「急がば回れ」の意味
【ことわざ】
急がば回れ
【読み方】
いそがばまわれ
【意味】
急いでいるときほど、危険な近道よりも安全で確実な道を選ぶほうがよい。なにごとも急ぐとリスクが増すので、落ち着いて着実な手段をとることが大切ということ。
【英語】
Make haste slowly(ゆっくり急げ)
Slow and steady wins the race.(遅くとも着実な者が競走に勝つ)
※英語の声:音読さん
【類義語】
・急いては事を仕損じる
【対義語】
・急かねば事が間に合わぬ
・巧遅は拙速に如かず
「急がば回れ」の解説・語源由来
「急がば回れ」は、急いでいるときこそ慎重に行動し、安全な方法を選ぶことが結果として最も早く目的を達成できるという意味のことわざです。
目先の効率だけを考えて無理をすると、かえって失敗や二度手間につながることがあるため、確実な道を選ぶことの大切さを伝えています。
このことわざの語源は、室町時代の歌人・宗長が詠んだ短歌「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」に由来しています。
近江(現在の滋賀県)から京へ向かう際、琵琶湖を船で渡るのが最短ルートでしたが、比叡山からの強風により転覆の危険がありました。
そのため、遠回りでも安全な瀬田の長橋を渡る方が結果として早く目的地に着けるという教訓が込められています。
日常生活では、急いで目的地に向かう際に危険な近道を避けるときや、仕事や勉強で効率ばかりを重視するのではなく、着実な方法を選ぶべき場面で使われます。
たとえば、慣れないやり方に手を出して失敗するより、普段通りの方法で着実に進めるほうが早いと考えるときに、「急がば回れ」という言葉が当てはまります。
このことわざは、短期的な利益よりも長期的な成功を見据えた判断の大切さを伝えているのです。
焦りから安易な道を選んで失敗することのないよう、慎重な選択を心がけることが大切だと教えてくれる言葉ですね。
「急がば回れ」の使い方
「急がば回れ」の例文
- 「あれがそもそもの始まりだわ。まずそこに立ち返らないと」国友は肯いて、「急がば回れ、だな。―よし、何とか調べ出そう」と言った。(『赤川次郎』小説現代)
- 近道を案内するというユーラップのオッカイに従う。だが、途中から怪しくなる。「急がば回れ。迷うも一興」 さすがコシャマイン大将軍もお手上げと、怒るもやらず泰然と笑う。(『若岡直樹』聖コシャマイン)
- 読んでいて「大変だな」とか「面倒くさい」と思っている方もいるかもしれませんが、急がば回れ、です。 あせらず一つひとつ習得していきましょう。(完璧コーチング術)