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「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【ことわざ】
窮鳥懐に入れば猟師も殺さず
【読み方】
きゅうちょうふところにいればりょうしもころさず
【意味】
追いつめられて逃げ場を失った人が救いを求めてくれば、見殺しにするわけにはいかない。
人の心は意外と温かいもんやね。このことわざ、人間の情や思いやりを思い出させてくれるな。
【語源・由来】
人の徳を備えた人は、助けを求めてきたものをいたわり、大切に扱わなくてはならない。
【出典】
『顔氏家訓・省事』の「然り而して窮鳥の懐に入るは、仁人の憫れむ所なり」から。
【類義語】
・怒れる拳笑顔に当たらず
・尾を振る犬は打ち手なし
・尾を振る犬は叩かれず
・窮鳥懐に入る
・袖の下に回る子は打たれぬ
・杖の下に回る犬は打たれぬ
・飛ぶ鳥懐に入る時は狩人も助く
・這って来る犬は打てぬ
【英語訳】
・The lion spares the suppliant.
・Even the hunter will refrain from killing the bird that has flown to him for shelter.
「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」の解説
「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」っていうことわざはね、困っている動物や人が、助けを求めてきたら、それを放っておいたり、見捨てたりはできないっていう意味なんだよ。
たとえばね、鳥が猟師から逃げて、最後にどうしても逃げ場所がなくて、猟師のところに飛んできたら、猟師もその鳥を捕まえることはできない。それくらい、本当に困って助けを求める姿って、人の心をつかんでしまうんだよ。
このことわざは、困っている人や動物が助けを求めてきたら、それを放っておけないっていう、人の優しさや情け深さを示しているんだね。
「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」の使い方
「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」の例文
- あいつとはいつも仲が悪いが、今回は窮鳥懐に入れば猟師も殺さずで助けただけだ。
- 窮鳥懐に入れば猟師も殺さずだから、どんなに憎くても見捨てる事は出来ないよ。
- 窮鳥懐に入れば猟師も殺さずだ、意地にならず今は助けてやるのが賢明だよ。
- まさか彼が窮鳥懐に入れば猟師も殺さずで、僕を助けてくれるとは思わなかった。
「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」の文学作品などの用例
黙らっしゃい。要らぬ匿い立てとは何を申すか!よしんば当院に逃げ込んだがまことであろうと、窮鳥ふところに入る時は猟夫もこれを殺さずと申す位じゃ。ましてやここは諸縁断絶、罪ある者とてもひとたびあれなる総門より寺内に入らば、いかなる俗法、いかなる俗界の掟を以てしても、再び追うことならぬ慈悲の精舎じゃ。(佐々木味津三の旗本退屈男より)