目次
「亀の甲より年の功」とは
読み方・意味
- ことわざ:亀の甲より年の功
- 読み方:かめのこうよりとしのこう
- 意味:年長者の人生経験や知恵は、非常に価値があるということ。
「亀の甲より年の功」ということわざは、年長者の人生経験や知恵は尊重しなければならないというたとえです。
年を重ねた人の見識や判断を尊重すべきだという考えが込められています。
「亀の甲より年の功」の語源・由来
語源として、「亀の甲」は特に意味を持つわけではなく、「功」との語呂を合わせるために用いられました。
ただし、亀は長寿の象徴であり、「甲羅を経る」という表現があることから、年をとることとゆるやかに結びついています。
また、「亀の甲より年の功」という表現には、軽いユーモアが添えられており、聞き手の印象に残りやすい言い回しになっています。
このことわざは江戸時代の中期から用例が見られ、現代でも使われています。
「年の功」は、「年齢を重ねた分の知識や経験」と解釈されますが、まれに「年の劫」と表記されることもあります。
「劫」は仏教用語で途方もなく長い年月を指しますが、一般的には「功」と表記するのが適切とされています。
「亀の甲より年の功」の使い方
「亀の甲より年の功」の例文
- おじいちゃんに将棋で挑んだけど、まったく歯が立たなかった。やっぱり「亀の甲より年の功」だな。
- 初めて釣りに行ったけど、お父さんが次々に魚を釣るのを見て、「亀の甲より年の功」って本当だと思った。
- 料理を始めたばかりの私は、母の手際の良さに驚いた。「亀の甲より年の功」にはかなわない。
- 新しくバイトを始めたけど、先輩の動きが速くてびっくりした。「亀の甲より年の功」ってこういうことなんだな。
- DIYで棚を作ろうとしたけど、おじいちゃんのほうがずっとうまく作っていた。「亀の甲より年の功」だね。
文学作品などの用例
亀の甲より年の功と云うことがあるだろう。こんな賤しい商売はしているが、まあ年長者の云う事だから、参考に聞くがいい。青年は情の時代だ。おれも覚がある。情の時代には失敗するもんだ。(夏目漱石『坑夫』)
「亀の甲より年の功」の類義語・似たことわざ
- 医者と坊主は年寄りがよい
- 習うより慣れろ
- 烏賊の甲より年の功
- 医者と味噌は古いほどよい
- 一日の長
- 馬に道をまかす
- 老いたる馬は道を忘れず
- 蟹の甲より年の功
- 経験は学問にまさる
- 無駄に鳥居の数をくぐらぬ
- 老馬の智
- 松かさより年かさ
「亀の甲より年の功」の対義語
「亀の甲より年の功」の注意点
- 若者の意見を否定するために使わない
→ 年長者を尊重する言葉だが、若い人の考えを軽視するような使い方は避ける。
(例:✕「君のアイデアは面白いけど、やっぱり亀の甲より年の功でベテランの案にしよう」→ 新しい発想を無視する印象を与える) - 相手を見下すような言い方にならないようにする
→ 使い方によっては上から目線に聞こえることがある。
(例:✕「そんなの知らないの? 亀の甲より年の功っていうんだから、年上の言うことを聞きなさい」→ 押しつけがましい) - 長年の努力や積み重ねを評価する意図で使う
→ 偶然や運ではなく、経験に基づいた結果であることが重要。
(例:✕「たまたまおじいちゃんがクイズで正解した、亀の甲より年の功だ」→ 偶然の正解なら適さない)
「亀の甲より年の功」の英語表現
Experience is the best teacher.
直訳:経験は最善の師である。
意味:実際に体験することが、何よりもよい学びになるという意味のことわざ。
例文: You might fail at first, but remember that experience is the best teacher.
(最初は失敗するかもしれないけど、経験こそが最高の先生だよ。)
Years know more than books.
直訳:年齢は書物より多くを知る。
意味:年長者の知識や経験は、書物から学べる知識よりも価値があるという意味のことわざ。
例文: You should listen to your grandparents’ advice—years know more than books.
(おじいちゃんおばあちゃんの助言を聞くべきだよ。年の功にはかなわないからね。)