「盗人の昼寝」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
盗人の昼寝
【読み方】
ぬすびとのひるね
【意味】
何も考えていなさそうな、何も目的がなさそうな行為でも、その後の行動のために必要な行為である事の例えです。
良い事をする場合には使われません。
これは、人が何か行動を起こすときには、それには必ず何かしらの思惑があるってことを示してる言葉やな。表面的な行動だけ見て判断せず、その背後にある意図を考えることの大切さを教えてくれるわけや。
【語源・由来】
「毛吹草」の中の「ぬす人のひるねもあてがある」という言葉が由来です。
「毛吹草」とは、1645年に刊行された江戸時代の俳諧論書で、編者は松江重頼です。
盗人の昼寝には何の理由もなさそうだけど、実際は夜に盗みをするための備えなのですね。
「江戸いろはかるた」と「尾張いろはかるた」の中の「ぬ」です。
【類義語】
・盗人の昼寝も当てがある
【英語訳】
・Because the thief has the purpose, it takes a nap.
・A casual way is carried out and there is the purpose in practice.
・A fox sleeps but counts hens in his dream.
「盗人の昼寝」の解説
「盗人の昼寝」という表現は、特定の目的や意図があって行動することを示すたとえだね。この言葉は、盗人が夜間に活動するために、昼間に睡眠を取って体力を温存する様子から来ているんだ。つまり、その行動にはしっかりとした目的があり、その目的達成のために計画的に行動していることを意味しているよ。
この表現は、直接的には犯罪者の行動を例にしているけれど、もっと広い意味で「どんな行動にも背後には理由や動機がある」ということを教えてくれるんだ。それが個人の日常生活における小さな習慣であれ、ビジネスや政治など大きなスケールでの行動であれ、その行動には何らかの目的や意図があるということを示しているんだね。
「盗人の昼寝」は、物事を表面的に見るのではなく、その背後にある意図や理由を理解しようとする重要性を示唆している言葉と言えるよ。このたとえを通じて、人々が何かをする際には、それに対する自分なりの目的や計画があること、そして他人の行動を理解しようとする際には、その背景にある思惑を考慮に入れるべきだという教訓が込められているんだ。
「盗人の昼寝」の使い方
「盗人の昼寝」の例文
- いつも同僚を出し抜くことばかり考えているあの男が、今回は目立たぬようにしているなんて、盗人の昼寝じゃないのか。
- 気に入らないことがあるとすぐに暴れる奴が、やけに大人しくしているのが不気味だ。盗人の昼寝で何か企んでいるのかもしれない。
- あんな所で呑気に煙草を吸ってるけど、盗人の昼寝と言うし、後で私たちを裏切るんじゃないの。
×傾いた会社を立て直した実績のある彼の事だ。盗人の昼寝と言うし、彼なりに考えがあるのだろう。
このことわざは、悪い事を企んでいる人間に使うので、良い事(案)を考えている人間には使いません。
この表現は、どんな行動にもそれなりの意図があるということを教えているんだね。