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猫のことわざ・慣用句一覧(意味付き)

猫のことわざ・慣用句

猫は日本の文化や歴史に深く根ざした動物であり、その魅力や神秘性から様々なことわざや慣用句が生まれてきました。日本の猫に関することわざや慣用句は、その言葉の中に日本独自の感性や価値観が息づいており、人々の暮らしや考え方に大きな影響を与えています。

本記事では、日本の猫にまつわることわざや慣用句を紹介し、それぞれの言葉が持つ意味や背景について解説していきます。「猫に小判」、「猫の手も借りたい」、「猫の額」など、様々な猫を題材にした表現が日本語には存在し、それらが示す教訓や智慧を通じて、日本文化の豊かさや独自性を感じることができます。

さあ、日本の猫にまつわることわざや慣用句の世界に触れてみましょう。これらの言葉が、私たちに日常生活の中での新たな視点や考え方を提供し、猫と人間が共に築いてきた歴史や関係性について考えるきっかけとなることでしょう。本記事が、あなたの知識の幅を広げるとともに、日本独自の文化や価値観に触れる機会となりますように。

犬のことわざは、「犬のことわざ一覧」をご覧ください。

猫や犬以外にも、様々な動物のことわざに関しては、「動物のことわざ一覧」をご覧ください。

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「あ行」の猫のことわざ・慣用句

あきあめればねこかお三尺さんじゃくになる

秋は晴れた日よりも、雨が降った日の方が気温が高いので猫の顔も長くして喜ぶという意味。


ってもくてもねこ尻尾しっぽ

有っても無くてもいいもののこと。


後足で砂をかける

今までお世話になった方や恩がある方に、最後の方で裏切った上に、大変な迷惑や被害ををかけて去ることをたとえている。

犬や猫は、排便後に自分の便に砂をかける習性があります。これは、野生時代の名残で、猫は敵に居場所を悟られないように自分の匂いをかき消し、犬は縄張りを示すために自分の足の匂いを土につけるためです。

犬と猫

仲が悪く、相性や間柄が悪いたとえ。


いぬ念仏ねんぶつねこきょう

どんなに立派な教えも、それを理解できない者に言い聞かせたところで、無意味であることのたとえ。犬に念仏を唱えたり、ネコにお経を聞かせたりしても、ありがたみも分からないし何の効果もないことから。


犬猫いぬねこにも馴染なじめばおも

恩知らずな人を戒める語。犬や猫でも、なついて主人のことを思うようになるし、飼い主にも愛情がわくという意味。


犬猫いぬねこ三日扶持みっかふちすればおんわすれず

犬や猫でも三日可愛がって飼えば、 主人を思うようになり、その恩を忘れない。まして人間は恩知らずになってはいけない、 恩を受けた人には感謝の気持ちを忘れてはいけない、という教え。


いぬ三日みっかおん三年忘さんねんわすれず、ねこ三年さんねんおん三日みっかわすれる

犬と猫が人の恩を記憶する能力の違いを言ったことわざ。


いぬひとねこいえ

犬は家人になつき、引っ越しにもついて行くが、猫は人よりも家の建物・場所になじむという意味。犬と猫の違いを表した言葉で、犬は飼い主である人間から受けた恩を一生忘れないというたとえ。

猫は独立心が強い動物です。人間が恩を売っても、猫はあまり興味を示さず、しかし、愛情を与えれば、それなりに応えてくれます。

うおねこあずける

油断ができず危険であること。また、過ちを犯しやすいことのたとえ


男猫が子を生む

決して起こらないこと、あり得ないことのたとえ。


おんなこころねこ

女性の心理は、猫の目のように変化しやすいというたとえ。

フランスでは、女性の考え方が月の満ち欠けに似ていると例えられています。「月が変わるように女性の考え方も変わる」という意味です。猫の目も夜空の月も、毬(まり)のように丸く、または針のように細くなるなど、大きく変化するため、このような例えが使われます。

おんなこしねこはなはいつもつめたい

猫の鼻先は湿っているため、また、女性のお尻も皮下脂肪のせいで、ほぼ1年中冷たいということ。


女の寒いと猫のひだるいは手のわざ

世間一般に女性が寒がるのと、猫が空腹であるかのような素振りを見せるのは普段どおりだということ。


女の尻と猫の鼻は土用三日暖どようみっかあたたかい

猫の鼻はその一番暑い時期に3日間だけ熱くなるほかは 一年中冷たい。あるいは、いつも冷たい猫の鼻でも、土用三日の本当に暑い時は さすがに暖かい、の意。

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「か行」の猫のことわざ・慣用句

風が吹けば桶屋が儲かる

ある事が起きるとそれが原因となり、巡り巡って全く関係ない所に影響が及ぶ長い長い因果関係を意味しています。また現代では、論理の飛躍・こじつけを意味することから、当てにならない事を期待する時にも使われます。

風で砂埃が立つ→砂埃で失明する人が増える→失明した人は三味線で生計を立てる→三味線が売れるので猫皮がもっと必要になる→猫がたくさん殺される→ネズミが増える→ネズミは桶をかじる→桶が売れるので儲かる、と現代ではこのように説明されます。

火中の栗を拾う

自分ではなく他人の利益のために、そそのかされ危険をおかし、酷い目にあうことのたとえ。

火中の栗を拾うの語源になったといわれているのが、十七世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌによるフランスの寓話「猿と猫」(Le singe et le chat)。『イソップ物語』をもとにした童話だといわれている。内容としては、一匹の猿と猫が暖炉の前で栗が焼けるのを見ていた。猿は猫をそそのかし、猫に暖炉の中の栗を取らせた。猫はひどい火傷を負った上に、火傷をしながら取った栗は猿に食べられてしまったという猫が踏んだり蹴ったりな話。

鰹節かつおぶしを猫に預ける

猫のそばに大好物の鰹節をおけばいつ食べられるかわからない。そこから、すこしも油断できないたとえ。また、過ちが起こりやすいことのたとえ。


叶わぬ恋に心を尽くすより犬猫を飼え

叶わぬ恋にいろいろ思い悩んで心をわずらうより、飼い主の愛情に応えてくれる犬や猫を飼った方がましであるということ。


借りてきた猫

普段の姿とは打って変わり、非常におとなしい様を指している。

ねずみが家に住み着き家の中を荒らすため、ネズミの天敵である猫を借りてくるが、普段から警戒心の強い猫は自分の縄張り以外のところに連れてこられた事で縮こまり、全然役に立たなかったという姿を指してたとえられたと言われている。

窮鼠猫きゅうそねこ

どんなに弱い者でも、絶体絶命の窮地に追い詰められれば、強い者に逆襲することがあるという事。弱い物を侮ってはいけないと言う事。また、逃げ場のないところに人を追いつめてはいけないと言う事。


暗闇では猫はみな灰色

暗闇では、人々の顔の特徴が見えづらくなるため、美醜を判断することができないということ。

イギリス、フランス、ロシアに伝わることわざ。スペインでは茶色。

クリームで窒息させる以外にも猫を殺す方法はいろいろある

何かを達成するためには、方法は一つだけでなく、たくさんあるということ。

イギリスのことわざ。

傾城には猫がなる

猫は前世で遊女だったという意味。

遊女たちは、猫の皮で作られた三味線を使って踊ったり、振る舞い方が猫に似ていたことから、猫の生まれ変わり、あるいは猫に生まれ変わるとの俗説が生じたとされる。

結構毛だらけ猫灰だらけ

地口といわれる江戸時代の洒落で「大変結構」を意味する言葉遊びのこと。「け」の音と「だらけ」で語呂を合わせている。

猫と灰は、冬の間中火鉢の近くにいることが多いため関連づけられている。

好奇心は猫をも殺す

他人の私事に首を突っ込みすぎると、自分自身が損をするということ。度を越した好奇心は、命を九つ持つ猫でさえ死に至らしめる。


小姑一人は猫千匹

結婚している人にとって配偶者の兄弟姉妹は、猫が千匹いるのと同じくらい非常にうるさく、面倒で厄介な存在であるということ。


子供も猫よりまし

幼い子供など、頼りなく役に立ちそうにないが、 猫よりは良い、というたとえ。

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「さ行」の猫のことわざ・慣用句

酒の席にはちんねこばばあ

陽気であるべき酒を飲む席には、 狆や猫、老婆といった華やかさに欠ける者は似つかわしくないということ。


めた猫がとが

大きな犯罪を犯した人間が処罰されず、関係した小物ばかりが刑罰を食うことにたとえる。皿にあった魚を取った猫はまんまと逃げおおせ、皿をなめた猫だけが罪をしょいこむところからいう。


三年になる鼠を今年生まれの猫の子が捕らえる

すぐれた人物は、幼いときから非凡な才能を発揮すること。また、大の大人が子供にしてやられることのたとえ。


上手じょうずの猫が爪を隠す

本当に能力のある者は、それをひけらかすようなことはしないたとえ。


知らぬかんぴょう猫の糞

何かを知っているにもかかわらず、知らないふりをすること、あるいは知らないふりをして関わらないこと。


心配は猫をも殺す

心配しすぎることは良くないという戒め。心配や気苦労など、気掛かりなことがたくさんあると、命をも九つ持つ猫でさえ死ぬことがあるのに、人間ならばなおさら寿命を縮めるということ。


すずめの上のたか、猫の下のねずみ

危険が近くに迫っていること。また、下位の者には強くても上位の者にはかなわないこと。


節季師走せっきしわすには猫の手も借りたい

盆暮れなどの多忙な時には、どんな手伝いでもほしいと言う事。節季は勘定期のこと。

「た行」の猫のことわざ・慣用句

たくらだ猫のとなり歩き

自分の家の用は何もしないで、他人の家の用ばかり手伝うことのたとえ。「たくらだ」はじゃこう鹿に似た獣。じゃこう鹿を狩りにきた猟師が、飛び出してきたたくらだを誤って狩ったことから、自分に無関係なことで死んだり傷ついたりする者のこと。転じて、愚か者・まぬけのことをいう。

飼っている猫が自宅の鼠をとらずに、隣近所をあちこち歩き回ってよその鼠を捕って遊ぶ、愚かな猫であるということから。

唾万病の薬

唾液が傷に効く薬になるという俗説。


手袋をはめた猫は鼠は取らぬ

仕事は真剣に取り組まなければ達成できないというたとえ。その場限りの無責任な心構えでは成果を得られず、世間体を気にして見えを張っていては仕事ができないということ。


虎をえがきて猫にるい

勇猛な虎の絵を描こうとしたのに、猫や犬のような絵になってしまったの意から、豪快で男気のある人物を目指して、かえって軽薄な人間になることのたとえ。また、素質の無い者が、優れた人物の真似をして失敗するたとえ。

「な行」の猫のことわざ・慣用句

鳴かない猫は鼠を捕る

実力のある優れた人ほど、自分の能力を大きくアピールしたりせず、静かに実行するというたとえ。


ねこねずみらぬ

ペラペラとよく喋るものに限って、口先だけで実行に移さないという意味。


猫足

①猫のように音を立てないで歩くこと。また、その歩き方。
②膳 (ぜん) や机などの脚で、上部がふくらみ、中ほどがやや細くなり、下部が丸くなっていて、猫の足の形に似たもの。


猫が顔を洗うと雨

昔からよくいわれる俗説。手招きしているようにも見えることから「顔を洗うと客が来る」との説もある。


猫が胡桃を回すよう

猫が胡桃をもて遊ぶように回して遊ぶ様子から、じゃれることやちょっかいを出すことのたとえ。


猫が肥えれば鰹節かつおぶしせる

鰹節を食べて猫が太るにつれ、食べられた鰹節は削られて細くなっていくという意味から、片方が得をすれば片方は損をするということ。一方にとって良いときは、他方にとっては悪いときだということ。


猫が騒ぐと嵐または雨

猫が一堂に会して屋外でやかましく騒ぐのは、嵐や雨の前触れだという俗説。


猫が手水ちょうずを使う

猫が自分の顔を拭う様子から、手のひらですくった水で、軽くひとなですることで簡単に洗う方法。申し訳程度に形だけ顔を洗う様子。


猫が出たがるときには地震がおこる

猫が家から出たがるときには、地震が起こる前触れという俗説。


猫が鼠を捕るようなもの

実行することがたいそう簡単なことのたとえ。あるいは、力量や能力の差が大きいこと。


猫がばばを踏む

悪いことをして、隠したまま知らん顔をしていること。 猫が糞をしたあとに足で砂をかけて隠すようすから。


猫かわいがり

まるで猫をひたすらかわいがるように、わがままに甘えさせること。客観的な目を失ってしまうほどに、圧倒的な愛情を注ぐことを意味する。


猫被り

本性を隠して、おとなしそうなふりをすること。また、知っていて知らないふりをすること。また、そういう人。


猫舌

猫が熱いものを嫌うことから、熱いものを食べたり飲んだりすることができないこと。あるいは熱いものを飲食することが苦手な人をいう。


猫背

猫のように、背中が丸くなっている姿勢や体格のたとえ。


猫背は早いうちに矯正されねばならない

幼い頃に悪い習慣を正さなかった場合、大人になってからでは手に負えなくなるということ。


猫と庄屋しょうやに取らぬはない

猫はネズミや魚などが目の前にあれば必ず取るものだし、庄屋も機会があれば必ず袖の下をとるものだということ。 賄賂に手を出す役人を皮肉って言う。


猫撫ねこなで声

猫が人になでられたときに発するような、きげんを取るためのやさしくこびる声。


猫撫で声に油断をするな

猫撫で声を出すような人は、 何か下心を持っている場合が多いから、 油断してはいけないといういましめ。 「猫撫で声」とは、猫を撫でる時のように、 優しく甘い声を出すこと。 相手を懐かせようとするときの声。


猫に会った鼠

猫の前のネズミのように、逃げることも戦うこともできず、絶体絶命といった様子。また、苦手な相手や圧倒されるような人物の前で、萎縮してしまうこと。


猫に石仏いしぼとけ

人間には有難い石仏でも、猫にはわからない。 ありがたいものを見せても効果や反応を示さないこと。貴重な物を持っていても、その価値の分からない人にとっては なんの役にもたたないこと。


猫に追われた鼠

猫の前のネズミのように、逃げることも戦うこともできず、絶体絶命といった様子。また、苦手な相手や圧倒されるような人物の前で、萎縮してしまうこと。


猫に鰹節

①過ちが起きやすい状態であること。
②危険な状況、安心できない状況、信用できない状況にあること。


猫に鰹節の番

猫のそばに大好物の鰹節や魚を置いては、いつとられても不思議ではない。 過ちが起きやすい状態をつくることのたとえ。また、危険で油断がならないたとえ。


猫にかん

猫は頭に紙の袋をかぶせられると、それを取ろうとして後ろの方へどんどん下がることから、後ずさりする格好のこと。また、尻込みすることのたとえ。


猫に九生きゅうしょう有り

猫には沢山の命があって、9回も生まれ変わることができる という迷信があることから、 猫は執念深くなかなか死なないとか、 猫は殺しても何度でも生き返るぞ、という西洋の諺。


猫に小判こばん

どれほど貴重なもの・高価なもの・価値のあるものでも、持ち主がそれを知らなければ何の値打ちもないことを意味します。すばらしいものを見せても、効果や反応がない事を意味することもあります。


猫に念仏、馬に銭

少しも有難がらずに、何も感じない様をいう。


猫に木天蓼またたび

猫は木天蓼が最高の好物であることから、大好物、または効果があることのたとえ。「木天蓼」はマタタビ科のつる性植物。「猫に木天蓼お女郎に小判」「猫に木天蓼泣く子に乳房」とも続ける。


猫に木天蓼またたび女郎じょろう小判こばん

大好物のたとえ。また、非常に効き目があることのたとえ。


猫にもなれば虎にもなる

同じ人が、時と場合により、または相手の態度によって、おとなしくもなれば、凶暴にもなること。


猫の遊びは鼠の死

軽い気持ちでおもしろ半分に人を困らせたり迷惑をかけること。猫にとってはただの冗談でも、鼠にとっては死活問題であり、苦しめることになるため注意が必要。このことわざは、エチオピア、ドイツ、ポルトガル語圏、ジプシーなどの地域で広く伝わっているものです。


猫の居るのは屋根の上鳥の居るのは木の上

物事にはそれぞれふさわしい場所があるというたとえ。


猫のうお辞退じたい

猫が大好物の魚をことわること。 長続きしないこと、また、内心は望んでいながら、うわべだけことわることのたとえ。


猫の顔も三度

相手が大人しくしているからといって、つけ上がってはいけないということ。


猫の寒恋かんご

寒がりの猫でさえ、真夏の暑い盛りには寒い季節を恋しがると言うこと。寒がりの人でも、暑い夏には冬が恋しいということのたとえ。


猫の首に鈴をつける

猫に仲間を捕られる鼠たちが集まって相談し、猫の首に鈴をつけることにしたが、実行できる鼠はいなかったという西洋の寓話から、いざ実行となると、引き受け手のない至難なことのたとえ。


猫の子一匹いない

全く人影のないようす。子猫の一匹でもいればまだいいものの、それすらいないということ。


猫の子のもらいがけ嫁の取りがけ

もらったばかりの猫の子はみんなから可愛がられるものだし、嫁も家に来てすぐの間は家族全員から大切にされるものだと言うこと。どちらも初めのうちだけは珍しがられ大切にされるが、やがて粗末に扱われるようになると言うこと。


猫の子もただもらえぬ

何を貰うときも、無料で貰うことはできない、必ず謝礼が必要だ、ということ。


猫の子を貰うよう

猫の子をもらうときのように、縁組みが手軽に行われるようす。


猫の尻尾

なくても困らないし、あったところで役に立たない、どちらでもいいもののたとえ。末っ子などのことをいう言葉。


猫の尻へ才槌

大きさや規模が合っていなかったり、バランスが悪かったりすること。また、不釣り合いで大げさな様子も指すことがある。猫の尻を叩くのに才槌ではそぐわないということから。


猫の面へ縫い上げ

不細工のこと。くしゃみをするちんの顔に似ているため「ちんくしゃ」ともいわれる。


猫の手も借りたい

とても忙しいので、誰でも良いから手伝って欲しいという意味です。


猫の鼠をうかがうよう

猫がネズミをねらうときのように、 獲物に鋭い目を向け、逃がすまいと身構えている様子。


猫の鼻先はなさきの物をねずみが狙う

猫の目の前にある物を鼠が取るのは命がけである。非常な危険を犯すたとえ。また、不可能なことをしたり、大それた望みを持ったりするたとえ。


猫の鼻と女の尻は大暑三日の外は冷たい

一年を通してずっと冷たいというたとえ。猫の鼻は湿って常に冷たく、女性は皮下脂肪のためお尻が冷たいことから。


猫の歯にのみ

猫が自分の毛についている蚤(ノミ)を歯でとろうとしても、なかなかとれない。つまり、不確実で、めったなことで成功しないことをさす。


猫のひたい

土地や場所の面積がとても狭い事。猫の額が狭いことから。


猫の額にある物を鼠がうかが

自分の実力を考えず、大それたこと、無謀なことをしようとすることのたとえ。猫のそばにある物を、鼠がねらって様子を窺うという意から。


猫の前の鼠

恐ろしさのあまり、身がすくんで動けないようすのたとえ。


猫の前の鼠の昼寝

目の前に猫がいる事に気つかず、ネズミがノンキに昼寝をしている。我が身に危険が迫っている事を知らずにいることのたとえ。


猫の目

物事がよく変わること。物事の移り変わりが激しいことのたとえ。


猫の飯もこわし柔らかし

日々繰り返し行う慣れた行動でも、想像通りの結果にならないということ。したがって猫の飯はもとより、世間の事情が自分の考えどおりにいかないのも、もっともであるということ。


猫のように足から落ちる

どんな困難や苦難に直面しても、うまく対処して乗り越える様子のたとえ。スペイン、ポルトガルなどに伝わることわざ。


猫の留守は鼠の

強い立場にいる人や監視役がいない場合、弱い立場にある人が自由に振る舞い、権力を行使すること。つまり、猫が留守にすると、鼠が出てきて自由に動き回ることができるように、強い立場にある人がいなくなると、弱い立場にある人が権力を行使して無遠慮に振る舞うことがあるということ。


猫馬鹿坊主

上座に無闇に座ることを戒めるために使われる。家の主の近くに座るのは、飼い猫やばか者、そしてお坊さんくらいであるということから、「上座」という仏教用語に関連付けられている。

上位の人物が座るべき場所に、自分の地位や立場に相応しくない人が座ってしまうことを戒める言葉として使われる。

猫は傾城けいせいの生まれ変わり

ここでいう「傾城」とは遊女のこと。猫の前世は遊女だという意。客に対する遊女のしぐさがどことなく猫に似ていることや、遊女たちが猫の皮でつくった三味線で踊ったことなどから、遊女は猫の生まれ変わり、または遊女は猫に生まれ変わるという俗説が生まれたという。


猫は魚を食べたいのに手を濡らしたがらない

手に入れたいものや叶えたいことがあるにもかかわらず、自分で努力して手に入れようとしない人のたとえ。猫が魚を食べたいと思っていても、手を濡らしたくないために自分で獲得しようとしないことから、このような表現がされている。

自分で努力せずに手に入れたいものを手に入れようとしない人を批判する言葉として使われ、イギリスなどの地域で広く伝わっている。

猫は三年の恩を三日で忘れる

猫は恩を忘れる傾向があるということ。犬は飼い主に従順であり、三日前に飼い主から受けた恩を三年たっても忘れずに覚えていると言われているが、猫は恩知らずであるとされている。

犬に比べて猫は恩を忘れる傾向があるという意味で、このことわざは、猫の性格や特徴を表現する言葉として使われる。

猫は小さくても鼠を捕る

慣れた作業であれば、まだ幼く未熟に見えても、きちんと成し遂げられるということ。


猫は長者ちょうじゃの生まれ変わり

何不自由なくのんびり寝て暮らす猫は、前世はお金持ちだったのだろうという意味。


猫は土用どように三日はなあつ

猫の鼻は一番暑い土用の時期に3日間だけ熱くなるだけで一年中冷たく湿っているという意味。


猫は虎の心を知らず

つまらない人間には、大人物の心の中はわからないということのたとえ。


猫糞ねこばばを決め込む

悪い事をしても、知らん顔を決め込むという意味です。
人の物を隠して、自分の物にしてしまうという意味もあります。


猫は禿げても猫

たとえ毛が抜け落ちたところで、 猫が猫であることに変わりはないということから、 世の中には、意外なことや、突拍子もないことは 起こらないものだというたとえ。


猫跨ねこまた

《魚の好きな猫でもまたいで通り過ぎる意から》味のよくない魚。


猫は三月を一年とす

人間の三か月が猫にとっては一年に相当するという意味で、猫があっという間に成長することを表現している。また、このことわざは、時間を有効に使わなければならないという教訓を含んでいる。猫は一年を三ヶ月で過ごすため、日々の生活を無駄に過ごすことなく、有意義に過ごす必要があるということ。

「猫は三月を一年とする」とは、時間を無駄に過ごすことなく、毎日を大切に過ごすことが重要であるということわざとして使われる。

猫はミルクを見て、棒で打たれる事を考えない

目の前の利益にしか目を向けない欲深い人が、その行動によって起こる悪い結果を考えずに行動すること。

猫はミルクを欲しがるが、棒で打たれることを考えずに手を出すため、このことわざは、欲深い人が自分の欲求に忠実に従って行動すると、悪い結果が待ち受けていることを戒めている。インドのことわざ。

猫は目を閉じてクリームを盗む

後ろめたいとわかっていながら考えなようにして、それでも悪事を働くこと。自分の行いについてわかっているにもかかわらず、そのことを見ないふりをして悪事を働くことを示唆している。また、このことわざは、自分自身をだましても何の効果もない、あるいは罪を隠そうとしたり、ごまかそうとしたりすることで、かえって自分自身を不利にすることがあるということを示している。


猫も食わない

食べ物がすこぶるまずい様子。


猫も杓子しゃくし

なにもかも。だれもかれも。


猫も茶を飲む

地位や身分と釣り合いのとれない、偉そうなことをする様子のたとえ。

猫が普段飲まない茶を飲むことから、偉そうな振る舞いをする人に対して、猫ですらやらないことをするなという意味を表現している。

猫もまたいで通る

魚が何より大好物の猫でさえ、振り向こうともしない魚ということで、生きの悪い魚、味の悪い魚、腐った魚、骨だけの魚などをいう。


猫を追うより魚をけよ

問題が発生したら、その場しのぎの事をせず、根本から正すべきという意味です。


猫を追うより皿を引け

その場のがれより、根本を正すことが大事だというたとえ。皿をねらっている猫を追い払うより、皿を片付けるほうがいいということから。


猫を被る

もともとの性質を隠して、人の前ではおとなしそうにふるまう。


猫を殺せば七代祟しちだいたた

猫は執念深い魔性の動物であり、殺すと子々孫々までたたるという俗説。


ねずみきゅうして猫を噛み、人貧ひとまずしゅうしてぬすみす

追いつめられた鼠が進退窮まって猫に噛みつくように、人も貧しさにどうしても耐えられなくなると盗みをはたらくようになる。


鼠捕ねずみとらずがけ歩く

「鼠捕らず」は、鼠を捕まえない猫のこと。 転じて、役に立たないもののこと。 ろくな働きをしない者が忙しそうに走り回るたとえ。 また、つまらない者に限って物事をするときに大騒ぎするものだということ。


鼠とらぬ猫

あっても少しの役にも立たないことのたとえ。


鼠捕る猫は爪を隠す

すぐれた才能や力のある者は、平素それをむやみに人にひけらかしたりしないというたとえ。


鼠無きをもって捕らざるの猫を養うべからず

ネズミがいないからといって、飼い猫は ネズミを捕れないような駄猫でもよいというわけにはいかない、ということから 、能力のない者、役に立たない者は養っておけないというたとえ。


寝そべる猫の口に鼠は入らず

何かを手に入れるためには、真剣に努力し、行動する必要があるということ。

猫が寝そべっているだけでは、鼠を捕まえることができず、同様に怠け者が何もせずに何かを手に入れることはできないということを指摘している。エストニアやフィンランドに伝わることわざ。

熱湯で火傷した猫は冷水を恐れる

過去に失敗した経験から、あまりにも用心深く、過剰な注意を払うこと。

猫が熱湯で火傷をしてしまったため、その後は冷たい水を怖がるようになることから、人間も同じように、過去の経験から恐怖心を抱くことがあるということを示唆している。また、このことわざは、あまりにも用心深い行動をとる人に対して、その過剰な注意を揶揄する言葉としても使われる。アラビア語では、「蛇に噛まれた猫は綱までも恐れる」という類似のことわざがある。

眠った猫を起こすな

無用なおせっかいや余計な手出しをすることが、問題を引き起こすことになること。

猫が眠っているときに無理やり起こすと、不快感を与えるだけでなく、猫が怒って攻撃してくることもある。同様に、何も問題のない状況に手を出して余計なことをすると、問題を引き起こしてしまうことがあるということを指摘していることわざ。
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「は行」の猫のことわざ・慣用句

豚に念仏猫に経

どんなに立派な教えも、それを理解できない者に言い聞かせたところで、何の意味もなさないという事。無駄だという事。


冬の雨が三日降れば猫の顔が三尺さんじゃく伸びる

雨の日は比較的暖かなので、肌寒い秋の日や、寒いはずの冬の日でも雨が三日降り続けば猫の顔も三尺も伸びるほど喜ぶということ。

「ま行」の猫のことわざ・慣用句

招き猫

招き猫は、片方の前足を上げて手招きするような仕草をした猫の形をした置物。猫は元々、鼠を捕って蚕を守るための実用的な存在であり、養蚕業の縁起物とされていた。しかし、養蚕業の衰退とともに、招き猫は商売繁盛の縁起物として広く知られるようになった。招き猫は、特に商売繁盛や成功を祈るために、店舗やオフィスなどで飾られることが多い。

「や行」の猫のことわざ・慣用句

山猫スト

正式な手続きを経ずに労働組合員がストライキを行うこと。1830年代のアメリカ、ミシガン州で破産した銀行の通帳に、山猫あるいはヒョウの絵が描かれていたことに由来する。

「ら行」の猫のことわざ・慣用句

りょうある猫は爪を隠す

すぐれた才能や力量を持つ者は、謙虚であり、むやみにそれを人に誇示したりはしないものだというたとえ。


猟よし猫爪をかくす

すぐれた才能や力量を持つ者は、謙虚であり、むやみにそれを人に誇示したりはしないものだというたとえ。




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