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【奇貨居くべし】の意味と使い方や例文!故事は?(類義語・対義語・英語)

奇貨居くべし

【故事成語】
奇貨居くべし

【読み方】
きかおくべし

【意味】
めったにない好機は、逃さずうまく利用すべきであるという意味。もとは、珍しい品物は後の利益のために手元に置いておくべきだという意。

ことわざ博士
奇貨居くべしは、目の前の利益だけでなく、あとで大きな成果につながる可能性を見て動く考え方を表すよ。
助手ねこ
人や物事を冷静に見きわめ、得がたい好機を逃さず生かそうとする場面で用いるニャン。

【英語】
・Strike while the iron is hot.(好機があるうちにすぐ行動する)
・Make hay while the sun shines.(機会が続いているうちに有効に利用する)

【類義語】
・好機逸すべからず(こうきいっすべからず)
・機を見るに敏(きをみるにびん)
・鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて)

【対義語】
・機を逸する(きをいっする)

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「奇貨居くべし」の故事

故事成語を深掘り

「既往は咎めず」は、『論語(ろんご)』「八佾(はちいつ)」に出てくる「既往不咎」を読み下した言葉です。『論語』は、孔子とその門弟との問答や言行を記録した儒教の根本文献で、二十編から成ります。

『論語』の成立については、一人の著者が一度に書いたものではなく、孔子の弟子たちが伝えた言行録をもとに、のちの時代に整理されたものと考えられています。漢代までに本文が選択整理され、長く儒教の大切な経典として読まれてきました。

この言葉が出てくる場面では、哀公(あいこう)が孔子の弟子である宰我(さいが)に「社」についてたずねます。「社」は、中国古代で土地の神、またはそれをまつる場所を指す言葉です。

宰我は、夏の時代には松を用い、殷の時代には柏を用い、周の時代には栗を用いたと答えます。さらに、周が栗を用いたのは、民を「戦栗」させるためだという趣旨のことを述べます。

「栗」と「戦栗」の音を結びつけた説明は、相手に恐れを抱かせるという意味を含む、行き過ぎた答えでした。孔子はその話を聞き、「成事不説、遂事不諫、既往不咎」と述べます。

この三つの句は、すでに成ったことはあれこれ言わず、すでに進んでしまったことは諫めず、すでに過ぎ去ったことは咎めない、という意味です。ここでの「既往」は過去のこと、「咎めず」は責めないことを意味します。

孔子の言葉は、宰我の失言をただ許しただけのものではありません。言ってしまったことは取り返せないため、それ以上責め立てるよりも、これから慎むように促す言葉として受け取られています。

この故事では、過去の失敗を忘れてよいというより、過去を責め続けても前には進まない、という考えが大切です。すでに起きたことを教訓にし、将来の行いを正すところに、この言葉の重みがあります。

日本語では、「既往は咎めず」という読み下しの形で、過去の失敗をいつまでも責めず、今後を慎むという戒めとして用いられるようになりました。また、四字の形では「既往不咎」とも用いられます。

現在でも、謝罪や反省がすみ、これからどうするかを考える場面で使われます。ただし、重大な過ちを何もなかったことにする言葉ではなく、責任を認めたうえで、将来の改善へ向かうための故事成語です。

「奇貨居くべし」の使い方

健太
市の工作展で、急に一組だけ出場枠が空いたんだって。ぼくたちの風力発電模型、まだ直せるかな?
ともこ
こんな機会はめったにないよ! 奇貨居くべしで、今日の放課後に羽根を直そう。
健太
うん。先週の実験ノートもまとめれば、発表まで間に合いそうだ。
ともこ
じゃあ先生に申し込もう。せっかくのチャンスを逃したらもったいないね。
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「奇貨居くべし」の例文

例文
  • 新しい市場に進出できる話を聞き、社長は奇貨居くべしとすぐ調査を命じた。
  • 空いた発表枠に参加できると知り、班員たちは奇貨居くべしと準備を急いだ。
  • 町の古い空き家を交流施設に使えると分かり、自治会は奇貨居くべしと話し合いを始めた。
  • 留学経験のある先輩から直接学べる機会を、彼は奇貨居くべしと考えた。
  • 人気作家に会える招待券が余ったので、彼女は奇貨居くべしと取材を申し込んだ。
  • 小さな失敗から新しい方法の手がかりを得て、研究チームは奇貨居くべしと実験を続けた。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館、1984〜1994年。
・司馬遷『史記』前漢。
・Cambridge University Press『Cambridge Dictionary.』





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