【ことわざ】
泥中の蓮
【読み方】
でいちゅうのはす
【意味】
どんなに汚れた環境の中にいても、それに染まらず清く正しく生きるさまのたとえ。
【語源・由来】
蓮は汚い泥の中でも、清らかな花を咲かせることから。「維魔経(ゆいまきょう)」が出典であるという説があります。
維魔経は大乗仏教経典(だいじょうぶっきょうきょうてん)の一つで別名「不可思議解脱経」(ふかしぎげだつきょう)といいます。難しい漢字なので省略しますが、意味は「高原の陸地には蓮花は生えない。汚泥の中からこそ蓮花は咲く。」という文があります。
【類義語】
・涅すれども緇まず(でつすれどもくろまず)
・濁りに染まぬ蓮(にごりにそまぬはす)
【対義語】
朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる)
【英語訳】
A myrtle among thorns is a myrtle still.
「泥中の蓮」の使い方

6年生の3組は学級崩壊しそうなくらい荒れてるらしいわよ。

へー、でも太郎君のお姉さんがいるけど、いつも明るいくて優しくしてくれるよ。

まさに泥中の蓮ね。健太君憧(あこが)れてるの?顔が赤いわよ。

まさか、そんなんじゃないやい。
「泥中の蓮」の例文
- 人間関係が悪い会社の中にあって、真摯(しんし)に黙々(もくもく)と仕事をしている彼は、泥中の蓮ですね。
- 人は周りの環境に流されやすいものです。その中で泥中の蓮を維持することは尊(とうと)いことだと思います。
- 雑然(ざつぜん)とした職場に、まるで泥中の蓮のような人がいるね。
- 泥中の蓮というのは相当意志が強くないと続きません。
まとめ
蓮の花言葉は「清らかな心」、「雄弁(ゆうべん)」、「神聖」などだそうです。雄弁とは巧(たくみ)な力強い弁舌(べんぜつ)ですから泥中の蓮とは違ったイメージですね。蓮のイメージからすると、どちらかというと寡黙(かもく=多くを語らず、言葉数がすくないこと)なイメージだと思いますが、仏教の教えも関係しているようです。