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【有為転変は世の習い】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

有為転変は世の習い

【ことわざ】
有為転変は世の習い

【読み方】
ういてんぺんはよのならい

【意味】
この世のすべてのものは、とどまることなく移り変わっていくものだということ。

ことわざ博士
有為転変は、因縁によって生じたこの世の現象が、常に変化していくことを表しているよ。
助手ねこ
人の境遇、社会の姿、栄えたものの衰えなど、変化を避けられない場面で用いるニャン。

【英語】
・the mutability of this world(この世の移り変わりやすさ)
・the vicissitudes of life(人生の変転)

【類義語】
・諸行無常(しょぎょうむじょう)
・有為無常(ういむじょう)
・万物流転(ばんぶつるてん)

【対義語】
・常住(じょうじゅう)
・不易(ふえき)
・万古不易(ばんこふえき)

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「有為転変は世の習い」の語源・由来

ことわざを深掘り

「有為転変は世の習い」は、仏教語の「有為転変」に、「世の習い」という日本語の言い方が結びついたことわざです。「有為」は、因縁によって作られ、生じたり滅したりするものを指し、「転変」は、その姿が移り変わることを表します。

仏教では、因縁によって成り立つものは固定した存在ではなく、変化し、崩れ、無常であると考えます。このように変化し続けるあり方を「有為転変」と呼び、常に変化して永久不変なものがないという考えは、「諸行無常」とも深くつながっています。

「有為」という言葉は、日本でも早くから、無常なこの世を表す言葉として受け止められてきました。たとえば「いろは歌」に出てくる「有為の奥山」は、無常なこの世を、越えにくい深い山にたとえた表現です。

また、「諸行無常偈(しょぎょうむじょうげ)」は、『涅槃経(ねはんぎょう)』にある四句の偈で、「諸行無常・是生滅法・生滅滅已・寂滅為楽」を指します。いろは歌は、この偈の意味を詠んだものともいわれ、ここにも、この世のものは生じては滅し、一定しないという考えが通っています。

現在のことわざに近い考え方としては、「有為無常」という形も古くから使われています。『保元物語』(1220年ごろ成立か・鎌倉時代の軍記物語、作者未詳)には、「有為無常の習ひ、生者必滅の掟」という形が出てきます。これは、この世のものは移り変わり、命あるものは必ず滅びるという無常の考えを表しています。

「有為転変」という形そのものは、『太平記』(14世紀後半成立・南北朝時代の軍記物語、作者未詳)に古い用例があります。『太平記』巻第三十六には、「有為転変の世の習、今に始ぬ事なれ共」とあり、権勢や人の立場が思いがけず変わる世のありさまを述べる場面で使われています。

この用例では、「有為転変」と「世の習」が、ほとんど現在のことわざに近い形で並んでいます。「今に始ぬ事なれ共」は、今にはじまったことではない、という意味で、世の中が移り変わることは昔から変わらない道理だという受け止め方が表れています。

「世の習い」は、世間で普通のこと、世のならわし、世の常を表す言い方です。『源氏物語』の「匂宮」にも「世のならひも常なく見ゆるは」という古い用例があり、世の中のあり方が一定しないことをいう文脈で用いられています。

そのため、「有為転変は世の習い」は、単に「物事が変わる」というだけでなく、この世にあるものは変わるのが避けがたい道理だ、という受け止め方を含みます。栄えていた家や町が衰えること、人の立場が変わること、時代の価値観が移ることなどを、無常の目で静かに見つめる表現です。

近代以降には、「有為転変」だけでも、人生や世の中の変転、物事が変化していく運命を表す言葉として使われています。文学や評論の中でも、人生、映画、絵巻などが長い時間の中で変わっていくことを述べる例があり、仏教語としての重みを残しながら、広く移り変わり一般を表す言葉になりました。

こうして、「有為転変は世の習い」は、仏教の無常観を土台にしながら、日本語の「世の習い」という言い方によって、日常にも使いやすいことわざとして定着しました。変化を嘆くだけでなく、変化そのものを世の中のあり方として受け止めるところに、このことわざの深みがあります。

「有為転変は世の習い」の使い方

健太
駅前の本屋さん、来月で閉店するんだって。小さいころから行っていたから、なんだかさびしいな。
ともこ
新しい図書スペースができるらしいけれど、思い出の場所が変わるのはさびしいね。
健太
おじいちゃんが、有為転変は世の習いだから、変わることも受け止めなさいって言っていたよ。
ともこ
うん。最後の日に本屋さんへ行って、ありがとうって伝えよう!
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「有為転変は世の習い」の例文

例文
  • 長く続いた商店街の姿も少しずつ変わり、有為転変は世の習いだと感じた。
  • 名門と呼ばれた会社が時代の波にのまれたことに、有為転変は世の習いを思わされた。
  • 人の境遇はいつまでも同じではなく、有為転変は世の習いである。
  • 栄えていた町が静かになり、別の場所がにぎわうのを見ると、有為転変は世の習いだと分かる。
  • 家族の暮らし方も年月とともに変わり、有為転変は世の習いという言葉が身にしみた。
  • 昔の校舎が新しく建て替えられ、有為転変は世の習いだと卒業生たちは語り合った。

主な参考文献
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・飯間浩明編『四字熟語を知る辞典』小学館、2018年。
・小学館『プログレッシブ和英中辞典 第4版』小学館。
・浄土宗大辞典編纂委員会監修、浄土宗大辞典編纂実行委員会編集『新纂浄土宗大辞典』浄土宗、2016年。
・『保元物語』1220年ごろ成立か。
・『太平記』14世紀後半成立。





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