【ことわざ】
色即是空、空即是色
【読み方】
しきそくぜくう、くうそくぜしき
【意味】
この世に存在するすべてのもの、その本質は実体のない仮の姿であるということ。また、その実体のないものが、この世に存在するすべてのものの姿であるということ。
【語源・由来】
仏教の根本教理「般若心経(はんにゃしんきょう」にある言葉で「色」とは、宇宙のすべての形ある物質のこと。「空」とは、実体がなく空虚であるということ。「即是」とは、二つのものが全く一体不二(いったいふじ)であることを指します。
【類義語】
-
【対義語】
-
【英語訳】
All is vanity.(すべては空虚である)
「色即是空、空即是色」の使い方

成績表が配られる。色即是空、空即是色。

どうしたの、お経の勉強でもしたの。

成績表は単なる物質であって、僕の実体を表さない虚像である。

なにいってるの。どうせお母さんに怒られるんでしょ。実体あるじゃない。
「色即是空、空即是色」の例文
- 宝くじは当たらなかったが、色即是空、空即是色の世界は楽しみました。
- 所詮(しょせん)この世は色即是空、空即是色、くよくよせずに楽しく生きていきましょう。
- 色即是空、空即是色、社長といっても実体は一個の人間です。
- 人生を達観(たっかん)して、色即是空、空即是色というのもいいですが、頑張ってみるのも悪くないですよ。
まとめ
理論物理学者エルヴィン・シュレーディンガーの「生命とは何か」という本の中で、おもしろい記述がありました。ひとりの人間を最小単位の原子レベルにして世界中の海水に均等に溶けこませて、コップで一杯すくうとその中に100個程度、その人間を形成していた原子が存在する。まさに実体があってない色即是空、空即是色の世界ではないでしょうか。科学の進歩は今後一段と速度を増していくのでしょうが、古来からの宗教観と科学の世界の行き着く先は同じなのかもしれません。