【ことわざ】
一日の計は朝にあり
【読み方】
いちにちのけいはあさにあり
【意味】
一日の計画は朝のうちに立てるのがよいということ。物事は、始めにしっかり計画を立てることが大切だというたとえ。


【英語】
・Well begun is half done(よい始まりは成功の半分を占める)
【類義語】
・始めが大事(はじめがだいじ)
・一年の計は元日にあり(いちねんのけいはがんじつにあり)
【対義語】
・泥縄(どろなわ)
・泥棒を捕らえて縄を綯う(どろぼうをとらえてなわをなう)
「一日の計は朝にあり」の語源・由来
「一日の計は朝にあり」は、「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」という形でも広く使われることわざです。一日の計画は早朝に立て、一年の計画は元旦に立てるべきだという意味から、物事は最初が肝心であるという教えを表します。
この言葉のもとには、中国で古くから伝わる「一日の計は晨に在り、一年の計は春に在り」という考えがあります。「晨(あした)」は朝のことで、一日をよく過ごすためには、その始まりである朝に見通しを立てるのがよい、という意味です。
この考えは、『月令広義(げつれいこうぎ)』(一六〜一七世紀、中国・明代の書物)に出てくる「四計(しけい)」の中に、まとまった形で伝わっています。そこでは、「一日の計は朝にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤めにあり、一家の計は身を修めるにあり」という四つの計画として述べられています。
「四計」とは、生活を充実させるための四つのはかりごとを指します。一日という短い時間、一年という長い時間、一生という人生全体、そして一家という家庭のまとまりについて、それぞれ大切にすべき始まりや心がけを示す言葉です。
日本では、早くも『書言字考節用集』(1717年・江戸時代中期)に、「四計」の言葉が収められています。そこでは、『月令広義』の「一日之計在晨、一年之計在春、一生之計在勤、一家之計在身」から来た言葉として扱われ、一日・一年・一生・一家の四つのはかりごとを表すものとされています。
のちに日本語では、「一年の計は元日にあり」「一年の計は元旦にあり」という形がよく知られるようになりました。『譬喩尽』(1786年・江戸時代後期)には、「一年の計は元日にあり」の用例があり、そこでも「一日の計は朝にあり」と結びつけて、物事は初めが大切であり、まず計画を立ててから事に当たるべきだという意味で説明できます。
「春」は、古い暦では年の初めにあたる季節を含む言葉でした。そのため、「一年の計は春にあり」は、年の始まりに計画を立てるという意味で受け取られ、やがて日本では「元日」や「元旦」という、より分かりやすい表現と結びついて定着しました。
現在の「一日の計は朝にあり」は、一日の始まりである朝を大切にする、という身近な教えとして使われます。朝に予定や順序を考えておくと、その日一日の動きが整いやすくなるため、勉強や仕事だけでなく、行事の準備や生活習慣にも当てはめやすいことわざです。
「一日の計は朝にあり」の使い方




「一日の計は朝にあり」の例文
- 遠足の持ち物を朝のうちに確かめるのは、一日の計は朝にありのよい実践だ。
- 会議が多い日は、一日の計は朝にありと考えて、出社後すぐに優先順位を決める。
- 夏休みの宿題を進めるには、一日の計は朝にありを心がけ、午前中に学習の予定を立てるとよい。
- 文化祭の準備で役割が混乱しないよう、一日の計は朝にありと、作業前に全員で手順を確認した。
- 家事と買い物を効率よく済ませるため、母は一日の計は朝にありと言って、朝食後に予定を書き出した。
- 試合当日は一日の計は朝にありだから、集合時間、練習、休憩の流れを早めに確認しておく必要がある。
主な参考文献
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2006年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・馮応京『月令広義』明代。























