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「海老で鯛を釣る」の意味と使い方や例文!語源・類語・対義語・英語表現!本当の意味とは?

海老で鯛を釣る

「海老で鯛を釣る」とは

「海老で鯛を釣る」の漫画

読み方・意味

海老で鯛を釣るのイラスト
  • ことわざ:海老で鯛を釣る
  • 読み方:えびでたいをつる
  • 意味:小さなものを差し出して、大きな価値のあるものを得るたとえ。

 

海老で鯛を釣る」は、わずかな元手や労力で大きな利益を得ることのたとえです。

小さな投資で思いがけない成功を収める状況を表し、特に商売や贈り物のやり取りで使われることが多いです。

※このことわざは、継続的な商取引というより、主に一度きりのことや贈答について使われます。

江戸時代中期から使われるようになり、日常会話では「海老鯛(えびたい)」と略されることもあります。

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「海老で鯛を釣る」の語源・由来

「語源・由来」のイラスト

海老で鯛を釣る」の語源や由来にはいくつかの説がありますが、基本的には、安価な海老を餌にして高級魚である鯛を釣ることから生まれたことわざです。

小さな海老で大きな鯛を手に入れるという釣りの状況が転じて、「少ない元手で大きな利益を得る」という意味で広まりました。

また、このことわざの由来として、実際に釣り人が小さな海老を使って鯛を釣る光景を見た人が商売のヒントを得た、という説もあります。

商売の世界では「損して得取れ」といわれるように、小さな投資が大きなリターンを生むことがあるため、この考えが広まったのでしょう。

さらに、「海老で鯛を釣る」と七福神のえびす大神との関係も指摘されています。

えびす大神は釣り竿を持ち、鯛を手にしている姿で描かれることが多く、商売繁盛や福を招く神様として信仰されています。

このことから、「海老で鯛を釣る」という言葉が、商売の成功や幸運を意味するものとして人々に親しまれるようになったとも考えられています。

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「海老で鯛を釣る」の使い方

助手ねこ
ネズくん!オラ、ハナちゃんにクッキーをあげたニャー!
ネズくん
へぇ~、やさしいチュー。でも、それでどうしたの?
助手ねこ
そしたら、ハナちゃんが『ありがとう』って、オラにニコッて笑ってくれたニャンよ♪
ネズくん
それって、まさに『海老で鯛を釣る』だチュー…。クッキー一枚で、幸せいっぱいチューね。

「海老で鯛を釣る」の例文

「例文」のイラスト

1. プレゼントやお土産を渡したとき

  • 「友達に小さなお菓子をあげたら、お返しに大きなケーキをもらったよ!まさに海老で鯛を釣る展開だね!」

2. お手伝いや親切をしたとき

  • 「お隣さんの軽い荷物を運ぶのを手伝ったら、おいしいクッキーをもらっちゃった!まさに海老で鯛を釣るだね!」

3. 商売やビジネスの場面

  • 「100円のくじを引いたら、1万円の商品券が当たった!こんなに得するなんて、まさに海老で鯛を釣るだね!」

4. 学校や勉強の場面

  • 「ノートを貸してあげたら、お礼にテストのポイントを教えてもらえた!これは海老で鯛を釣るってことだよね!」

5. くじ引きや運が良かったとき

  • 「駄菓子屋さんで10円のくじを引いたら、大当たり!たった10円で大きなお菓子をもらえて、海老で鯛を釣るとはこのことだね!」
  • 「おまけ付きのお菓子を買ったら、レアなカードが出た!まさに海老で鯛を釣るって感じで嬉しい!」

「海老で鯛を釣る」の本当の意味とは

海老で鯛を釣る」の本当の意味は、単に「少ない元手で大きな利益を得る」という考え方にとどまらず、ご縁をつなぎ、大きな目標を実現するための姿勢を表すものでもあります。

このことわざの由来とされる七福神のえびす大神は、たまたま釣りをしていたら鯛がかかったのではなく、最初から鯛を釣る(大きな成功を得る)ことを狙って、海老(小さなチャンスやご縁)を活かしていたと考えられます。

つまり、このことわざは「運任せに大きな成功を得る」というものではなく、自ら小さなきっかけを大切にし、それを活かして大きな成果につなげていくという考え方につながるのです。

また、鯛は「めでたい」とされる魚であり、単に自分だけが得をするのではなく、周りの人々も含めて幸せを広げるような理想を持つことが大切だとも解釈できます。

小さな出会いや出来事を軽んじず、どのようにつながっていくかわからないご縁を大事にしていくことが、「海老で鯛を釣る」本来の意味であり、その考え方が人生や商売の成功にもつながるのです。

つまり、「海老で鯛を釣る」は単なる「お得な話」という意味ではなく、小さなチャンスや人とのつながりを大切にし、それを活かして大きな夢や成功を手にするための教訓でもあるのです。

「海老で鯛を釣る」の類義語・似たことわざ

「類義語」のイラスト

濡れ手で粟(ぬれてであわ)

  • 意味・教訓
    少しの努力や苦労で、大きな利益を得ることのたとえ。
    また、思いがけず簡単に大きな成果を得ることも意味する。
  • 使用例
    「一攫千金を狙うのもいいけど、濡れ手で粟なんてそうそうあるものじゃないよ。地道に努力することが大切だ。」

麦飯で鯉を釣る(むぎめしでこいをつる)

  • 意味・教訓
    わずかな元手で大きな利益を得ることのたとえ。
    また、けちな手段で大きな結果を期待することを皮肉る場合にも使われる。
  • 使用例
    「安い材料で高級料理を作ろうなんて、まさに麦飯で鯉を釣るような話だね。」

蝦蛄で鯛を釣る

  • 意味・教訓
    小さな労力や投資で、大きな利益や成果を得ることのたとえ。
    少ない犠牲で大きな報酬を得ることを指す。
  • 使用例
    「少額の投資で大きな利益を狙うなんて、まさに蝦蛄で鯛を釣るような作戦だね。」

一攫千金(いっかくせんきん)

  • 意味・教訓
    一度に大きな利益や財産を手に入れること。
    主に短期間で成功を収めたり、幸運によって巨万の富を得たりすることを指す。
  • 使用例
    「宝くじで一攫千金を狙うのもいいけど、確実な努力を積み重ねることが大切だよ。」

一粒万倍(いちりゅうまんばい)

  • 意味・教訓
    わずかなものが、後に大きな成果や利益を生むことのたとえ。
    また、種まきや努力が実を結び、大きな成功につながることを意味する。
  • 使用例
    「今日の小さな努力も、やがて大きな成功につながるよ。一粒万倍の精神で頑張ろう!」

「海老で鯛を釣る」の対義語

骨折り損のくたびれもうけ(ほねおりぞんのくたびれもうけ)

  • 意味・教訓
    一生懸命努力したにもかかわらず、何の成果も得られず、ただ疲れるだけで終わってしまうことのたとえ。
  • 使用例
    「時間をかけて交渉したのに、結局契約は取れなかったなんて、骨折り損のくたびれもうけだよ。」

牛刀をもって鶏を割く(ぎゅうとうをもってけいをさく)

  • 意味・教訓
    大きな力や立派な手段を、小さなことに使うことのたとえ。
    また、大げさすぎる対応をすることを指す。
  • 使用例
    「この簡単な仕事にベテラン社員を割り当てるなんて、まるで牛刀をもって鶏を割くようなものだ。」

大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)

  • 意味・教訓
    大騒ぎしたわりに、結果はごく小さなものだったことのたとえ。
    事前の期待が大きかったのに、実際には大したことがなかった場合によく使われる。
  • 使用例
    「新商品の発表会が大々的に宣伝されていたのに、結局は小さな改良だけとは…大山鳴動して鼠一匹だね。」

二束三文

  • 意味・教訓
    数が多くても値段が非常に安いこと。
    また、価値の低いものや、安く売り払われるものを指す。
  • 使用例
    「せっかく集めた古本だけど、古本屋に持って行ったら二束三文で買い叩かれてしまったよ。」

使用上の注意点

注意点のイラスト
  • 小さな労力や投資で大きな利益を得る場面に適用する
    → 労力やコストが見合っている場合には使わない。
    (例:✕「高級な食材を使って美味しい料理を作った、まさに海老で鯛を釣るだ」→ コストに見合っているため不適切)
  • 目上の人に対して使うのは避ける
    → 目上の人から好意や支援を受けた場合に使うと、失礼にあたる。
    (例:✕「社長に小さな相談をしたら、大きな案件を任せてもらえた。まさに海老で鯛を釣るだ」→ 目上の厚意を軽く見ているように聞こえる)
    → 目上に対して言う場合は、「思いがけず大きな成果を得られました」などの表現に置き換えるのが望ましい。
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「海老で鯛を釣る」の英語表現

「英語」のイラスト

Throw a sprat to catch a mackerel.

  • 直訳: 小魚を投げてサバを釣る
  • 意味: 小さな犠牲や投資をして、大きな利益を得ることのたとえ。日本語の「海老で鯛を釣る」に近い意味のことわざ。
  • 例文:Even though I had to give him a small gift, he introduced me to an important client. Sometimes, you have to throw a sprat to catch a mackerel.(小さなプレゼントをあげたら、大事な顧客を紹介してもらえた。ときには、小さな犠牲が大きな成果につながるものだ。)

Throw a sprat to catch a herring.

  • 直訳: 小魚を投げてニシンを獲る
  • 意味: 小さな投資で少し大きなものを得ることのたとえ。
  • 例文:I bought a cheap ticket to a networking event and ended up making a useful connection. It’s like throwing a sprat to catch a herring.(安いチケットで交流会に参加したら、役に立つ人脈ができた。ちょっとした投資が良い結果を生むものだね。)
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「海老で鯛を釣る」のクイズ問題!理解度チェック

助手ねこ
海老で鯛を釣る」のクイズ問題ニャン。全問正解できたら合格ニャ〜♪

Q1
次の画像に表示される4択問題に答えよ。

「海老で鯛を釣る」のクイズ問題
ことわざ博士
答えは5秒後に画像に表示されるよ♪

Q2
「海老で鯛を釣る」の語源は?

  1. 海老が進化すると鯛になるという昔話から生まれた
  2. 江戸時代に海老と鯛を交換する商売が流行したことから生まれた
  3. 小さな海老を餌にして高級な鯛を釣ることから生まれた
解答
正解は③
ことわざ博士
このことわざは、釣りの場面で安価な海老を使って価値のある鯛を釣ることに由来しています。

Q3
次のうち、「海老で鯛を釣る」が適切に使える場面はどれ?

  1. 仕事で大きなミスをして、上司に怒られた
  2. 安いチケットで参加したイベントで、大切な人脈ができた
  3. 高級レストランで豪華な料理を食べた
解答
正解は②
ことわざ博士
「海老で鯛を釣る」は、わずかな投資や努力で思いがけない大きな利益を得る場面で使います。

Q4
「海老で鯛を釣る」と似た意味のことわざは?

  1. 濡れ手で粟
  2. 骨折り損のくたびれもうけ
  3. 大山鳴動して鼠一匹
解答
正解は①
ことわざ博士
「濡れ手で粟」も、少しの努力で大きな利益を得ることを意味することわざです。

Q5
「海老で鯛を釣る」に近い意味の英語のことわざは?

  1. Kill two birds with one stone.
  2. Throw a sprat to catch a mackerel.
  3. A rolling stone gathers no moss.
解答
正解は②
ことわざ博士
小魚を投げてサバを釣るという意味です。




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