列子は、中国戦国時代の道家の思想家で、名は禦寇(ぎょこう)とされています。彼の名前は『荘子』などの古典にも登場します。
列子の思想や伝説は、『列子』という書に収められていますが、これには多くの寓言や伝説が含まれ、湯問篇ではロボットのような存在も述べられています。
『列子』は8巻8篇から成り立っており、その中には『荘子』の内容を引用する部分もあります。この書は、春秋時代の思想家・列子が著したものと伝えられる一方で、実際には戦国時代末期に列子を尊んでいた一派が存在し、彼らが同名の文献を伝えていたとされます。
しかしながら、現存する『列子』は、魏晋頃の作であり、偽作との見解が強いです。また、現行の『列子』には仏教思想の影響も見られ、後から混入された部分もあると考えられています。
最後に、20世紀末以降の研究では、偽書説を否定する意見も出てきていますが、まだ定説とは言えない状況です。