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【口叩きの手足らず】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

口叩きの手足らず

【ことわざ】
口叩きの手足らず

【読み方】
くちたたきのてたらず

【意味】
口数ばかりが多く、口で言うほど仕事ができないこと。

ことわざ博士
口叩きの手足らずは、話すことには達者でも、実際の働きや腕前が伴わない人を戒める言葉だよ。
助手ねこ
仕事の進め方を得意げに語りながら、自分では十分に行動しない人を批判する場面で用いるニャン。

【英語】
・A long tongue is a sign of a short hand.(よくしゃべる人ほど実行が伴わない)

【類義語】
・口自慢の仕事下手(くちじまんのしごとべた)
・口上手の商い下手(くちじょうずのあきないべた)

【対義語】
・物言わぬの早細工(ものいわぬのはやざいく)

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「口叩きの手足らず」の語源・由来

ことわざを深掘り

「口叩きの手足らず」は、言葉を発する「口」と、実際に仕事をする「手」とを対照させたことわざです。「口叩き」は口数の多いことや、そのような人を表し、「手」は仕事や作業のほか、仕事をする能力や腕前も表します。口ばかりがよく動く一方で、仕事をする手は十分に働かないという、分かりやすい対照によって意味を表しています。

このことわざの核となる「口叩き」は、江戸時代より前から使われていた言葉です。『日葡辞書(にっぽじしょ)』(1603〜1604年・安土桃山時代末期から江戸時代初期、イエズス会宣教師ら編)には、「口叩」が、口数の多いことや、そのような人を表す言葉として収められています。『日葡辞書』は当時の日本語をポルトガル語で説明した辞書であり、日常の話し言葉を数多く記録しています。

江戸時代初期の俳諧撰集(はいかいせんしゅう)『犬子集(えのこしゅう)』(1633年、松江重頼編)にも、松永貞徳の句として、「かくし置く我が年やたたあらはれん 本卦とりこそ口たたきなれ」とあります。ここでの「口たたき」は、黙っていればよいことまで口に出す、口数の多い人を指しています。「口叩き」が、人の話しぶりをやや否定的に表す言葉として定着していたことが分かります。

さらに、『誹風柳多留(はいふうやなぎだる)』六篇(1771年・江戸時代中期、呉陵軒可有編)には、「口ッぱたき」という形が出てきます。「口っぱたき」は、「口叩き」の音を強めた言い方で、おしゃべりな人をののしる意味でも用いられました。口数の多さを好ましくない性質としてとらえる言い方が、庶民の言葉の中にも広がっていたことを示しています。

一方、「手」は、体の一部を指すだけでなく、古くから仕事や作業、仕事をする力を表してきました。「手が足りない」といえば、働き手が不足していることを表し、「手に職をもつ」といえば、仕事の技術を身につけていることを表します。このことわざの「手足らず」も、文字どおり手の数が少ないという意味ではなく、仕事ぶりや働きが十分でないことを表しています。

こうして、「よくしゃべる人」を表す「口叩き」と、仕事の力が足りないことを表す「手足らず」とが結び付き、「口叩きの手足らず」という形になりました。「口」と「手」、「多い」と「足りない」という反対の関係が、一つの短い表現の中に組み込まれています。口数の多さそのものを責めるのではなく、言葉の立派さに実際の仕事が追いついていないことを戒める点が、このことわざの要です。

そのため、よく説明したり、自信ありげに意見を述べたりする人であっても、実際に任せると仕事を進められない場合に用います。単なるおしゃべり好きではなく、言葉と実行力との間に大きな差がある人を指す言葉です。また、相手を強く非難する響きをもつため、本人に直接言うときには注意が必要です。

「口叩きの手足らず」の使い方

健太
工作係の大地くん、立派なロボットを作る方法をずっと説明しているね。
ともこ
でも、まだ段ボールを一枚も切っていないよ。私たちはもう胴体まで作ったのに……。
健太
あれでは口叩きの手足らずだね。話すだけでなく、一緒に手を動かしてほしいな。
ともこ
そうだね!大地くんに、まずロボットの腕を作ってもらおう。
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「口叩きの手足らず」の例文

例文
  • 彼は作業の手順を得意げに語るが、実際には何も進められず、口叩きの手足らずと評された。
  • 口叩きの手足らずにならないよう、意見を述べた者が率先して片づけを始めた。
  • 兄は料理について詳しく語るものの、包丁さえ握ろうとせず、まさに口叩きの手足らずだ。
  • 計画の壮大さばかりを強調して成果を出さない責任者は、口叩きの手足らずとの批判を受けた。
  • 友人は文化祭の飾りつけに注文をつけるだけで働かず、口叩きの手足らずだと思われてしまった。
  • 口叩きの手足らずと見られないためには、言葉だけでなく行動によって実力を示す必要がある。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・日本漢字能力検定協会編『漢検 漢字辞典 第二版』日本漢字能力検定協会、2014年。
・イエズス会『邦訳 日葡辞書』土井忠生・森田武・長南実編訳、岩波書店、1980年。
・松江重頼編『犬子集』1633年。
・呉陵軒可有編『誹風柳多留 六篇』1771年。
・Guy Miège, A New Dictionary French and English, with Another English and French, Thomas Basset, 1677.





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