「他山の石」の意味(出典・故事・類義語・英語訳)
【ことわざ】
他山の石
【読み方】
たざんのいし
【意味】
他人のやったことは、間違っていることでも、自分のために役立てることができるということ。知徳を磨いたり、反省材料にする際に参考になるという事。
人の失敗から学びを得て、自分の修養に繋げるってんは、なかなか賢いやり方やな。他人の経験を自分の知恵に変えていくってことやね、ええ話やわ。
【出典】
『詩経』の『小雅・鶴鳴』篇。
【故事】
中国最古の詩編『詩経』の『小雅・鶴鳴』篇にて、「他山の石、以て玉を攻むべし」とあるのに基づく。「よその山から出た粗悪な石でも、自分の玉(宝となるもの)を磨く砥石として利用できる。」ということから。
【類義語】
・殷鑑遠からず
・上手は下手の手本下手は上手の手本
・前車の覆るは後車の戒め
・他山の石以て玉を攻むべし
・人こそ人の鏡
・人の上見て我が身を思え
・人の振り見て我が振り直せ
・人を鑑とせよ
・人を以て鑑と為す
【英語訳】
・The fault of another is a good teacher.(他の人の落ち度はよい教訓となる)
・a whetstone for the wits(才知を磨く砥石)
・The fault of another is a good teacher.(他人の失敗はよい教師である)
「他山の石」の解説
「他山の石」ということわざはね、本当はつまらないように見える他の山から持ってきた石のことを言うんだけど、転じて「他人の間違いや失敗からも学べる」という意味があるんだよ。質が悪い石でも、大切な宝石を磨くのに役立つっていうことから来ているんだ。
たとえば、友達が何かを間違えた時や失敗した時、そのことを見て「ああ、私も同じ間違いをしないようにしよう」とか、「こうすればもっと良くなるかも」と学ぶことができるでしょ? それがまさに「他山の石」を使って自分を磨くってことなんだ。
でもね、文化庁が調査した結果によると、このことわざを「他人の良い言行を見て、自分もそうしよう」という意味で使っている人もいるんだって。本来は他人の間違いから学ぶっていう意味だけど、他人の良いところからも学ぶっていう意味で使われることがあるんだね。どちらにしても、他人の行動から学ぶっていうのが大切なんだよ。
「他山の石」の使い方
「他山の石」の例文
- 彼女の失敗を、他山の石として私も気をつけよう。
- そうやって他人事のように笑っているが、あなたも他山の石としたほうが良い。
- 私のこの失敗談を、他山の石として欲しい。
【注意!】間違った例文
あくまでも「誤りや失敗など、他人の良くない言動」を対象に使う言葉であり、「他人の良い行いを教訓にする」という使い方はしないので注意が必要です。
その為、目上の人に向かって「あなたの行いを他山の石とします。」と使うのは失礼に当たりますので、気をつけましょう。