「懸河の弁」の意味(出典)
【ことわざ】
懸河の弁
【読み方】
けんがのべん
【意味】
奔流のようによどみない弁舌や文章。
「懸河」は、傾斜が急ではげしく流れる川。急流。
「懸河の弁」という表現は、水が上から流れるように、とどこおりなく言葉を巧みに使って話す様子を表しているんだよ。
なるほどな。それは、上手くスラスラと話す人を指して言うんやな。
つまり、難しいことでもスムーズに言葉で説明するのが得意な人のことを指すわけや。まるで川のように言葉が流れてくる感じやな。
【出典】
「世説新語」
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「懸河の弁」の解説
カンタン!解説
「懸河の弁」っていう言葉はね、まるで川のようにとどめどなく流れ落ちてくる水のように、話し手が滔滔と、止まらずに、上手に話をすることを意味しているんだよ。
たとえば、ディベートや討論のときに、一方の人が途切れることなく、的確に、そして流れるように意見や反論を述べる様子を、この「懸河の弁」で表現することができるんだ。
この「懸河」は、上から流れ落ちてくる川のことを指していて、その流れる水のように、話す人が止まらないで、スムーズに話を進めていく様子を比喩しているんだね。要するに、このことわざは、人がとてもうまく、流れるように話をすることを表現しているんだよ。
「懸河の弁」の使い方
スピーチはどうだった?
懸河の弁だったわよ。
緊張して何を話したか分からなくなったんだ。
しっかり話せていたわよ。素晴らしかったわ。
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「懸河の弁」の例文
- 懸河の弁をふるうともこちゃんには口ではかなわない。
- 選挙演説では、懸河の弁で語る力が求められる。
- 懸河の弁で聴衆のハートをつかんだ。
- 元アナウンサーの方が講演に来てくれたが、さすが懸河の弁だった。
- 弁護士は、弁という漢字があるだけあって懸河の弁だ。
「懸河の弁」の文学作品などの用例
是非一度大学を見にお出でなさい。わたしのこの前参観した時には鼻眼鏡をかけた教授が一人、瓶びんの中のアルコールに漬けた露西亜の古胡瓜を見せながら、『サッサンラップ島の胡瓜を見給え。悉く青い色をしている。しかし偉大なる露西亜の胡瓜はそう云う浅薄な色ではない。この通り人生そのものに似た、捕捉すべからざる色をしている。ああ、偉大なる露西亜の胡瓜は……』と懸河の弁を振っていました。(芥川龍之介の不思議な島より)