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【朝茶は七里帰っても飲め】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

朝茶は三里行っても飲め

【ことわざ】
朝茶は七里帰っても飲め

【読み方】
あさちゃはしちりかえってものめ

【意味】
朝に飲む茶は災難よけになり、体にもよいものとされるため、飲み忘れたら遠くから戻ってでも飲むべきだということ。朝の一杯を大切にする教え。

ことわざ博士
朝茶は七里帰っても飲めは、朝に茶を飲む習慣を縁起のよいもの、身を整えるものとして重んじることわざなんだよ。
助手ねこ
旅立ちや外出の朝など、一日を始める前に心身を落ち着ける大切さを言う場面で用いるニャン。

【類義語】
・朝茶に別れるな(あさちゃにわかれるな)
・朝茶はその日の祈祷(あさちゃはそのひのきとう)
・朝茶はその日の難逃れ(あさちゃはそのひのなんのがれ)
・朝茶は福が増す(あさちゃはふくがます)
・朝茶は三里行っても飲め(あさちゃはさんりいってものめ)

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「朝茶は七里帰っても飲め」の語源・由来

ことわざを深掘り

朝茶は、朝に飲むお茶、または朝にお茶を飲む習慣を表す言葉です。「朝茶は七里帰っても飲め」は、その朝茶を非常に大切なものとして言い表したことわざです。

「七里」は、かなり遠い道のりを表す数です。一里を約三・九キロと考えると、七里は二十七キロをこえる距離になり、実際に戻るというより、それほどまでに朝茶を重んじよという強い言い方になっています。

日本で茶を飲んだ古い記録として、『日本後紀』(840年・承和7年成立、平安時代前期、藤原緒嗣ら編)の弘仁6年(815年)の条があります。そこには、近江国の梵釈寺で、大僧都永忠が嵯峨天皇に茶を煎じて奉ったことが記されています。

この段階の茶は、まだ庶民の日常の飲み物ではありませんでした。貴族や僧侶など限られた人々の間で用いられ、茶そのものが珍しく、貴いものとして扱われていた時代です。

鎌倉時代になると、栄西が『喫茶養生記』(1211年・建暦元年ごろ、鎌倉時代前期、栄西著)で、茶を体を養うものとして説きました。「茶は養生の仙薬」という考えは、茶をただの飲み物ではなく、身を整え、命を養うものとして見る流れを強めました。

このような考えは、のちの日本の暮らしの中で、茶を健康や縁起と結びつけて考える土台になりました。「朝に茶を飲むと災いを避ける」という発想も、茶を体によいもの、気持ちを整えるものとして受けとめる生活感覚から育ったものです。

江戸時代に入ると、茶は武家や町人の生活に広く入り込みました。とくに江戸時代中期の1738年、山城国宇治田原の永谷宗円が蒸し製煎茶の製法を工夫したことにより、香りや味のよい煎茶が広まり、茶は日常の飲み物としてさらに親しまれるようになりました。

朝に茶を飲む習慣が広まると、「朝茶に別れるな」「朝茶はその日の難逃れ」「朝茶は福が増す」のように、朝茶を大切にする言い方が生まれました。どれも、朝の一杯が一日の無事や幸いにつながると考える暮らしの知恵を表しています。

「朝茶は七里帰っても飲め」は、その考えをさらに強めた表現です。朝茶を飲み忘れて旅に出たなら、たとえ七里もの道を戻ってでも飲むべきだ、という大げさな言い回しによって、朝茶の大切さを印象深く伝えています。

江戸時代後期には、ことわざや俗語を広く集めた『譬喩尽(たとえづくし)』(1786年・天明6年序、江戸時代後期、松葉軒東井編)のような書物が作られました。こうした本は、庶民の間に伝わっていた言い方を集める性格をもち、茶に関わることわざも暮らしの言葉として定着していきました。

また、「朝茶は三里行っても飲め」という形も伝わります。「七里」と「三里」で距離の数は異なりますが、どちらも、朝茶を飲むことを忘れないようにという同じ考えを表しています。

このことわざは、茶が必ず災難を消すと断定する言葉ではありません。朝の茶を通して、一日の始まりを落ち着いて迎え、健康や無事を願う心を大切にする言葉として受け継がれてきたものです。

「朝茶は七里帰っても飲め」の使い方

健太
遠足の集合場所まで来てから、朝にお茶を飲まずに出たことを思い出したよ。家で祖母が入れてくれたのに、急いでいて飲まなかったんだ。
ともこ
昔から朝茶は七里帰っても飲めって言うよ。七里も戻るくらい、朝のお茶は大切にされたんだね!
健太
もうバスの発車時刻だから戻れないけれど、祖母の気づかいを軽く見ていたな。
ともこ
今日は水筒のお茶を落ち着いて飲もう。明日は家を出る前に、朝茶を一口いただいてから来よう。
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「朝茶は七里帰っても飲め」の例文

例文
  • 昔の人は、朝の一杯を重んじて朝茶は七里帰っても飲めと言い伝えた。
  • 旅の支度に追われても、祖母は朝茶は七里帰っても飲めと言って家族に茶を勧めた。
  • 新しい仕事の初日、父は朝茶は七里帰っても飲めの気持ちで、温かい茶を飲んでから家を出た。
  • 遠足の朝、母は朝茶は七里帰っても飲めと言い、落ち着いてお茶を飲ませてから子どもを送り出した。
  • 地域の茶会では、朝茶は七里帰っても飲めに込められた朝茶を尊ぶ心が紹介された。
  • 忙しい朝ほど、朝茶は七里帰っても飲めということわざのように、一杯のお茶で心を整える時間が大切になる。




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