【ことわざ】
意見と餅はつくほど練れる
【読み方】
いけんともちはつくほどねれる
【意味】
意見は何度も出し合い、考え合わせるほど、しだいによいものになるということ。餅がつくほどよく練れておいしくなるのにたとえた言い方。


【英語】
・Ideas improve through discussion(話し合うほど考えがよくなる)
・Good ideas are refined by repeated discussion(よい考えは話し合いを重ねることで磨かれる)
・The more a plan is discussed, the better it becomes(案は話し合うほどよくなる)
【類義語】
・三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)
・急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)
・拙速は巧遅に如かず(せっそくはこうちにしかず)
【対義語】
・独断専行(どくだんせんこう)
・浅慮短見(せんりょたんけん)
・短慮軽率(たんりょけいそつ)
「意見と餅はつくほど練れる」の語源・由来
「意見と餅はつくほど練れる」は、餅つきのようすを、そのまま人の話し合いに重ねたことわざです。言葉の形はやさしいのですが、考えがよく育つ道すじをうまく言い当てています。
ここでいう「つく」は、餅をつくときの「つく」です。蒸したもち米を何度も打ち、こね、まとめていくうちに、ばらばらだった米粒が一つのやわらかな餅になっていきます。
「練れる」は、その餅がよくこなれて、なめらかにまとまることです。はじめはかたちもそろわず、まだ固さや粒っぽさが残っていても、手間を重ねるほど、口あたりのよい餅になっていきます。
このことわざは、その変化を「意見」にたとえています。最初に出た考えは、まだ足りないところがあったり、言い方が荒かったりしても、何人かで出し合っていくうちに、しだいに筋道が通ってきます。
大切なのは、同じことをただくり返すのではなく、話し合いの中で不足を直し、よい部分を残していくことです。餅もただ何度も打てばよいのではなく、まとまりに向かって手が加わるからこそ、よく練れたものになります。
そのため、このことわざは、時間をかければ何でもよくなると言っているのではありません。人の考えを出し合い、比べ、直し、さらに考えるという働きがあってこそ、意見が磨かれると教えています。
この言い方は、一人の有名な人物の故事から生まれたものではありません。餅つきが暮らしの中でごく身近だった時代に、人びとがその様子を見ながら、話し合いの大切さをたとえた民間の知恵として広まったと考えられます。
餅は、正月や節句だけでなく、祝い事や日々の食べものとしても大事にされてきました。ですから、餅がつくほどよく練れていくという感覚は、昔の人にとって、だれにも伝わりやすいたとえだったのです。
また、このことわざの「意見」は、今の「自分の考え」という意味だけでなく、相談し合うこと、話し合うことという意味あいも強く持っています。だから、ひとりで考えこんでいる場面より、何人かで知恵を寄せる場面によく合います。
江戸時代以降の書物や文献(昔の書物や記録)にも、話し合いや相談を大切にする教えはくり返し出てきます。このことわざも、そうした暮らしの知恵の中で、今の形のまま長く言い伝えられてきました。
今の生活でも、学級会の議題、遠足の計画、仕事の進め方、地域の行事の相談など、すぐには決めきれないことがたくさんあります。そんなときに、このことわざは、急いで決めるより、意見をもう少し出し合ったほうがよいと教えてくれます。
つまり「意見と餅はつくほど練れる」は、よい考えは一度ででき上がるとは限らず、話し合いを重ねてこそ形がよくなる、ということを伝えることわざです。手間を惜しまず考えを出し合うことの大切さが、昔ながらの餅つきの姿に重ねて、分かりやすく表されています。
「意見と餅はつくほど練れる」の使い方




「意見と餅はつくほど練れる」の例文
- 学級会で運動会の応援旗の図案を何度も話し合ううちに、意見と餅はつくほど練れるという通りの案になった。
- 家族で旅行の日程を相談していると、意見と餅はつくほど練れるという言葉が思い出される。
- 友人同士で文化祭の出し物を考えるとき、意見と餅はつくほど練れることがよくある。
- 会議で急いで結論を出さず、意見と餅はつくほど練れると考えて議題を持ち帰った。
- 地域の防災訓練の進め方も、意見と餅はつくほど練れるように、何度か話し合って決めた。
- 作文の題名を先生と相談し直したことで、意見と餅はつくほど練れるという実感がわいた。























