【ことわざ】
言い勝ち功名
【読み方】
いいがちこうみょう
【意味】
口先で功名や実利を得ようとすること。また、そのような人。


【英語】
・win credit by smooth talking(口のうまさで手柄を取る)
・talk oneself into profit(話術で利益を引き寄せる)
・claim the glory with words alone(ことばだけで手柄を自分のものにする)
【類義語】
・言う者勝ち(いうものがち)
・舌先三寸(したさきさんずん)
・口八丁(くちはっちょう)
【対義語】
・不言実行(ふげんじっこう)
・能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)
・有言実行(ゆうげんじっこう)
「言い勝ち功名」の語源・由来
言い勝ち功名は、はっきりした一つの事件や人物の話から生まれたというより、ことばの組み合わせで意味が分かるタイプのことわざです。まずこの点を押さえると、内容がつかみやすくなります。
前半の言い勝ちは、話の上で相手より先に立ったり、言い方のうまさで場を有利にしたりする感じを表します。ただ正しく説明することではなく、口先の働きが目立つところに、このことわざらしさがあります。
後半の功名は、手柄や名声、またはそれによって得る利益をさす言葉です。何か実際の働きがあって評価されるのではなく、話しぶりによってその功名を取りにいくところが、言い勝ち功名のきびしいところです。
この二つが合わさると、実際には大きく働いていないのに、先にうまく言った者が手柄を自分のものにしてしまう、という意味になります。さらに、ことばだけで相手を動かし、自分に都合のよい利益まで得ようとする場合にもあてはまります。
このことわざが面白いのは、表面だけ見ると、話がうまくて得をした人をほめているようにも聞こえることです。けれども実際には、そうしたあり方を皮肉っぽく見ている言い方です。
人が集まって相談する場や、だれがどれだけ働いたかが問題になる場では、実際の働きより説明の早さや声の大きさが目立ってしまうことがあります。言い勝ち功名は、そういう世の中の不公平さを短く言い表したことばとして受け取ると、意味がよく通ります。
したがって、このことわざは、ただのおしゃべりをいうのではありません。中身よりも、話し方のうまさや先に言い立てることによって、評価や利益をさらっていく様子をさしています。
また、功名という語が入っているため、単なる口げんかよりも、評判、手柄、取り分などが関わる場面に向いています。だれかが準備や苦労を引き受けたのに、別の人が前に出て説明だけして功を取る、というような場面には特によく合います。
反対に、本当に働いたうえで、その内容をきちんと説明することは、言い勝ち功名ではありません。このことばが批判しているのは、働きより口先が先に立つこと、また口先だけで得をしようとする姿です。
古くから、人はことばで人を動かし、ことばで自分をよく見せることもできました。そのため、このことわざは、時代が変わっても、会議、仕事、学校の発表など、さまざまな場面で意味が分かる生きた表現として残っています。
つまり言い勝ち功名とは、話す力そのものを責めることばではなく、実の伴わない口先で手柄や利益を取ろうとするあり方をいましめることわざです。ことばと行いがずれていないかを見きわめる大切さが、この短い表現にこめられています。
「言い勝ち功名」の使い方




「言い勝ち功名」の例文
- 会議で実際には動かず、説明だけ上手にして手柄を取るのは言い勝ち功名である。
- 共同研究の成果を先に言い立てた者が評価を集め、言い勝ち功名のような形になった。
- 家族の前では世話をしたと言いながら、実際の看病は母に任せきりでは、言い勝ち功名にすぎない。
- 祭りの準備に参加しなかったのに、当日のあいさつだけで功労者の顔をするのは言い勝ち功名だ。
- 友人の案を自分の工夫のように話して得点を取れば、言い勝ち功名と言われてもしかたがない。
- 口先の説明ばかりで契約を取ろうとし、後の仕事が伴わないなら言い勝ち功名で終わる。























