「蛙の子は蛙」とは
読み方・意味
- ことわざ:蛙の子は蛙
- 読み方:かえるのこはかえる
- 意味:子どもが成長すると結局は親に似てくる、または親と同じような道を歩むということ。
「蛙の子は蛙」とは、子どもは成長すると結局親に似たり、親と同じ道を歩んだりするという意味のことわざです。
このことわざには2つの意味があります。
1つ目は、幼い頃は親と違って見えても、成長すると性格や考え方、職業などが親に似ることを指します。オタマジャクシが成長すると蛙になることに例えられています。
2つ目は、「平凡な親の子は平凡なまま」という少しネガティブな意味です。
かつてはこの意味合いが強く、他人に対して使うのは避けられることが多かったですが、最近では単に「親子が似ている」という意味で使われることもあります。
一般的には、ネガティブな意味で使うことが多いことわざです。
「蛙の子は蛙」の語源・由来
「蛙の子は蛙」は、日本の伝統芸能や文学作品に見られる表現に由来すると考えられています。
江戸時代の歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』に登場しており、古くから使われてきたことがわかります。
このことわざは、オタマジャクシが成長すると親と同じ姿の蛙になるという自然の現象をもとにしています。
親とは全く違う姿をしているオタマジャクシが、やがて蛙へと変化することが、人間社会における親子の関係を象徴している点が巧みな比喩となっています。
「蛙の子は蛙」の使い方
「蛙の子は蛙」の例文
- どんなに頑張っても、才能のある人には勝てない。親も普通の人だったし、やっぱり『蛙の子は蛙』なんだな…。
- プロのピアニストになりたかったけど、やっぱり平凡な才能しかなかったみたい。親も普通の会社員だったし、『蛙の子は蛙』ってことか…。
- 彼は小さい頃から親とは違う道を歩みたいって言ってたけど、結局は同じ職業についてるよ。やっぱり『蛙の子は蛙』なんだね。
- スポーツ選手を目指してたけど、才能がなくて挫折したよ。親も運動が苦手だったし、結局『蛙の子は蛙』だったな。
- 俺も社長になりたかったけど、そんな才能はなかった。親も普通のサラリーマンだったし、『蛙の子は蛙』なんだよな。
文学作品などの用例
人間の子供もそうぞうしいが、おまえも随分そうぞうしいな。あけても暮れても騒いでいる。蛙の子は蛙とはよく云ったものだ。おれ達を見習ってちっと黙っていろ。(蟹満寺縁起『岡本綺堂』)
「蛙の子は蛙」の類義語・似たことわざ
- 瓜の蔓に茄子はならぬ
- 鳩の卵が鵯にはならぬ
- 狐の子は面白
- 鳶の子は鷹にならず
- 燕雀鳳を生まず
- この親にしてこの子あり
- この父ありて斯にこの子あり
- 蝮(まむし)の子は蝮
- 親に似た蛙の子
- 親に似た子瓢箪
- 親に似た亀の子
- 親も嘉平衛子も嘉平衛
「蛙の子は蛙」の対義語
「蛙の子は蛙」の注意点
- ネガティブな意味を含むため、使う相手に注意する
→ 「平凡な親の子は平凡」という意味合いがあるため、相手を傷つける可能性がある。
(例:✕「あなたの子ども、あまり才能がないみたいね。やっぱり蛙の子は蛙ね。」→ 失礼な言い方になる) - 他人に対して使うのは避ける
→ かつては自分や身内に対して使うのが一般的だった。
(例:✕「あの家の子どもも結局普通の人生だね。蛙の子は蛙だ。」→ 他人の子どもについて言うのは失礼) - 最近は肯定的な意味で使われることもあるが、誤解される可能性がある
→ 文脈によっては、バカにしているように聞こえることがあるため注意が必要。
(例:✕「あなたもお父さんと同じ仕事について成功したね!蛙の子は蛙だ!」→ 素直な称賛としては伝わりにくい)
「蛙の子は蛙」の英語表現
The apple never falls far from the tree.
直訳:リンゴは木の遠くには落ちない。
意味:子どもは親に似るものであり、親の性格や行動が子にも受け継がれるという意味のことわざ。
例文:Jake is a great musician, just like his father. Well, the apple never falls far from the tree.
(ジェイクは父親と同じように素晴らしい音楽家だよ。本当に「リンゴは木の遠くには落ちない」ね。)
Like father, like son.
直訳:父に似る息子。
意味:息子は父親に似るものだという意味のことわざ。外見や性格、行動などが似ているときに使われる。
例文:Tom loves soccer just like his dad. Like father, like son!
(トムはお父さんと同じようにサッカーが大好きなんだ。「父に似る息子」だね!)