【ことわざ】
急がば回れ
【読み方】
いそがばまわれ
【意味】
急ぐときほど着実な手段をとったほうが得策であるというたとえ。危険な近道を通るよりも、遠回りでも安全な道を通るほうが、結局は早く目的地に着くことから。
【語源・由来】
本語は「負けるが勝ち」などと同様に、一見すると矛盾しているように聞こえる「逆説的表現」を用いて、聞き手に強い印象を与え、深く考えさせる構造を持っています。
その由来として最も有力なのは、一六世紀にはすでに広く流布していた古いことわざであり、室町時代の連歌師・宗長が詠んだとされる古歌「武士(もののふ)の やばせの船は早くとも いそがば廻れ 瀬田の長橋」です。これは、琵琶湖を船で渡る「矢橋(やばせ)の渡し」が近道ではあるものの、比叡おろしの強風で遭難するリスクが高かったため、急いでいる時こそ遠回りでも安全な陸路の「瀬田の長橋」を渡るべきだという具体的な教訓を説いたものです。
江戸時代の小咄集『醒睡笑(せいすいしょう)』にもこの歌が引かれていることから、古くから日本人の知恵として定着していたことが伺えます。ただし、この歌が言葉の誕生そのものではなく、当時すでに世間に知れ渡っていた「急がば回れ」という考え方を、具体的な地名を交えて歌の中に詠み込んだものと解釈されています。
また、こうした「焦っている時こそ着実な手段を選ぶべきだ」という思想は日本に限ったものではありません。西洋においても、古代ローマ時代からラテン語で「Festina lente(ゆっくり急げ)」という格言が存在しており、時代や文化を問わず人類が共有してきた普遍的な真理であるといえます。
【類義語】
・急いては事を仕損じる
・急がば高火
・遠道は近道
・回るは近道
・走れば躓く
【英語】
Make haste slowly.(ゆっくり急げ)
漫画でわかる「急がば回れ」
「急がば回れ」の使い方




「急がば回れ」の例文
- 休み時間の終わりが迫っていて廊下を走って教室へ行こうとしたら、先生に捕まって怒られた。急がば回れで、最初から歩けばよかったよ。
- テストで時間が足りなくなって、焦って難しい問題を解こうとするより、まずは簡単な問題から確実に見直していくほうが点数は取れる。まさに急がば回れだ。
- 締め切り間近で焦って確認作業を飛ばして資料を提出したが、結局ミスだらけでやり直しになり、余計に時間がかかった。急がば回れで、丁寧にチェックすべきだった。
- カーナビが示す渋滞を避けようと知らない細道に入ったら、迷路のような住宅街で迷ってしまった。急がば回れで、大通りをじっと進むのが正解だった。
- 早くギターが弾けるようになりたくていきなり速弾きの練習を始めたが、変なクセがついてしまった。急がば回れで、基礎練習からじっくりやるべきだと痛感した。























