『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』講談社より出版。詳細はコチラ!

【朝寝好きの夜田打ち】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

朝寝好きの夜田打ち

【ことわざ】
朝寝好きの夜田打ち

【読み方】
あさねずきのよたうち

【意味】
朝寝坊をして仕事の始まりが遅れたために、その遅れを取り戻せず、夜まで働くことになるという戒め。

ことわざ博士
朝寝好きの夜田打ちは、早い時間をむだにすると、あとで苦しい形で埋め合わせをすることになるという意味だよ。
助手ねこ
朝のうちに始めるべき仕事や用事を先延ばしにして、夕方や夜になっても終わらない場面で用いるニャン。

【英語】
・An hour in the morning is worth two in the evening.(朝の一時間は夕方の二時間に値する)
・You snooze, you lose.(ぐずぐずしていると損をする)

【類義語】
・朝油断の夕かがみ(あさゆだんのゆうかがみ)
・朝さがりは夕さがり(あささがりはゆうさがり)
・朝寝八石の損(あさねはちこくのそん)

【対義語】
・早起きは三文の徳(はやおきはさんもんのとく)
・朝起き千両、夜起き百両(あさおきせんりょう、よおきひゃくりょう)

【スポンサーリンク】

「朝寝好きの夜田打ち」の語源・由来

ことわざを深掘り

「朝寝好きの夜田打ち」は、特定の人物の逸話から生まれた故事ではなく、農村の暮らしと一日の仕事の進め方から生まれたことわざです。朝寝坊を好む人が、田仕事の始まりを遅らせ、結局は夜になっても田を打たなければならない、という具体的な情景をもとにしています。

「田打ち」とは、田の土を田植えの用意のために鋤き返したり、鍬で打つように耕したりする作業を指します。春の農事の始まりにかかわる大切な仕事で、昔は牛馬や人の力を使い、土の状態を見ながら行われました。

「打つ」という言い方には、鍬を入れて土を起こす動きがよく表れています。田の土はただ掘ればよいものではなく、田植えに向くように細かく返し、整えていく必要がありました。

このことわざの「夜田打ち」は、夜に田を耕すことを表します。暗い中での田仕事は、明るい朝や昼の仕事に比べて見通しが悪く、体も疲れ、作業もしにくいものです。

つまり、このことわざは、単に「朝寝坊はよくない」と言うだけではありません。朝の楽を選んだ結果、夜になって苦しい作業を背負う、という因果関係を、農作業の場面で目に見える形にした言葉です。

「朝寝」という言葉そのものは、古くから「朝遅くまで寝ていること」を表して使われてきました。『沙石集』(1283年・弘安6年、無住著)にも、朝寝をして起きるのが遅くなった場面が出てきます。

また、『曠野』(1689年・元禄2年、俳諧撰集)にも「朝寝する人」という表現が見えます。朝寝は、単なる睡眠ではなく、活動すべき朝の時間を過ぎても寝ていることとして受け止められてきました。

一方、「田打ち」は俳諧や歳時記の世界でも、春の生活に結びつく言葉として扱われてきました。『花火草』(1636年・寛永13年・江戸時代前期)には季語として出ており、田を打つことが春の農事の始まりを告げる作業として意識されていたことが分かります。

さらに、正月の農耕儀礼にも「田打ち」は関わっています。田仕事の仕事始めとして、田に松を立て、供物を供え、鍬で打って豊作を願う「田打ち正月」という行事がありました。これは、田を打つ動作が農村の一年の始まりと深く結びついていたことを示しています。

こうした背景をふまえると、「朝寝好きの夜田打ち」は、農作業の順序と時間の大切さをよく表したことわざです。朝のうちに始めるべき田仕事を怠ると、明るく働きやすい時間を失い、夜の不自由な仕事になってしまいます。

後には、実際の田仕事に限らず、勉強、家事、仕事、約束の準備などにも用いられるようになりました。早く始めれば楽に進むことを先延ばしにし、あとで時間に追われる場面を戒める言葉として定着したのです。

現在の意味も、この農村の実感とつながっています。朝の小さな油断が、夜の大きな苦労になるという教えを、具体的で覚えやすい形にしたことわざです。

「朝寝好きの夜田打ち」の使い方

健太
夏休みの自由研究、朝のうちに写真を整理するつもりだったのに、昼まで寝てしまったよ。
ともこ
明日の朝が提出日なのに、まだ観察記録の表も感想文も終わっていないの?
健太
うん。夕ごはんのあとも、眠い目で写真を貼って文章を書かなきゃならない。まさに朝寝好きの夜田打ちだね。
ともこ
今日は最後まで仕上げて、次からは午前中に始めよう。夜にあわてるのはつらいものね!
【スポンサーリンク】

「朝寝好きの夜田打ち」の例文

例文
  • 朝寝好きの夜田打ちで、午前中に済ませるはずの掃除が夜まで残った。
  • 宿題を朝のうちに始めなかったせいで、朝寝好きの夜田打ちになった。
  • 旅行の荷造りを昼まで放っておいたので、出発前夜は朝寝好きの夜田打ちだった。
  • 資料作りを先延ばしにした課長は、会議の前夜に朝寝好きの夜田打ちとなった。
  • 午前中の涼しい時間をむだにしたため、草取りは夕方まで終わらず、朝寝好きの夜田打ちになった。
  • 朝寝好きの夜田打ちを避けるため、文化祭の準備は登校後すぐに始めた。




『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』(講談社)発売中♪

マンガでわかる ことわざ図鑑

◆試験に出ることわざを網羅
ことわざは小学、中学、高校、大学、さらに就職試験の問題になっています。ことわざの試験対策としてもオススメの一冊。

◆マンガで楽しみながらことわざを知る! 憶える!
本書では、マンガで楽しくわかりやすくことわざを解説し、記憶に定着させます。