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【金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち

【ことわざ】
金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち

【読み方】
かねもちのびんぼうにん、びんぼうにんのかねもち

【意味】
財産が多くても欲が尽きず、いつも不足を感じる人は心が貧しく、財産が少なくても今あるものに満足する人は心が豊かだということ。

ことわざ博士
前半は、財産が多くても欲が尽きず、いつも不足を感じる人を指すよ。
助手ねこ
後半は、財産が少なくても今あるものに満足し、心豊かに暮らす人を指すニャン。

【英語】
・A contented mind is a continual feast.(満ち足りた心は、いつも豊かなごちそうに恵まれているようなもの)

【類義語】
・足るを知る者は富む(たるをしるものはとむ)

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「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」の語源・由来

ことわざを深掘り

「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」は、「金持ち」と「貧乏人」を、財産と心という二つの面から対照させたことわざです。財産が多いのに不足ばかり感じる人を「金持ちの貧乏人」、財産が少なくても満足を知る人を「貧乏人の金持ち」と表します。

この二つの言い回しを含む古い例は、江戸時代後期の『生財弁』(1829年・江戸時代後期、釈雲解著)に出てきます。この書物は、世の中の貧富を分けて考え、貧しさを避けて財産を築くための心得を論じたものです。

『生財弁』では、世間の貧富を四通りに分け、その中に、「貧乏人の金持ち」と「金持ちの貧乏人」を挙げています。このほかに「金持ちの金持ち」と「貧乏人の貧乏人」も並べ、財産の有無だけでは人の状態を一通りに決められないことを示しています。

現在のことわざとは、二つの言い回しの順序が逆であり、四つに分けた説明の一部として置かれている点も異なります。そのため、この記述をそのまま現在のことわざの意味と同じものとみなすのではなく、対照的な表現がすでに用いられていた古い段階として捉えるのが適切です。

この一節は、河上肇の『貧乏物語』(大正6年、河上肇著)にも引用されています。河上肇は、釈雲解が貧富を四通りに分けたことを紹介したうえで、自分が論じる経済上の貧乏とは内容が異なると述べています。

『貧乏物語』は、大正5年に新聞に連載された文章を一冊にまとめたものです。これにより、「貧乏人の金持ち」「金持ちの貧乏人」という古い組み合わせが、近代の文章の中にも受け継がれたことが分かります。

現在の意味にさらに近い用例は、『真の世渡り(しんのよわたり)―修養感言(しゅうようかんげん)』(大正8年、山田至人著)にあります。この書物には、「貧乏人の金持ち」という見出しが置かれています。

そこでは、蓄えを持たない人について、「彼れは、足ることを知つてゐる」と記し、財産がなくても心が満たされている人物を「貧乏人の金持ち」と呼んでいます。これは、少ない財産にも満足する人こそ心の上では豊かだという、現在のことわざの後半にほぼ重なる考え方です。

この考え方には、古くから伝わる知足(ちそく)の教えと通じるところがあります。中国の古典『老子(ろうし)』第33章には「足るを知る者は富む」とあり、自分の持ち分に満足し、欲張らないことを本当の豊かさと捉えています。

ただし、『老子』の言葉からこのことわざが直接作られたことを示す記述は、古い日本語の用例にはありません。『生財弁』に現れる四通りの分類と、近代の書物に現れる「足ることを知る人」という説明を通して、財産の豊かさと心の豊かさを区別する教訓が明確になっていったといえます。

「金持ち」と「貧乏人」を前後で入れ替える形には、意味の逆転による面白さと覚えやすさがあります。このことわざは、すべての金持ちを欲深いと決めつけたり、貧しさそのものをよいものとしたりするのではなく、物を多く持つことと心が満たされることは別だと教える表現です。

「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」の使い方

健太
いとこのお兄さんは、たくさんおこづかいをもらってゲームを三本買ったのに、まだ足りないって不満そうだったよ。
ともこ
私の弟は、おこづかいが少なくても、古本を一冊買えただけで大喜びしていたよ!
健太
まさに金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ちだね。持っている量だけでは、心の豊かさは決まらないんだ。
ともこ
うん。まず、今あるものを大切にしよう!
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「金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち」の例文

例文
  • 巨額の財産を得てもなお不足を訴える彼は、金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ちということわざの前半に当たる。
  • 収入は多くなくても暮らしに満足する祖母は、金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ちの後半を思わせる。
  • 新しい品を次々に欲しがる友人を見て、金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ちという言葉が頭に浮かんだ。
  • 利益が増えても満足せず無理な拡大を続ける会社には、金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ちという戒めが当てはまる。
  • 家計に余裕はなくても家族との食事を喜ぶ父の姿から、金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ちの意味を学んだ。
  • 物の多さだけで幸福を測る社会ほど、金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ちという教えを忘れてはならない。

主な参考文献
・釈雲解『生財弁』1829年。
・河上肇『貧乏物語』1917年。
・山田至人『真の世渡り―修養感言』春秋書院、1919年。
・Thomas Preston編『A Dictionary of English Proverbs and Proverbial Phrases』Whittaker & Co,1880.
・『老子』第33章。





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