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【瓜の蔓に茄子はならぬ】の意味と使い方や例文(語源由来・類義語・対義語・英語)

瓜の蔓に茄子はならぬ

「瓜の蔓に茄子はならぬ」の意味とは?(語源由来・類義語・対義語・英語)

意味

【ことわざ】
瓜の蔓に茄子はならぬ

【読み方】
うりのつるになすびはならぬ

【意味】
平凡な親からは非凡な子供は生まれない。血統は争えないこととしていう。

ことわざ博士
「瓜の蔓に茄子はならぬ」ということわざは、普通の親から特別な子が生まれることは少ない、また、何も手を加えなければ素晴らしい結果は得られない、ということを教えているんだよ。
助手ねこ
つまり、「ごく普通の親から特別な子が出ることはあまりない」ってことやな。

それに、「何も努力せずに良い結果が得られるわけやない」っていうことも含んでるんやな。やっぱり、何事も努力しなければいけへんってことを教えてくれてるんやな。

【語源由来】
瓜の蔓には瓜しか生らないように、ナスの木にもナスしか生らないことから。

【類義語】
・瓜の木に茄子は生らぬ
・瓜の種に茄子は生えぬ
・茄子の蔓に胡瓜はならぬ
・へちまの種は大根にならぬ
・燕雀鳳を生まず
・鳶の子は鷹にならず
・鳩の卵が鵯にはならぬ
・蛙の子は蛙
・狐の子は面白
・この親にしてこの子あり
・子は親を映す鏡
・この父ありて斯にこの子あり
・蝮の子は蝮

【対義語】
・鳶が孔雀を生む
・鳶が鷹を生む
・百舌が鷹を生む
・烏の白糞
・氏より育ち

【英語】
Eagles do not breed doves.(鷲は鳩を育てない)

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「瓜の蔓に茄子はならぬ」の解説

カンタン!解説
解説

「瓜の蔓に茄子はならぬ」の「瓜」っていうのは、スイカやカボチャのようなもので、日本では古くからよく見られる果物だよ。「茄子」はナスのことで、日本に伝わったのは比較的新しくて、その紫色が特別で高貴な感じがするから、昔の人々はとても価値があるものとして考えていたんだよ。

この言葉は、そうした歴史の中から生まれたもので、「普通のもの(瓜)からは特別なもの(茄子)は生まれない」っていう意味が込められているんだ。要するに、「親が普通なら子も普通で、特別な才能はそうそう生まれないよ」という教訓なんだよね。

たとえば、君がサッカーが上手な人を見て「私もあんなに上手くなりたい!」って思っても、最初からすごく上手くできる人はほとんどいないんだよね。でも、たくさん練習して、頑張れば、だんだんと上手くなっていけるんだよ。

この「瓜の蔓に茄子はならぬ」という言葉は、そういうことを教えてくれているんだよ。だから、何かを始めるときは、最初から完璧を目指さなくても大丈夫。大切なのは、一歩ずつ前に進むことだよ。

「瓜の蔓に茄子はならぬ」の使い方

健太
昨夜お父さんが珍しく残業しないで早く帰ってきたから、久しぶりに色々話したよ。
ともこ
楽しい時間は過ごせた?
健太
うん、面白い話がいっぱいできたよ。だけどね、お父さんも僕と同じで、鉄棒や跳び箱が苦手だったんだって。瓜の蔓に茄子はならぬとは良く言ったものだよね。
ともこ
ふふふ、こういう時は仲良し親子って言えば良いんじゃない。
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「瓜の蔓に茄子はならぬ」の例文

例文
  1.  私の産んだ3人の子供は、瓜の蔓に茄子はならぬで、揃いも揃って私に似てスポーツが苦手な子ばかり。
  2.  私と同じように平凡でつまらない人間にしたくなかったので、幼い頃から息子を厳しくしつけてきたのに、結局瓜の蔓に茄子はならぬで私と同じように三流の大学に進学してしまった。
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「瓜の蔓に茄子はならぬ」を深掘り

深掘り

「瓜の蔓に茄子はならぬ」ということわざは、字義通りに解釈すると、「ウリの種子をまいて、伸びた蔓には、ウリはみのるが、ナスがみのることはない」という意味ですが、これには深い教訓が込められています。

この表現は、親から子への血筋や特徴が受け継がれる自然の法則を示していると同時に、原因と結果の関係をも指し示しています。

狂言「比丘貞」に、「瓜の蔓に茄子はならぬ、父の子じゃもの」という言葉があるから、昔からいわれてきた表現です。

この言葉には、人の性質や才能が親から子に遺伝するという意味合いがあり、平凡な親からは通常非凡な子は生まれないという見解を示しています。

しかし、このことわざは一面的な見方に留まります。実際には「鳶が鷹を生む」という、例外的な才能を持つ子が親とは異なる特性を発揮することを認める反対の諺も存在します。

さらに、この考え方は中国の古典にも見られ、『涅槃経』では「瓜ヲ種エテ瓜ヲ得、李ヲ種エテ李ヲ得ル」とあり、また唐の禅書『参同契』には「燕雀ハ鳳ヲ生マズ」と記されています。これらはいずれも、原因と結果が一致するという教え、つまり因果応報の原則を示しています。

しかし、近代の遺伝学はこの考え方をさらに拡張しました。親に似ない特徴を持つ子が誕生すること、突然変異によって全く新しい特性が現れることを明らかにし、生物の品種改良を可能にしています。この科学の進歩により、ウリのツルにナスがなることはないという自然の原則を超えた例も生み出されています。

農業技術の進歩はこの古いことわざの字義を超えて、接ぎ木という方法を使って異なる種の特性を組み合わせることを可能にしました。

例えば、カボチャの根から伸びたツルにスイカを実らせる技術は、昭和の初めから実用化され、今日では病気に強いスイカの栽培に広く利用されています。同様の技術はキュウリ、メロン、ナスなど、多くの果菜類の栽培にも応用されています。

したがって、「瓜の蔓に茄子はならぬ」ということわざは、自然界の法則や因果関係を表す古典的な表現でありながら、遺伝学やバイオテクノロジーの進歩により、その字義に捉われない現象も起こり得るという、科学の進歩を象徴する事例とも言えるでしょう。

参考文献
植物ことわざ事典 | 足田 輝一


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