「断腸の思い」の意味(出典・故事・英語訳)
【ことわざ】
断腸の思い
【読み方】
だんちょうのおもい
【意味】
はらわたが千切れるほどの深い悲しみのたとえ。
【出典】
「世説新語」黜免
【故事】
「世説新語(せせつしんご)」黜免(ちゅつめん)より出典。「桓公(かんこう)蜀(しょく)に入り、三峡の中に至る。部伍(ぶご)の中に猨子(えんし)を得る者あり。其(そ)の母岸に縁(よ)りて哀合し、行くこと百余里にして去らず。遂に跳りて船に上り、至れば便即(すなわ)ち絶ゆ。其の腸中を破り視れば、腸皆寸寸に絶えたり。」中国、晋(しん)の武将桓温(かんおん)が蜀へ行こうとして、舟で三峡(長江中流の大渓谷で、古来航行の難所)を通った時に、従者が猿のこどもを捕らえて舟に乗せた。母猿は悲しい鳴き声をあげながら、岸に沿ってどこまでも追いかけてきて、百里以上ついてきたけれどあきらめようとせずに、ついに舟に飛び乗ってきた。しかし、途端に息絶えてしまった。そこでその腹を裂いてみると、悲しさのあまりに腸がずたずたにちぎれていたということに基づいている。
【英語訳】
To eat one’s heart out.
To eat one’s heart out with grief.
Heartbreak. Heartbreaking grief.
「断腸の思い」の解説
「断腸の思い」という表現は、非常に深い悲しみや苦痛を感じている状態を表す言葉だよ。文字通りには腸が断たれるほどの痛み、つまりはらわたがちぎれるほどの強烈な感情を意味していて、これは比喩的に心の痛みを表しているんだ。
この言葉は、失恋や大切な人の死、または途方もない失望など、人が耐え難いほどの精神的な苦痛を経験している時に使われるんだよ。それは、ただの悲しみや苦しみを超えた、極端な感情の痛みを伝えるのに使われるんだ。
「断腸の思い」は、人が経験することがある深い感情の苦痛や悲しみの深さを非常に強く表現する言葉で、その人の心がどれほど深く傷ついているかを伝えるために使われるんだね。それは、人間の感情の深さと、心の痛みの強烈さを理解するための比喩的な表現なんだ。
「断腸の思い」の使い方
「断腸の思い」の例文
- 断腸の思いで、この決断を下した。
- 断腸の思いだけれど、母を施設へお願いすることにした。
- 断腸の思いで、故郷を離れることを決めた。