【ことわざ】
溺れる者は藁をも掴む
【読み方】
おぼれるものはわらをもつかむ
【意味】
とても苦しんだり、困ったりしたときや、切羽詰まった状況の時には、助かりたい一心でどんなに頼りないものにもすがりつき、救いを求めることのたとえ。
【語源・由来】
溺れているひとは、藁のような浮力の足りないものでも、掴んで助かろうとすることが由来。
藁は頼りないものというたとえ。
【類義語】
今際の念仏誰でも唱える/恐ろしい時の神頼み/悲しい時の神祈り/叶わぬ時の神頼み/苦しい時の神頼み/困った時の神頼み/死にがけの念仏/術なき時の神頼み/切ない時の神頼み/切ない時は茨も掴む/人窮すれば天を呼ぶ/藁にも縋る
【英語訳】
・The danger past and God forgotten.(危険が過ぎると神は忘れ去られる)
・A drowning man will grasp at a straw.
・At the time of an emergency, it depends anything.
「溺れる者は藁をも掴む」の使い方
「溺れる者は藁をも掴む」の例文
- このままじゃ会社が倒産してしまうかもしれない。溺れる者は藁をも掴む気持ちで祖父に融資のお願いをした。
- 溺れる者は藁をも掴むというけれど、なぜ彼に相談しようと思ったのか今では不思議で仕方がない。
- 溺れる者は藁をも掴む思いで始めた仕事だったが、今では人手が足りないほど忙しい。
「銀行にも断られてしまい、溺れる者は藁にもすがる思いで、あなたにお願いしにきました。」と使うのは注意。
まとめ
困ったときには、溺れる者は藁をも掴むという気持ちになるのではないでしょうか。
しかし、溺れる者は藁をも掴むというような思いをせずに、穏やかに過ごしたいものですね。
「溺れる者は藁をも掴む」の文学作品などの用例
「まあせっかく、殿にも御意がうごいたところ、今さら、御中止にもなれまいが、御病態を作って、藩のほうへも、延々にしておかれたがよろしゅうござるぞ。藩政御困窮の折ゆえ、溺れるもの藁をもつかむで、殿にも、僥倖をのぞまれるのであろうが、心ある老臣方は、たださえお手許の不如意なところへ、莫大な失費。そこもとが病態を作られれば、重役方は、かえって眉をひらこうというものでござる」(吉川英治の鬼より)