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【御神酒上がらぬ神はない】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語)

御神酒上がらぬ神はない

【ことわざ】
御神酒上がらぬ神はない

【読み方】
おみきあがらぬかみはない

【意味】
神様でさえ酒を召し上がるのだから、人間が酒を飲むのは当然だということ。酒飲みが飲酒を正当化するために使う言葉。

ことわざ博士
「御神酒上がらぬ神はない」は、神前に酒を供える習慣をもとにした、酒好きのこっけいな自己弁護を表すよ。
助手ねこ
酒を勧められた人や、さらに飲もうとする人が、冗談めかして飲酒の理由を述べる場面に用いるニャン。

【類義語】
・酒は天の美禄(さけはてんのびろく)

【対義語】
・酒は百毒の長(さけはひゃくどくのちょう)

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「御神酒上がらぬ神はない」の語源・由来

ことわざを深掘り

「御神酒(おみき)」は、神前に供える酒のことです。神社の祭りでは、米や餅、魚、野菜、塩、水などとともに、酒を神饌(しんせん:神に供える食事)の一つとして供えます。祭りの後には、供えた御酒や食べ物を神職や参列者がいただく直会(なおらい)も行われ、酒は神と人とを結ぶ大切な供え物として扱われてきました。

このことわざの「上がる」は、位置が高くなるという意味ではありません。「食べる」「飲む」の尊敬語で、「召し上がる」という意味です。したがって、「御神酒上がらぬ神はない」を文字どおりにほどくと、「供えられた酒を召し上がらない神はいない」となります。

「お神酒」という言葉の古い例は、『虎明本狂言』(1642年・江戸時代前期、大蔵虎明筆)の「鈍根草」にあります。そこには「おみきをまいりまらせう」とあり、近世初めには、神にかかわる酒を「おみき」と呼ぶ言い方が、すでに用いられていました。

ただし、「御神酒上がらぬ神はない」という一続きの言葉が、この狂言に出てくるわけではありません。御神酒を神前に供えるという古くからの習慣をもとに、酒好きの人が、「神様さえ酒を召し上がるのだから、人間が飲んでも不思議ではない」と理屈を付けたところに、このことわざのおもしろさがあります。信仰上の教えを厳かに述べたものではなく、飲酒を正当化するための、親しみを込めた言葉です。

現在の意味に直接つながる古い用例は、落語『神仏混淆』(1891年・明治24年、三代目三遊亭円遊口演)にあります。酒を勧める場面で、「あらまアお酒(しゅ)を御上がんなさいましよ、『御酒(オミキ)上がらない神はない』てエますから」と語られています。相手に酒を飲ませようとして神様まで引き合いに出す、こっけいな会話です。

この古例では、「御酒上がらない神はない」という話し言葉の形ですが、現在は「御神酒上がらぬ神はない」という、短く引き締まった形で広く用いられています。「上がらない」が「上がらぬ」となることで、ことわざらしい、調子のよい言い回しになっています。

後には、丹波篠山(たんばささやま)に伝わる民謡「デカンショ節」の歌詞にも、「酒は呑め呑め 茶釜でわかせ お神酒あがらぬ 神はない」と取り入れられました。酒席や祭りのにぎやかさに合う言葉として歌われたことからも、このことわざが、酒を楽しむ人々の間で親しまれてきたことが分かります。

このように、「御神酒上がらぬ神はない」は、神前に酒を供える習慣を背景に生まれ、明治時代の落語では酒を勧める言葉として使われ、さらに民謡にも歌い込まれました。神様を持ち出して自分の飲酒をもっともらしく弁護する、酒好きらしいユーモアをもつことわざです。

「御神酒上がらぬ神はない」の使い方

健太
商店街のお祭りで、おじさんがもう一杯だけと言いながら、お酒を注いでもらっていたよ。
ともこ
御神酒上がらぬ神はないって、うれしそうに言っていた人でしょう?
健太
うん。神様も飲むのだから自分が飲んでもいい、という酒好きの言い訳なんだって!
ともこ
おもしろいことわざだけれど、飲みすぎないようにしてほしいね……。
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「御神酒上がらぬ神はない」の例文

例文
  • 父は晩酌の杯を手に取り、御神酒上がらぬ神はないと冗談を言った。
  • 祭りの直会で酒を勧められた叔父は、御神酒上がらぬ神はないと笑って杯を受けた。
  • 祖父は御神酒上がらぬ神はないを口実にして、祝い酒をもう一杯だけ味わった。
  • 宴会の席で部長が御神酒上がらぬ神はないと言うと、周りから楽しそうな笑い声が上がった。
  • 御神酒上がらぬ神はないとはいうものの、酒は節度を守って飲むことが大切だ。
  • 彼は花見の席で御神酒上がらぬ神はないと唱え、自分の杯に酒を注いだ。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館大辞泉編集部編、松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・大蔵虎明『虎明本狂言』1642年。
・三代目三遊亭円遊『神仏混淆』1891年。
・『デカンショ節』。





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