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【意到りて筆随う】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

意到りて筆随う

【ことわざ】
意到りて筆随う

【読み方】
いいたりてふでしたがう

【意味】
思いや考えが十分に定まれば、筆は自然にそれに従って動くこと。転じて、表したい内容がはっきりしていれば、文章や絵がなめらかに形になることをいう。

ことわざ博士
このことわざは、技術云々の前に、まず心の中で『何をどう表すか』をしっかりと定めることの大切さを説いているんだよ。
助手ねこ
書道、作文、絵画などで、書き出しに迷っていたものが、考えが定まったあとにすらすら進む場面に用いるニャン。

【英語】
・The pen follows when the idea is clear(考えがはっきりすれば筆が自然に進む)
・Clear intent guides the pen(はっきりした思いが筆を導く)
・When the mind is ready, the pen follows(心の準備が整えば筆がそれに従う)

【類義語】
・意在筆先(いはふでのさきにあり)
・胸中成竹(きょうちゅうせいちく)
・一気呵成(いっきかせい)

【対義語】
・支離滅裂(しりめつれつ)
・暗中模索(あんちゅうもさく)
・優柔不断(ゆうじゅうふだん)

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「意到りて筆随う」の語源・由来

ことわざを深掘り

「意到りて筆随う」は、書く前に思いが十分に届けば、筆はそのあとを自然に追っていく、という考えを表したことわざです。ここでいう「意」は、ただ思いつきを指すのではなく、何をどう表したいかという心の定まりをいいます。

この言い方の土台には、中国で長く大切にされてきた書や絵の考え方があります。まず心の中に形や気持ちが立ち、そのあとで筆が動く、という順序を重んじる考えです。

中国の書画の世界には、「意在筆先」という近い言い方が古くから伝わっています。これは、筆を動かすより前に、表したいものがすでに心の中にあるべきだ、という意味です。

「意到りて筆随う」は、その考えをさらに分かりやすく言い表した形だと考えられます。心が十分に届いたところへ、筆があとから自然についてくる、という流れが、そのまま言葉になっています。

このことわざが大切にしているのは、早く書くことではありません。むしろ、急いで形だけ整えるのではなく、まず何を書くか、どこを大事にするかをはっきりさせることです。

たとえば、読書感想文でも、心に残った場面が自分でつかめていないと、書き出しで止まりやすくなります。けれども、どの場面に心が動いたかが定まると、言葉が前より自然に続きやすくなります。

書道や絵画でも、ただ手先を動かすだけでは、線や形が散りやすくなります。反対に、書こうとする字の気配や、描こうとする景色の感じが心の中でまとまると、筆づかいにも落ち着きが出てきます。

この考え方は、日本でも漢文や書道の学びを通して広まりました。そのため、「意到りて筆随う」は、芸術の世界だけでなく、文章を書くこと全体を言うことわざとして受け取られるようになりました。

今では、筆そのものを使わず、鉛筆や万年筆、あるいはパソコンで文章を書く場面でも、このことわざの考え方は生きています。大事なのは道具ではなく、先に思いがまとまっているかどうかだからです。

また、このことわざは、何も考えずに勢いで書くことをほめる言葉ではありません。考えが深まり、言いたいことが自分の中ではっきりしたときに、表現が自然に前へ進むことを言っています。

つまり、「意到りて筆随う」は、よい表現は心の準備から生まれる、と教えることわざです。先に思いを整えれば、筆はむりなく働くという、書くことの基本をやさしく伝えているのです。

「意到りて筆随う」の使い方

ともこ
明日の国語の読書感想文、まだ書き出しが決まらないの。主人公のどの場面がいちばん心に残ったのか、自分でもまだはっきりしなくて。
健太
ぼくも前に同じだったけど、好きな場面を一つだけノートに書き出したら、急に続きが出てきたよ。意到りて筆随うって、こういう感じなのかもしれないね。
ともこ
なるほど、海辺で主人公が弟に赤い傘を渡した場面が心に残った理由を先に決めればいいんだね。その場面を大事に思った気持ちから書き始めてみるよ。
健太
うん、その気持ちが決まれば、書き出しもまとめもつながりやすいよ! 今日は上手に書こうとするより、いちばん心に残った場面をはっきりさせよう。
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「意到りて筆随う」の例文

例文
  1. 俳句大会の前に季語と景色の組み合わせが定まると、意到りて筆随うというように一句がまとまった。
  2. 読書感想文で主人公のどの行動に心を動かされたかが決まってから、意到りて筆随う形で原稿用紙が進んだ。
  3. 社内報の記事も、伝えたい出来事の順番が固まれば、意到りて筆随うように文章が整っていく。
  4. 写生会で夕焼けの色をどう描くか心に決めたあとは、意到りて筆随うというべき筆づかいになった。
  5. 手紙の内容がまとまらなかった姉も、相手にいちばん伝えたい一言を決めたあと、意到りて筆随うように書き進めた。
  6. 卒業文集の下書きで迷っていた友人も、六年間でいちばん忘れられない出来事を選んでから、意到りて筆随うと言える書きぶりになった。




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