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【足の裏の飯粒をこそげる】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

足の裏の飯粒をこそげる

【ことわざ】
足の裏の飯粒をこそげる

【読み方】
あしのうらのめしつぶをこそげる

【意味】
極端に物惜しみをすることのたとえ。足の裏についたわずかな飯粒まで削り取って食べるほど、行き過ぎたけちさをいう。

ことわざ博士
足の裏の飯粒をこそげるは、必要な節約ではなく、わずかな物まで惜しむ態度を表す言い方なんだよ。
助手ねこ
人に出すべきものを出し惜しみしたり、少しの損も許さなかったりする場面で用いるニャン。

【英語】
・stingy(物やお金を出し惜しみする)
・tight-fisted(お金を使いたがらない)

【類義語】
・爪に火をともす(つめにひをともす)
・吝嗇(りんしょく)

【対義語】
・気前がよい(きまえがよい)

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「足の裏の飯粒をこそげる」の語源・由来

ことわざを深掘り

「足の裏の飯粒をこそげる」は、踏んで足の裏についた飯粒を、わざわざ削り取って口に入れるほど物惜しみする様子を表すことわざです。特定の中国古典の故事ではなく、日常生活の小さなものを極端に惜しむ姿を、強い比喩で言い表した日本語の言い方です。

このことわざの中心にある「飯粒(めしつぶ)」は、炊いた飯の一粒を指します。日本の食生活で飯はたいへん身近なものであり、その一粒は小さなもの、落ちたり付いたりしやすいものとして意識されてきました。

「飯粒」は、古い用例の中でも、口の端や体につくような小さな食べ物として出てきます。室町末期から近世初期ごろの狂言(きょうげん)台本『苞山伏』にも、飯の粒を表す言葉として用いられており、ごく小さな食べ物のかけらを指す語として古くから親しまれていたことが分かります。

一方で、「飯粒」は、ただの食べ物の粒だけでなく、時間がたつと離れにくいもの、じゃまに感じられるものをたとえる言葉にもなりました。江戸時代中期の雑俳(ざっぱい)『花の宿』(1732年)には、そのような比喩としての用い方が出てきます。

この流れの中で、「足の裏の飯粒」という言い方も生まれました。足の裏についた飯粒は、付いていると気持ちが悪いのに、取ったところで役に立たないもののたとえとして使われます。

明治期には、幸田露伴(こうだ ろはん)の『新浦島(しんうらしま)』(明治28年、幸田露伴著)に、「古女房(フルニョウボ)は足の裏の飯粒と思はれ」という形の用例が出てきます。この例では、現在の「足の裏の飯粒をこそげる」と同じ意味ではなく、離れにくく、扱いに困るもののたとえとして働いています。

「足の裏の飯粒をこそげる」では、そこに「こそげる」という動作が加わります。「こそげる」は、物の表面を削ったり、付着したものを削り落としたりすることをいう言葉です。

「こそげる」という言葉そのものは古くから用いられており、平安時代末期の『香薬鈔(こうやくしょう)』永万元年点(1165年)や、室町時代の『史記抄(しきしょう)』(1477年)にも、削る、削り落とす意味に通じる用例が見えます。足の裏についたものを削り取るという動きは、この語のもつ具体的な意味とよく合っています。

このことわざでは、足の裏についた飯粒を「取る」だけでなく、「こそげる」と表すことで、わずかな一粒にまで執着する様子が強く示されます。しかも、それを口に入れるという説明が加わるため、単なる節約ではなく、行き過ぎたけちさ、見苦しいほどの物惜しみを表す言い方になります。

同じ発想の言い方として、「足の裏の米粒」という形もあります。「飯粒」は炊いた飯の粒、「米粒」は米の粒を表しますが、どちらも、ほんの小さな一粒にまでこだわる比喩として働きます。

このことわざが表すのは、物を大切にする心そのものではありません。使える物をむだにしない態度は大切ですが、人に出すべきものまで惜しんだり、少しの損も許せず周囲を困らせたりするところまで行くと、「足の裏の飯粒をこそげる」と評されるような物惜しみになります。

つまり、このことわざは、日常の食べ物である飯粒と、削り取るという具体的な動作を重ねることで、極端なけちさをはっきり描き出した表現です。現在も、必要な出費や当然の分け前まで惜しむような態度を、やや批判的に述べるときに使われます。

「足の裏の飯粒をこそげる」の使い方

健太
班で使う色画用紙を一枚ずつ買うのに、太一くんが一円も出したくないって言ったんだ。
ともこ
家に余っている紙を持ってくるなら分かるけれど、みんなで使う物まで出し惜しみするの?
健太
うん。落ちたのりの切れはしまで拾って使おうとしていて、まるで足の裏の飯粒をこそげるみたいだったよ!
ともこ
そこまでいくと、節約ではなくて周りが困るね。必要な物には、きちんとお金を出したほうがいいよ。
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「足の裏の飯粒をこそげる」の例文

例文
  • 祖父は倹約家だが、来客のお茶まで惜しむような足の裏の飯粒をこそげるまねはしない。
  • 必要な資料代まで出し渋る姿は、足の裏の飯粒をこそげるようだ。
  • 友人の誕生日会で会場代を一人だけ払わないのは、足の裏の飯粒をこそげる態度と言われても仕方がない。
  • 会社の安全に関わる備品まで買い渋るのは、足の裏の飯粒をこそげる考え方だ。
  • 町内会の共同費を少しでも逃れようとする姿勢は、足の裏の飯粒をこそげるようで見苦しい。
  • 足の裏の飯粒をこそげるほどのケチさは、かえって人からの信用を失わせる。

主な参考文献
・現代言語研究会著『日本語を使いさばく 故事ことわざの辞典』あすとろ出版、2007年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・幸田露伴『新浦島』1895年。
・Merriam-Webster編『Merriam-Webster.com Dictionary』Merriam-Webster、2026年。





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