恐れ入谷の鬼子母神だ。
- 彼は大人しくて目立たないけれど、あれで有名な俳優というのだから恐れ入谷の鬼子母神だな。
- 彼女があれほどお酒に強いなんて思っていなかったよ。一人で一升飲み干すなんて恐れ入谷の鬼子母神だ。
- いつも宿題を忘れて怒られていた彼が、今では大きな会社の社長だなんて、恐れ入谷の鬼子母神だ。
「恐れ入谷の鬼子母神ですが、ちょっと道をあけてくれませんか。」などと使うのは誤り。
また、恐怖心を持つという意味で使うのも誤り。
「ひったくりにバッグを奪われて、恐れ入谷の鬼子母神だったよ。」と使うのも誤り。
「恐れ入谷の鬼子母神」の文学作品などの用例
なんのお前様、唐人の化けの皮を一目で引ん剥いだ、御眼力、お若えが恐れ入谷の鬼子母神……へっへっへっなんでごわす? ま、そのお話てえのをザッと伺おうじゃアげえせんか、あっしもこれで甲州無宿山椒の豆太郎――山椒は小粒でもピリッとからいや。(林不忘の丹下左膳より)
まとめ
恐れ入谷の鬼子母神、という言葉は、普段使っている言葉をしゃれていう言葉です。
いつもとは一味違うと思われるのではないでしょうか。
ふざけすぎたり、間違えたりしないで使うことで、より会話を楽しみたいものですね。
これは言葉遊びの一種とも言えるね。