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【昨日の淵は今日の瀬】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語)

昨日の淵は今日の瀬

【ことわざ】
昨日の淵は今日の瀬

【読み方】
きのうのふちはきょうのせ

【意味】
昨日まで深い淵であった所が、今日は浅い瀬になるように、世の中や人の身の上が変わりやすく、定まらないことのたとえ。

ことわざ博士
「昨日の淵は今日の瀬」は、安定しているように思えた状態が、短い間に大きく変わることを表すんだよ。
助手ねこ
個人の浮き沈み、会社や社会の盛衰、人間関係や状況の急な変化をいう場面で用いるニャン。

【類義語】
・明日は淵瀬(あすはふちせ)
・飛鳥川の淵瀬(あすかがわのふちせ)
・昨日の花は今日の夢(きのうのはなはきょうのゆめ)
・朝には紅顔ありて夕べには白骨となる(あしたにはこうがんありてゆうべにははっこつとなる)

【対義語】
・千古不易(せんこふえき)
・万古不易(ばんこふえき)

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「昨日の淵は今日の瀬」の語源・由来

ことわざを深掘り

「昨日の淵は今日の瀬」は、川の深い所である「淵」が、流れの変化によって浅い「瀬」になる様子をもとにしたことわざです。「淵瀬」は、もともと水の深い所と浅い所を表し、のちに、世の中や人事が絶えず移り変わることも表すようになりました。

このことわざのもとには、『古今和歌集(こきんわかしゅう)』(905〜914年・平安時代前期成立)の雑下に収められた、よみ人しらずの和歌があります。歌は「世中はなにかつねなるあすかがはきのふのふちぞけふはせになる」とあり、世の中に変わらないものがあるだろうか、飛鳥川でも昨日の淵が今日は瀬になる、という意味を表しています。

『古今和歌集』は、醍醐天皇の命を受け、紀貫之・紀友則・凡河内躬恒・壬生忠岑の四人が選んだ、日本最初の勅撰和歌集です。全二十巻、約千百首を収め、平安時代の和歌の形を後の時代へ大きく伝えました。

歌に出てくる飛鳥川(あすかがわ)は、奈良県を流れる川です。この川の流れが変わり、昨日は深かった場所が今日は浅くなるという自然の姿を、人の世の移り変わりに重ねています。

この和歌では、ただ川の様子を述べているだけではありません。川の淵と瀬が変わることを通して、身の上、社会の立場、富や名誉、人の心なども、同じ姿のままではいられないことを表しています。

やがて、この和歌から「明日は淵瀬」という言い方も生まれました。これは、人の身の上が明日どうなるか分からないこと、将来がどう変わるか分からないことを表す言葉です。

また、「飛鳥川の淵瀬」という近い表現も使われました。『徒然草』(1331年ごろ・鎌倉時代後期成立、兼好著)には「飛鳥川の淵瀬常ならぬ世」という形の古い用例があり、飛鳥川と淵瀬の組み合わせが、変わりやすい世の中を表す言い方として受け継がれていたことが分かります。

「淵瀬」という言葉だけでも、後には「世の中や人事が絶え間なく移り変わって定まらないこと」を表すようになりました。川の深い所と浅い所という具体的な意味から、人の世の変化をいう抽象的な意味へ広がったのです。

「昨日の淵は今日の瀬」は、その流れの中で、古い和歌の一節をことわざとして言いやすく整えた表現です。昨日と今日を対比することで、変化の速さをはっきり示し、今ある状態がいつまでも続くとは限らないことを伝えています。

現在では、自然の川の変化をいうよりも、人生や社会の浮き沈みをいうことが多くなっています。成功していた人が苦境に立ったり、安定していた会社や町が急に変わったりする場面で、世の中の定めなさを静かに表すことわざとして使われます。

「昨日の淵は今日の瀬」の使い方

健太
駅前の大きな本屋さん、去年はいつも人がいっぱいだったのに、来月で閉店するんだって!
ともこ
びっくりした。新しい店ができてから、お客さんの流れが変わったのかな。
健太
昨日の淵は今日の瀬だね。ずっと人気が続くと思っていた場所でも、急に変わるんだ。
ともこ
うん。だから、今あるものを大切にしながら、変化にも気づいていきたいね!
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「昨日の淵は今日の瀬」の例文

例文
  • 長く栄えていた商店街が急に人通りを失い、昨日の淵は今日の瀬という言葉が思い浮かんだ。
  • 人気のあった選手がケガで出場できなくなり、昨日の淵は今日の瀬の厳しさを知った。
  • 安定していた会社が新しい技術に対応できず、昨日の淵は今日の瀬となった。
  • 昨日の淵は今日の瀬というように、社会の流れは思いがけない速さで変わる。
  • 祖父は、町のにぎわいが移っていく様子を見て、昨日の淵は今日の瀬だとつぶやいた。
  • 昨日の淵は今日の瀬を忘れず、うまくいっている時ほど次の変化に備えるべきだ。

主な参考文献

・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・『古今和歌集』905〜914年。
・兼好『徒然草』1331年ごろ。





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