【ことわざ】
金が子を生む
【読み方】
かねがこをうむ
【意味】
金銭に利子がついて、だんだん増えていくこと。


【英語】
・Money makes money.(金が金を生む)
【類義語】
・金が金を儲ける(かねがかねをもうける)
「金が子を生む」の語源・由来
「金が子を生む」は、金銭を親に、利子をその子にたとえたことわざです。人の子が親から生まれるように、元の金から利子が生じて金額が増えていくという比喩で成り立っています。
ここでいう「子」は、ふつうの子どもだけを意味するものではありません。古くから「子」には、元金から生じた利益、つまり利子を指す用法があり、「元も子もなくす」という言い方にも同じ考え方が残っています。
利子は、金銭の貸し借りが行われたとき、その金銭を使う対価として支払われる金です。利息ともいい、日常では「貸した金に利子がつく」「借りた金の利子を払う」のように使われます。
さらに、古い言葉には「利(このしろ)」があります。これは「子の代」という意味から出た言葉で、貸した金の利子・利息を指し、『日本書紀』(720年成立、奈良時代)持統天皇元年七月の北野本訓に用例があります。
このように、日本語では、元になる金と、そこから生じる利子とを、親と子の関係になぞらえて表す考え方が古くからありました。「金が子を生む」は、その比喩をとても分かりやすい形にした言い方です。
ことわざとしての古い用例は、江戸時代後期の雑俳集『柳多留』(明和2年から天保3年、1765〜1832年序、呉陵軒可有ほか編)に見えます。『柳多留』六三編(1813年)には、「かねの子を産はとり揚ぢぢい也」という句があり、金が利子を生むことを、子を産む姿にたとえて滑稽に表しています。
この用例では、「生む」ではなく「産」の字が使われています。人や動物が子を産むことに寄せて、利子が生じることをより具体的に表したものです。
小林一茶の句にも、近い表現が見えます。『文政句帖』文政7年の句に「日の本や金も子をうむ御代の春」とあり、金が「子」、つまり利子を生むという見方が、俳句にも取り入れられています。
近代文学では、森鴎外『雁』(1911〜1913年初出、森鴎外著)に「その後大ぶ金が子を生んでからは」という用例があります。ここでは、金が利子をつけて大きく増えるという意味で、現在のことわざの形に近い使い方になっています。
「金が子を生む」は、金が自然にふえる魔法を述べた言葉ではありません。元金があり、それを貸す、預ける、運用するなどの仕組みがあって、利子が生じるという考えを、親と子の関係にたとえたことわざです。
現在では、利子や運用益によって金が増えることをいうほか、元手のある人ほどさらに金を増やしやすい、という世の中のしくみを述べる場面にも使われます。ただし、本来の芯は、金銭が利子をつけてだんだん殖えていくという点にあります。
「金が子を生む」の使い方




「金が子を生む」の例文
- 祖父は、若いころに少しずつ預けた金が利子で増え、金が子を生むことを実感した。
- 金が子を生むというように、元手があると利子によって財産が増えやすい。
- 父は、金が子を生む仕組みを知るために、預金の利子について子どもに説明した。
- 小さな金額でも長く預ければ、金が子を生むことがある。
- 金が子を生むとはいえ、利子だけを当てにして無計画に暮らすのは危うい。
- 商売で得た利益をさらに元手にしたことで、金が子を生むように資金が増えていった。
主な参考文献
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2006年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・呉陵軒可有ほか編『柳多留』1765〜1832年序。
・小林一茶『文政句帖』1824年。
・森鴎外『雁』1911〜1913年初出、1915年刊。
・HarperCollins Publishers『Collins English-Spanish Dictionary』HarperCollins Publishers.























