『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』講談社より出版。詳細はコチラ!

【息の香の臭きは主知らず】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

息の香の臭きは主知らず

【ことわざ】
息の香の臭きは主知らず

【読み方】
いきのかのくさきはぬししらず

【意味】
自分の欠点や短所は、自分では気づきにくいものだというたとえ。

ことわざ博士
「息の香の臭きは主知らず」は、自分の息のにおいを本人が感じにくいことを、自分の欠点に気づきにくいことへ広げた言葉なんだよ。
助手ねこ
人から注意されたとき、自分では分からなかった癖や態度を見直す場面で用いるニャン。

【英語】
・One cannot see one’s own faults(人は自分の欠点を自分では見つけにくい)
・We are blind to our own faults(自分の欠点には気づきにくい)

【類義語】
・臭い物身知らず(くさいものみしらず)
・我が身の臭さ我知らず(わがみのくささわれしらず)
・我が糞は臭くなし(わがくそはくさくなし)
・豕を抱いて臭きを知らず(いのこをだいてくさきをしらず)

【対義語】
・人の振り見て我が振り直せ(ひとのふりみてわがふりなおせ)

【スポンサーリンク】

「息の香の臭きは主知らず」の語源・由来

ことわざを深掘り

「息の香の臭きは主知らず」は、自分の息のにおいを本人は感じにくい、という身近な経験をもとにしたことわざです。「息の香」とは、ここでは息のにおいのことです。「主」は、その息を出している本人を指します。

このことわざは、身体に近すぎるものほど、自分では気づきにくいという感覚から生まれています。自分の口から出る息は、他人には不快に感じられることがあっても、本人は慣れてしまい、はっきりとは意識しないことがあります。

そこから意味が広がり、口のにおいだけでなく、自分の性格の癖、言い方の強さ、態度の悪さ、考え方の偏りなどにも、自分では気づきにくいという教えになりました。身体のにおいをたとえにしているため、少しきびしい印象を与える言葉ですが、中心にあるのは、自分を省みることの大切さです。

この言い方は、古くからある「身近なにおいを本人は知らない」という発想の一つです。同じ意味のことわざには、「臭い物身知らず」「我が身の臭さ我知らず」「我が糞は臭くなし」などがあります。いずれも、自分に属する欠点ほど、自分では分かりにくいという考えを表しています。

また、「豕を抱いて臭きを知らず」という近いことわざもあります。「豕」は、いのしし、または豚を指す古い言葉です。臭い動物を抱いている本人が、その臭さに気づかないというたとえから、自分の欠点や醜さには気づきにくいことを表します。

「息の香の臭きは主知らず」は、明治末から大正期にかけて刊行された教訓的なことわざ集にも、見出しとして出てきます。『故事俚諺教訓物語』(1912年・大正元年、森脇紫逕著)には、「狗猛くして酒酸し」に続いて「息の香の臭きは主知らず」が掲げられ、同じページに「医者の不養生」「急がば廻れ」などのよく知られたことわざも並んでいます。

このことから、この言い方は、近代のことわざ集の中で、すでに一般の教訓として扱われていたことが分かります。もとの発想は日常の身体感覚に根ざしていますが、ことわざとしては、「自分の欠点を知らない人への戒め」として整理されてきました。

表現の形には、「息の香の臭きは主知らず」のほかに、「息の臭きは主知らず」という短い形もあります。「香」を入れた形は、息のにおいを少し古風に言い表したものです。短い形では、同じ意味をより直接に表します。

「香」は本来、よいにおいにも用いられる言葉ですが、古い日本語では、「におい」そのものを指す場合があります。そのため、「息の香の臭き」は、よい香りという意味ではなく、「息のにおいが悪いこと」を表しています。

このことわざが伝えるのは、ただ人を責めることではありません。人から注意を受けたときに、「自分にはそう見えていなかった」と受け止め、自分のふるまいを見直すための言葉です。

一方で、他人の欠点を指摘するときには、言い方に気をつける必要があります。このことわざは、相手を傷つけるためではなく、自分にも気づかない弱点があると考え、謙虚にふるまうために用いるのがふさわしい表現です。

現在の意味は、古くからの「自分に近い臭さは自分では分からない」という具体的なたとえから、広く「自分の欠点は自覚しにくい」という教訓へ移ったものです。身近な感覚から人間の心の弱点を言い当てた、戒めの力をもつことわざです。

「息の香の臭きは主知らず」の使い方

健太
今日の班活動で、ぼくはみんなの意見を早く決めようとして、友だちの話を途中で何度も止めてしまったんだ。
ともこ
それは少し強引に聞こえたかもしれないね。息の香の臭きは主知らずで、自分の話し方の癖は案外気づきにくいよ。
健太
自分では班を助けているつもりだったけれど、みんなが困った顔をしていた理由が分かったよ!
ともこ
明日は、意見を最後まで聞いてから考えを言えば大丈夫だよ。気づけたなら、ちゃんと直していけるね。
【スポンサーリンク】

「息の香の臭きは主知らず」の例文

例文
  • 弟は人の失敗ばかり注意するが、自分の忘れ物の多さには気づかず、息の香の臭きは主知らずだ。
  • 会議で強い口調になっていることを上司に指摘され、息の香の臭きは主知らずだと反省した。
  • 友人の悪口を言いすぎる癖に本人だけが気づいておらず、まさに息の香の臭きは主知らずだった。
  • 父は部屋を片づけるよう家族に言うが、自分の机は書類でいっぱいで、息の香の臭きは主知らずだ。
  • 人の遅刻には厳しい彼が自分の集合時刻の勘違いに気づかず、息の香の臭きは主知らずというほかない。
  • 自分の説明が長すぎることを注意され、息の香の臭きは主知らずだと思って話し方を見直した。




『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』(講談社)発売中♪

マンガでわかる ことわざ図鑑

◆試験に出ることわざを網羅
ことわざは小学、中学、高校、大学、さらに就職試験の問題になっています。ことわざの試験対策としてもオススメの一冊。

◆マンガで楽しみながらことわざを知る! 憶える!
本書では、マンガで楽しくわかりやすくことわざを解説し、記憶に定着させます。