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【三人寄れば文殊の知恵】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

「三人よれば文殊の知恵」の漫画

【ことわざ】
三人寄れば文殊の知恵

【読み方】
さんにんよればもんじゅのちえ

【意味】
平凡な人でも、三人集まって相談すれば、よい知恵が出るというたとえ。

ことわざ博士
三人寄れば文殊の知恵は、一人では思いつかない考えも、複数の人が相談することで生まれるという考えを表すんだよ。
助手ねこ
難しい問題を解くとき、計画を立てるとき、困りごとの解決方法をみんなで考える場面で用いるニャン。

【英語】
・Two heads are better than one.(一人で考えるより二人で考えるほうがよい)

【類義語】
・衆知を集める(しゅうちをあつめる)
・衆議一決(しゅうぎいっけつ)
・衆力功あり(しゅうりょくこうあり)

【対義語】
・船頭多くして船山に上る(せんどうおおくしてふねやまにのぼる)

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「三人寄れば文殊の知恵」の語源・由来

ことわざを深掘り

「三人寄れば文殊の知恵」の「文殊」は、仏教で知恵を象徴する文殊菩薩(もんじゅぼさつ)を指します。文殊は、サンスクリット語のマンジュシュリーを漢字で写した「文殊師利(もんじゅしり)」の略称で、普賢(ふげん)が行いや慈悲を象徴するのに対し、文殊は知を象徴する菩薩として広く知られています。

「文殊の知恵」という言い方は、「文殊菩薩のような、すぐれてよい知恵」という意味で使われます。古い用例としては、謡曲『卒都婆小町(そとばこまち)』(1384年ごろ、観阿弥作とされる能)に「文殊の智慧」という形が出てきます。ここでは、文殊という名が、すぐれた知恵を思い起こさせる言葉として働いています。

このことわざ全体の形は、江戸時代前期の『世話尽(せわづくし)』(1656年、皆虚編)に古い用例が示されています。『世話尽』は、俳諧(はいかい)の手引きとして、世間で言いならわされた言葉や俗語を集めた書物です。人々のあいだで使われていた言い回しを整理した性格をもつため、このことわざが、江戸時代にはすでに通じる言葉として広まっていたことがうかがえます。

もとの発想は、一人の力を低く見ることではなく、人が集まって考えることの力を言い表したものです。たとえ特別にすぐれた人でなくても、三人がそれぞれの考えを出し合えば、思いがけない案が生まれることがあります。その働きを、知恵の象徴である文殊菩薩にたとえたところに、このことわざの明るさがあります。

「三人」という数は、単に人数を数えているだけではありません。一人で考えると考えがかたより、二人でも意見が行きづまることがあります。そこへ三人目の見方が加わることで、考えが広がり、思いもよらない解決の糸口が見つかることがあります。このことわざは、人数が多ければ必ずよいという意味ではなく、互いに相談し合うことで知恵が生まれる、という点に重みがあります。

近代以後の文章にも、このことわざは相談や協力を求める場面で使われています。中里介山『大菩薩峠』(1913〜1941年)では、相手に知恵を貸してほしいと頼む言葉として出てきます。また、坂口安吾「探偵小説とは」(1948年)では、一人の視角が限られることを、合作によって補えるという文脈で用いられています。

一方で、反対の発想をもつことわざに「船頭多くして船山に上る」があります。これは、指図する人が多すぎると統一がとれず、物事が見当違いの方向へ進むという意味です。「三人寄れば文殊の知恵」は、人数を増やせば何でもうまくいくという言葉ではなく、相手の考えを聞き、話し合いをまとめる姿勢があってこそ生きることわざです。

現在では、学校の班活動、家族の相談、仕事の話し合いなど、一人では決めにくいことを仲間と考える場面でよく使われます。自分だけで抱え込まず、ほかの人の知恵を借りる大切さを、親しみやすく伝えることわざとして受け継がれています。

「三人寄れば文殊の知恵」の使い方

健太
学校祭の展示の題名を一人で考えていたけれど、どれも似たような言葉になってしまうんだ。
ともこ
それなら、ゆいさんも呼んで三人で考えようよ。三人寄れば文殊の知恵っていうでしょう?
健太
本当だね!ぼくは理科実験の面白さ、ともこちゃんは見やすさ、ゆいさんは来た人への伝わり方を考えられる。
ともこ
三つの意見を合わせれば、展示の内容にぴったりの題名が作れそうだね。
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「三人寄れば文殊の知恵」の例文

三人寄れば文殊の知恵
  • 自由研究のテーマが決まらなかったが、友人と相談するとよい案が出て、三人寄れば文殊の知恵だと思った。
  • 町内会の防災計画は、一人で考えるより住民が意見を出し合うほうが進み、三人寄れば文殊の知恵を実感した。
  • 文化祭の出し物で迷ったとき、班の三人がそれぞれ案を出し、三人寄れば文殊の知恵で面白い企画になった。
  • 仕事の資料作りで行き詰まったが、同僚と話し合ううちに解決方法が見つかり、三人寄れば文殊の知恵となった。
  • 家族旅行の行き先を決めるとき、父母と兄が希望を出し合い、三人寄れば文殊の知恵で無理のない計画ができた。
  • 難しい問題を一人で抱え込まず、仲間と相談する姿勢は、三人寄れば文殊の知恵ということわざに合っている。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館国語辞典編集部編『デジタル大辞泉』小学館。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・平凡社編『改訂新版 世界大百科事典』平凡社、2007年。
・皆虚編『世話尽 5巻』西田庄兵衛、1656年。
・『卒都婆小町』1384年ごろ。
・Merriam-Webster『Merriam-Webster Dictionary』。





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