目次
「思い立ったが吉日」の意味（語源由来・類義語・対義語）
【ことわざ】
思い立ったが吉日
【読み方】
おもいたったがきちじつ
【意味】
なにかをしようと思いついたら、すぐに実行したほうがいいというたとえ。
これは、「先延ばしにせずに行動する」ことの大切さを教えてくれる言葉やな。
「吉日」とは、暦で縁起がいいとされている日のこと。暦に関係なく、思いついたその日が縁起がよいと考えるということから。
【類義語】
・思い立つ日が吉日
・思い立つ日を吉日
・善は急げ
・今日できることを明日まで延ばすな
・善は急げ悪は延べよ
【対義語】
・物には時節
「思い立ったが吉日」の解説
「思い立ったが吉日」の「吉日」というのは、縁起がいいとされる日のことを指すんだ。昔の人々は、何か大事なことをする時は、吉日を選んで始めることが多かったんだ。でも、このことわざでは、「吉日」は「良い日」や「最適なタイミング」のことを指しているんだよ。
つまり、何か新しいことを始めたいと思ったとき、それを実行するのに最もいい時は、その考えが浮かんだその時だということなんだ。
なぜなら、吉日を待っていると、いつまでも行動を始められないまま、時間が過ぎてしまうこともあるからだよ。それに、何かを始めるとき、一番大切なのは、その気持ちが熱いとき、すなわち、思い立ったその瞬間なんだ。
だから、「思い立ったが吉日」は、「新しいことを始めたいと思ったら、すぐにでも始めなさい」というメッセージを伝えているんだね。それが最も良い結果を生むからさ。
「思い立ったが吉日」の使い方
「思い立ったが吉日」の例文
- 思い立ったが吉日というから、すぐに出発する準備を始めた。
- 思い立ったが吉日なのだから、これから申し込みに行こう。
- とてもいい案が浮かんだから、さっそく制作に取りかかろう。思い立ったが吉日だからね。
- 思い立ったが吉日というのだから、明日まで待たずにさっそく今日から始めよう。
- 焦らなくてもいいだろうと言われても、思い立ったが吉日だ。
「思い立ったが吉日」の文学作品などの用例
「これこれ。煽立てやんな。落ちぶれたなら声も落ちっろう。ただ小謡よりも節が勝手で気楽じゃまで……」「恐れ入りまする。それならば思い立ったが吉日とやら。只今から直ぐにでも……」
「おお。それよ。善は急げじゃ」（夢野久作の名娼満月より）
「思い立ったが吉日」を英語で言うと？
「思い立ったが吉日」の英語表現をご紹介します。
※英語の声：音読さん
Procrastination is the thief of time.
- 直訳：ためらいは時間泥棒。
There is no time like the present.
- 直訳：今が最高の時である。
Never put off till tomorrow what you can do today.
- 直訳：今日できることを明日に延ばすな。
- 意味：今日できることは今日中に終わらせる方が良い。
- 用語：put off：延期する
Strike while the iron is hot.
- 直訳：鉄は熱いうちに打て。
- 意味：物事は時期を逃さないうちに実行しないと成功しにくい。
- 用語：strike：打つ / iron：鉄
Make hay while the sun shines.
- 直訳：日が照っているうちに干し草を作りなさい。
- 意味：何事も好機を逃してはならない。
- 用語：hay：干し草
「思い立ったが吉日」を深掘り
「思い立ったが吉日」ということわざは、思い立ったことや行動を先延ばしにせず、すぐに行動に移すことが良いという意味を持っています。
これが科学的にも正しいと示唆されている点は、トーマス・ギロビッチの研究に基づくものです。ギロビッチは人々の後悔に関する感覚を研究し、人は行動しなかったことに対する後悔を、行動したことに対する後悔よりも強く感じることを発見しました。
さらに、行動しなかった後悔は、時間の経過とともに感じる後悔が増していくとも指摘しています。
洋服の購入をためらった結果、欲しいアイテムを手に入れられなかった経験のように、行動を遅らせた結果、逸したチャンスを強く後悔することは多々あります。このような状況は、行動しなかった後悔が長く続く一因となっています。
また、ヘルマン・エビングハウスの「忘却曲線」に関する研究によれば、人は情報を得た直後から忘れ始め、時間が経つにつれてその忘れるスピードが加速することが示されています。
これは、「やろう、やろう」と思いながら行動を先延ばしにすると、やがてそのことすら忘れてしまい、結果的に行動しないまま時間が過ぎてしまうことを意味しています。
さらに、東京大学の脳科学者、池谷裕二の研究によれば、人は一度行動を開始すれば、脳のやる気をつかさどる部分が活性化し、その後の行動がスムーズに進むことが示されています。これは、一度行動を開始することで、後悔のリスクを減少させることができるということを示唆しています。
総じて、これらの研究から、行動を先延ばしにすると後悔のリスクが高まること、そして一度行動を開始すればその後の進行がスムーズになることが示されており、「思い立ったが吉日」が科学的な根拠を持っていることがわかります。
参考文献
このことわざ、科学的に立証されているんです | 堀田 秀吾
著書
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