「鰻の寝床」の意味
【慣用句】
鰻の寝床
【読み方】
うなぎのねどこ
【意味】
うなぎの寝床は体に合った細長いものだということから、入口が狭くて奥行きの深い建物や場所のたとえ。裏長屋や細長く狭い窮屈な場所にもいう。
まるで鰻が寝るような形の建物や場所を表す言葉やな。見た目よりも中身が広かったり、深かったりすることを教えてくれる表現やな。
「鰻の寝床」の解説
「鰻の寝床」っていう表現はね、鰻の生活習慣から来ているんだよ。鰻っていう魚は、とっても細長い体をしていて、川の底の泥や岩のすき間みたいな、細長い場所が大好きなんだ。
で、この鰻が好む細長い場所を、人間の家の形に例えたのが「鰻の寝床」なんだ。前から見ると狭いけど、奥行きがすごく深い家のことを指しているんだよ。
実は、「鰻の寝床」のような建物は、京都や大阪の古い家には、よく見かける形なんだよ。その理由は、昔の税金のシステムにあるんだ。
昔の江戸時代のころには、「間口税」っていう税金があったんだ。これは、今で言うところの「固定資産税」みたいなもの。つまり、家や土地を持っている人が払う税金なんだ。
でも、「間口税」は、家の価値や土地の広さで税金が決まるわけじゃなくて、家の前面の幅、つまり「間口」の大きさで税金が決まったんだよ。だから、税金を少なくするために、わざと家の間口を狭くして、その分、奥行きを深くした家がたくさん作られたんだよ。それが「鰻の寝床」の形の家なんだよね。
「鰻の寝床」の使い方
「鰻の寝床」の例文
- そのテレビ局の一角には、狭い廊下の両側にスタッフルームが鰻の寝床のように並んでいる。
- 鰻の寝床みたいに山に挟まれた村落で、一年の半分は雪に閉じ込められてしまうのである。
- 店内は鰻の寝床のように細長く、店の奥にはいくつか座席があるにはあるが、それ以外は立ち飲みである。
- 日本橋のそのお店は、表通りから、ちょっと入ったところにあって、入口は狭いが、奥が深くなっている、鰻の寝床のような造りである。
- ここの町一帯は薬屋の町であり、一丁目から四丁目まで、鰻の寝床のように細長い通りには薬屋が軒をつらねてひしめいている。
「鰻の寝床」の文学作品などの用例
区画整理のためにそこら一帯も様子を変えて「小山珈琲店」も場所をずらされたついでに、無理に店を拡げて、うなぎの寝床みたいな細長い格好の店になった。(山之口貘の池袋の店より)