【ことわざ】
かがみ女に反り男
【読み方】
かがみおんなにそりおとこ
【意味】
女性は少し前にかがんでうつむき加減の姿がよく、男性は少し胸を張って反り加減の姿がよい、という昔の美意識を表す言葉。


【類義語】
・屈み女に反り男(こごみおんなにそりおとこ)
・こごみ女に反り男(こごみおんなにそりおとこ)
「かがみ女に反り男」の語源・由来
「かがみ女に反り男」は、中国古典の故事にもとづく言葉ではなく、男女の姿勢についての昔の見方を短くまとめた日本のことわざです。女はやや背を丸めてこごめた姿勢、男はやや後ろへ反った姿勢が見ばえがよい、という意味で用いられてきました。
このことわざの「かがみ」は、鏡のことではなく、「屈み」と関係する言葉です。「屈む」は、腰や手足などが折れ曲がること、また身を低くすることを表します。
古い形としては、「屈み女に反り男」があります。この「屈み」は「こごみ」とも読み、動詞「こごむ」の連用形からできた名詞で、かがむことを表します。
そのため、「かがみ女」と「こごみ女」は、どちらも前に身を低くしたり、背を少し丸めたりする姿を指す言い方としてつながっています。表記としては、「屈み女」と書くと意味が見えやすく、ひらがなで「かがみ女」と書くと、口で伝えられてきた言い方に近い形になります。
一方、「反り男」の「反り」は、動詞「反る」から来ています。「反る」は、からだやその一部が後ろのほうへ弓なりに曲がることを表し、「胸を張る」「上体を反らす」という姿勢につながります。
このことわざは、女と男を対にして、前へかがむ姿と後ろへ反る姿を並べています。前半では控えめにうつむく姿を、後半では胸を張って堂々とする姿を、それぞれ昔の見ばえのよさとして言い表しています。
ただし、ここでいう「よい姿勢」は、からだにとって健康的な姿勢を説明する言葉ではありません。むしろ、昔の社会で「女性らしい」「男性らしい」と考えられた見た目や態度を、姿勢のたとえで表したものです。
「屈み女に反り男」という形では、「屈み」と「反り」という二つの動作が、漢字で対になっています。身を低くする「屈み」と、胸や上体を後ろへそらす「反り」を並べることで、男女に求められた姿勢の違いを、短く覚えやすい形にしています。
この言い方は、昔の美意識をそのまま表すため、現代では注意して読む必要があります。今では、女性だから控えめに、男性だから胸を張って、というように性別で振る舞いを決める考え方は、必ずしも受け入れられるものではありません。
したがって、「かがみ女に反り男」は、現在の行動の手本として使うより、昔の人がどのような姿を「見ばえがよい」と考えたかを知る言葉として読むのがふさわしいです。姿勢のたとえを通して、時代ごとの価値観の違いを考えさせることわざです。
「かがみ女に反り男」の使い方




「かがみ女に反り男」の例文
- 昔の美意識を説明する場面で、かがみ女に反り男ということわざが紹介された。
- かがみ女に反り男は、男女の姿勢に対する古い価値観を表す言葉として読む必要がある。
- 時代劇の人物の立ち姿を見て、祖父はかがみ女に反り男という昔の言い方を思い出した。
- かがみ女に反り男という表現から、昔は姿勢にも男女別の理想があったことが分かる。
- 授業では、かがみ女に反り男を例にして、ことわざに残る時代の考え方を話し合った。
- 現代の感覚で考えると、かがみ女に反り男は人の姿勢を性別で決めつける古い言い方でもある。
主な参考文献
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。























