この記事では、動物の名前が入っていることわざ・慣用句を意味付きで掲載しました。
また、それぞれのことわざの上の⭐️印は知っておきたいことわざの重要度を表しています。
子供や小学生向け よく使われるから知っておこう 一応、知っておこうあなたが知っている動物のことわざ・慣用句はいくつありますか?
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目次
「馬」のことわざ・慣用句
生き馬の目を抜く
生きている馬の目を抜き取るほど、すばやく物事をする。油断のならないさま。
死馬の骨を買う
とりあえず手はじめに平凡な人を優遇しておくと、それを伝え聞いた優秀な人がおのずと集まってくるということ。
牛は牛連れ、馬は馬連れ
同類や似た者同士は自然と集まりやすいという事。また、似た者同士で物事を行えば、調和が取れて上手くいくという事。
馬が合う
相手と気持ちが通じ合う。
馬には乗ってみよ人には添うてみよ
馬のよしあしは乗ってみなければわからず、人柄のよしあしはつきあってみなければわからない。何事も自分で直接経験してみよということ。
馬の耳に念仏
いくら人が意見をしても忠告をしても全く耳を貸さないため、全く効果がない事。
老いたる馬は道を忘れず
高齢者の知恵や経験はいかすべきだという事。経験豊かな人は、判断が適切である事。
騏驎も老いては駑馬に劣る
一日に千里を走るような名馬でも、年をとると足ののろい馬にさえ劣ってしまうという意味で、どんなに優れた人でも、年をとってしまうと働きがにぶくなり、ふつうの人にも及ばなくなるというたとえ。
内で掃除せぬ馬は外で毛を振る
家庭内でしつけをされていない子供は、外に出ると家での教育や躾(しつけ)の具合ががすぐに分かってしまうという事。また内輪だけの事と悪い習慣などを隠していても、外に出てやはり悪い癖が出るのですぐ広まってしまう事。
下馬評
城門などの下馬する場所で、主人を待っている供の者が将軍などの批判をしたことから、世間での評判をいう。
犬馬の労
人のために、犬や馬のように私心なく、ひたすら尽くして働くこと。へりくだって言うことば。
駒を進める
次の段階へ進み出る。
塞翁が馬
人生では何が幸せになるか、何が不幸せになるかわからない、人生の幸不幸は予測できないものだというたとえ。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ
大きな目標を達成するためには、周辺のものから手にいれることが先決だというたとえ。相手を説得するためには、相手が信頼している人を先に説得するべきだということ。
馬を崋山の陽に帰し、牛を桃林の野に放つ
戦争が終わり平和になるたとえ。再び戦争をしないたとえ。
馬を牛に乗り換える
馬を牛に乗り換えるとは、すぐれているほうを捨て、劣っているほうを取ることのたとえ。
尻馬に乗る
誰かが乗った馬の後方、尻の上あたりに便乗するように、他人の言うことや行うことに無批判に同調するたとえ。
馬を得て鞭を失う
一方を得た代わりに、一方を失うこと。また、目的のものは得たが、それを活用する手段がなくなることのたとえ。
天高く馬肥ゆる秋
秋は空が澄みわたって高く晴れ、馬は肥えてたくましくなるという意で、秋の好時節をいう。
何処の馬の骨
身元の確かでない者をののしっていう言葉。
馬脚を現す
隠していた正体や、悪事がバレることのたとえ。
牛も千里、馬も千里
早くても遅くても、もしくは上手でも下手でも、行き着く結果は同じだから慌てる必要はないという事。また得手不得手が合ったとしても、地道に努力を続ければ目標が達成できるという事。
瓢箪から駒が出る
思わぬところから、思わぬものが出てくるというたとえ。また、冗談半分のつもりだったことが、現実に起こること。
野次馬
自分に関係のないことに、興味本位で騒ぎ立て、見物すること。また、人のしりについて騒ぎ回ること。また、その人々。父馬。老いた牡馬。また、気性の強い馬。
夕立は馬の背を分ける
ある場所では夕立が降っているのに、ごく近い場所では晴れているという事。また夕立の降る範囲のきわめて狭いという事。
一言既に出ずれば駟馬も追い難し
いったん口から出たことばは取り返しがつかないから、ことばは慎(つつし)むべきだという戒(いまし)め。
一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う
いっぴきのうまがくるえばせんびきのうまもくるう
馬に乗るまでは牛に乗れ
高い地位に就く前には、一旦ひとまず低い地位に就いて実力をつけるべきだという事。また、最善策が取れないならば、次善の策を取るべきだという事。何もしないでいるよりも、少しでも前に進んだほうがよいという事。
馬に乗るとも口車に乗るな
うまい話や巧みな言葉にうっかり乗ると、ひどい目にあうから気をつけるべきだという事。都合のいい話には、用心すべきだと言う事。
荒馬の轡は前から
難解な問題に対面した時は、難しく考えずに堂々と正面からぶつかる気持ちで向かえばよいというたとえ。
「犬」のことわざ・慣用句
犬も食わない
だれもまともに相手にしない。
犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
三日飼ってもらった犬はその恩を三年間も覚えているということから、恩を忘れてしまいがちな人間への戒めに使うことば。
吠える犬は噛み付かぬ
噛み付く勇気のない犬ほど吠えることから、威勢のいい者に限って実力がないこと。
尾を振る犬は叩かれず
自己主張が少なく、素直で愛想の良い者は誰からでも愛されるということ。
犬猿の仲
犬と猿のように仲の悪いことのたとえ。
犬は人に付き猫は家に付く
犬は家人になつき、引っ越しにもついて行くが、猫は人よりも家の建物・場所になじむという意味。犬と猫の違いを表した言葉で、犬は飼い主である人間から受けた恩を一生忘れないというたとえ。
犬馬の労
人のために、犬や馬のように私心なく、ひたすら尽くして働くこと。へりくだって言うことば。
夫婦喧嘩は犬も食わない
夫婦喧嘩は、つまらない原因であったり、一時的なものであったりするから、他人が間に入って仲裁したり心配する必要がないという事。
羊頭を懸けて狗肉を売る
見せかけばかりがりっぱで、実質がともなわないことのたとえ。
喪家の狗
痩せて衰えていて、元気のない人のたとえ。
狡兎死して走狗烹らる
兎(うさぎ)が捕まって死んでしまえば、猟犬もいらなくなって煮て食われてしまう。必要なときにはよく使われるが、いらなくなると簡単に捨てられてしまうことのたとえ。
犬の遠吠え
臆病な人が、威張ったりかげで悪口をいったりすること。
犬も歩けば棒に当たる
1・じっとしていれば良いのに、出しゃばったばかりに思わぬ災難に遭う。
2・積極的に行動すると、思いがけず良い事がある。
犬が西向きゃ尾は東
疑う余地もないくらいに当たり前すぎるほど当たり前の事を、さらに強調して言った言葉です。
飼い犬に手を噛まれる
日頃から人一倍目をかけ、可愛がっていた人から、酷く裏切られたり、歯向かわれることのたとえである。
後足で砂をかける
今までお世話になった方や恩がある方に、最後の方で裏切った上に、大変な迷惑や被害ををかけて去ることをたとえている。犬や馬といった動物が走り去るときに、後ろ足で地面の土や砂を蹴り上げて行ってしまい、後に残ったのは汚れた地面だけといった様子から転じてきている。
犬に論語
わからないものに何をいっても、なんの効果もなく無駄なことのたとえ。
また、何の役にもたたないということ。どのように説いて聞かせても無駄なことのたとえ。
「牛」のことわざ・慣用句
牛耳を執る
ある団体や組織などの主導権を握る。
鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん
小さなことを処理するのに、大人物や大きな道具の必要はない。
角を矯めて牛を殺す
少しの欠点を直そうとして、その手段が度を過ぎ、かえって物事全体をだめにしてしまうこと。
鶏口となるも牛後となるなかれ
鶏の口になっても牛の尻にはなるなということで、大きな集団の中の下にいるよりも、小さな集団の先頭に立てといういましめ。人に従属するよりも独立したほうがよいとするたとえ。
九牛の一毛
多数のうち、きわめて少ない部分の事。また、たくさんの物事のうち比較にならないほどつまらない小さな事。些細な事。
牛を馬に乗り換える
劣ったものを捨て、より優れたものに乗り換える事。また、自分にとって不利な方から有利な方に切り替える事。移り変わる事。
牛は牛連れ、馬は馬連れ
同類や似た者同士は自然と集まりやすいという事。また、似た者同士で物事を行えば、調和が取れて上手くいくという事。
牛も千里、馬も千里
早くても遅くても、もしくは上手でも下手でも、行き着く結果は同じだから慌てる必要はないという事。また得手不得手が合ったとしても、地道に努力を続ければ目標が達成できるという事。
暗がりから牛
暗い所に黒い牛がいても形がはっきりしない。そこから、物事がはっきりせず、区別のつきにくいことのたとえ。また、ぐずぐずしていて、はきはきしないことのたとえ。
牛に経文
いくら言い聞かせてみても、なんの意味もなく、効果もない事。我の強い人間に、善意から忠告しても聞く耳を持たないという事。
牛の歩み
牛は動作がのろいことから、ものごとの進み方がおそいことのたとえ。
商いは牛の涎
商売は辛抱強く気長にコツコツと続けることが大切だというたとえ。
牛に対して琴を弾ず
愚かな者には、いくら立派な話をしても何の役にも立たない事。
牛に引かれて善光寺参り
思いがけず誰かに連れて来られてどこかへ出かけたところ、それを境に良い方向に導かれたという意味です。
馬に乗るまでは牛に乗れ
高い地位に就く前には、一旦ひとまず低い地位に就いて実力をつけるべきだという事。また、最善策が取れないならば、次善の策を取るべきだという事。何もしないでいるよりも、少しでも前に進んだほうがよいという事。
「猫」のことわざ・慣用句
猫撫で声
猫が人になでられたときに発するような、きげんを取るためのやさしくこびる声。
犬は人に付き猫は家に付く
犬は家人になつき、引っ越しにもついて行くが、猫は人よりも家の建物・場所になじむという意味。犬と猫の違いを表した言葉で、犬は飼い主である人間から受けた恩を一生忘れないというたとえ。
猫の子一匹いない
全く人影のないようす。
猫も杓子も
なにもかも。だれもかれも。
猫の目
物事がよく変わること。
猫の首に鈴を付ける
猫に仲間を捕られる鼠たちが集まって相談し、猫の首に鈴をつけることにしたが、実行できる鼠はいなかったという西洋の寓話から、いざ実行となると、引き受け手のない至難なことのたとえ。
猫を被る
もともとの性質を隠して、人の前ではおとなしそうにふるまう。
窮鼠猫を噛む
どんなに弱い者でも、絶体絶命の窮地に追い詰められれば、強い者に逆襲することがあるという事。弱い物を侮ってはいけないと言う事。また、逃げ場のないところに人を追いつめてはいけないと言う事。
猫糞を決め込む
悪い事をしても、知らん顔を決め込むという意味です。人の物を隠して、自分の物にしてしまうという意味もあります。
猫の額
土地や場所の面積がとても狭い事を意味します。
猫の手も借りたい
とても忙しいので、誰でも良いから手伝って欲しいという意味です。
猫に小判
どれほど貴重なもの・高価なもの・価値のあるものでも、持ち主がそれを知らなければ何の値打ちもないことを意味します。すばらしいものを見せても、効果や反応がない事を意味することもあります。
猫に鰹節
1.過ちが起きやすい状態であること。
2.危険な状況、安心できない状況、信用できない状況にあること。
「蛇」のことわざ・慣用句
長蛇の列
蛇のように長々と続く行列。
流星光底長蛇を逸す
せっかくの機会や、またとないチャンスを逃してしまうということのたとえ。また、惜しいところで大敵を逃してしまうこと。
藪蛇
余計な手出しをしてかえって災いを招くたとえ。
蛇を描きて足を添う
よけいなつけ足しのこと。また、なくてもよい無駄なもののこと。しなくてもいいこと。
蛇の生殺し
痛めつけて、半死半生のまま放っておくことのたとえ。また、ものごとの決着をつけずに放っておくこと。
蛇に睨まれた蛙
おそろしいものや、強いものを前にして、怖くて体が動かないことのたとえ。
蛇は寸にして人を呑む
優れた者は、幼少の頃から人並みはずれた資質や才能を備えているということ。
鬼が出るか蛇が出るか
どんなに恐ろしいことが待っているのか、わからないというたとえ。また、将来どんな運命が待っているのかわからないこと。
藪をつついて蛇を出す
余計なことをしたせいで、自分に災難がふりかかることのたとえ。
蛇の道は蛇
同類のことは、同類がよく知っている。その道の人間がその社会のことに、よく通じているというたとえ。
「虎」のことわざ・慣用句
虎を野に放つ
猛威(もうい)ある人を自由気ままに、の威(い)をふるうことができるような状態におくことのたとえ。わざわいのもととなる者を除かないで、後に大きな害をのこすことのたとえ。
三人虎を成す
事実無根の風説も、言う人が多ければ、ついに信じられるようになることのたとえ。
虎の巻
兵法の秘伝を記した書。講義などの種本。教科書の内容を解説した安易な学習書。手軽な参考書。あんちょこ。とらかんともいう。
虎の子
大事にして手離さないもの。
虎は死して皮を留め人は死して名を残す
虎は死んでもあの美しい毛皮が残るように、人も死んだとしても後世に名が残るような生き方をするようにという意味。
虎穴に入らずんば虎子を得ず
虎の子を捕らえるには虎のいる洞穴に入らなければならないように、危険を冒さなければ大きな利益や成功は得られないということ。
苛政は虎よりも猛し
民衆を苦しめる政治は、性質が荒く乱暴な虎よりも恐ろしいという意味。
虎の尾を踏む
極めて危ない事。非常な危険をおかす事。
虎の威を借る狐
権威や権勢、実力を持つ者に頼って、威張る小者の事。
前門の虎後門の狼
困ったことや、災難から逃れることができたと思ったら、また困ったことや災難にあうというたとえ。
「猿」のことわざ・慣用句
犬猿の仲
犬と猿のように仲の悪いことのたとえ。
木から落ちた猿
たよるところを失ったもののたとえ。よりどこをを失って、どうしてよいかわからないことのたとえ。
猿真似
何の考えもなく他人の真似をすること。
猿に木登り
教える必要のない者に教えるというむだなこと。
猿知恵
気がきいているようで、実はあさはかな知恵。こざかしい知恵。
見猿聞か猿言わ猿
人の欠点や短所、過ちや、自分にとって都合の悪いことは、見ない、聞かない、言わないほうがいいというたとえ。
猿も木から落ちる
すぐれた専門家でも、ときにはその得意な専門のことで、失敗することもあるというたとえ。
猿に絵馬
取り合わせのよいもののたとえ。
猿に烏帽子
柄(がら)にもない、ふさわしくないことをするたとえ。見かけだけで、中身が伴わないことのたとえ。
猿の尻笑い
猿が自分の尻が赤いことに気づかずに、他の猿の尻が赤いことをばかにして笑うということから、自分の欠点に気づかずに、他人の欠点をあざ笑うことのたとえ。
猿の人真似
しっかりした考えもなしに人のまねをすることをあざけっていう言葉。
「狐・狸」のことわざ・慣用句
狐と狸の化かし合い
ずる賢いくせ者同士が、互いに悪知恵をはたらかせ、だまし合うこと。「狐と狸」ともいう。
狸寝入り
眠っているふりをすることのたとえ。都合の悪いときに、寝たふりをすること。
狐の嫁入り
日が照っているのに、パラパラと雨が降ってくること。日照り雨のこと。
狐につままれる
狐にだまされたように、意外なことが突然起こって、わけがわからず、ぼんやりする様子のたとえ。
捕らぬ狸の皮算用
実際にまだ自分の物になっていない、手に入るかどうかもわからない不確かなものや利益に期待をかけて、計画を練る事。
虎の威を借る狐
権威や権勢、実力を持つ者に頼って、威張る小者の事。
狐を馬に乗せたよう
動揺して落ち着かないさま。また、言うことが当てにならず信用できないことのたとえ。
「鳥」のことわざ・慣用句
鵜呑みにする
人のいう事を疑わず、そのまま信じるたとえ。
今泣いた烏がもう笑う
今まで泣いていた人が、機嫌(きげん)をなおしてすぐに笑うようすのたとえ。泣いていたと思うとすぐ笑う子供などの喜怒哀楽(きどあいらく)が激しいことのたとえ。
鸚鵡返し
おうむが人間の言葉を真似てしゃべることから、よく考えないで、相手が言ったことばをそのまま言い返すたとえ。
鶴は千年、亀は万年
長寿で極めてめでたいときを祝うことば。鶴と亀は寿命が長い代表で、めでたいものとされていることから、縁起の良い賀寿などの際に使われる。実際の寿命は、鶴がタンチョウヅルで20~30年、亀はゾウガメで100~200年といわれている。
目白押し
たくさんの人が詰めかけて、ぎっしり並ぶことや、集まること。また、次から次へと押しかけること。物事が続くこと。
鳥なき里の蝙蝠
本当にその分野の優れた人がいないところでは、少し詳しいだけであたかもその分野の専門家のように威張り、偉そうにする人を意味する。
飛ぶ鳥を落とす勢い
勢いが非常に盛んなようす。権力・威力などが血気盛んであることを意味する。
鶏口となるも牛後となるなかれ
鶏の口になっても牛の尻にはなるなということで、大きな集団の中の下にいるよりも、小さな集団の先頭に立てといういましめ。人に従属するよりも独立したほうがよいとするたとえ。
閑古鳥が鳴く
商売などで人が集まらなくて、さみしい様子のこと。また、人の訪れがないこと。
窮鳥懐に入れば猟師も殺さず
窮地に陥った者が助けを求めてきたら、どんな理由があろうと助けてあげるのが良いという事。
一富士二鷹三茄子
縁起が良い夢を順に並べた語。特に、新年の初夢に見ると縁起が良いとしていう。
鶴の一声
意見がまちまちであるとき、みんなに文句を言わせずにいうことをきかせる。有力者の一言。
雀の涙
ほんのわずかな量のたとえ。
足下から鳥が立つ
①身近な所で意外なことが起こる。
②急に思いたってあわただしく物事を始める。
烏合の衆
烏(からす)の集まりということで、数は多いが、まとまりがなく役にも立たない人々の集まりをたとえたことば。
雉も鳴かずば撃たれまい
余計なことを言ったせいで、自ら災いを招いてしまう事。
鴨が葱を背負って来る
自分に好都合な出来事、また願っても無い好機が訪れることをいう。
烏の行水
よく洗わないで、風呂からさっさと出てきてしまうようすのたとえ。
鳶に油揚げを攫われる
苦心の結果もう少しで手に入るばかりであった獲物を不意に他に奪い去られる表現。
鳶が鷹を生む
ごく普通の平凡な親から、優れた子供が生まれる事。
鳩が豆鉄砲を食ったよう
突然の出来事に驚いて、あっけにとられてきょとんとしている様子のたとえ
鵜の真似をする烏
自分の能力を考えないで、人のまねをして失敗するたとえ。
鵜の目鷹の目
自分の利益になるものや人や物の欠点を探し出そうとする時の、鋭い目つきや、その様子を意味しています。
掃き溜めに鶴
その場に似合わないような美しい人や優れた人がいるたとえ。
雀百まで踊り忘れず
雀は地面を歩く時に、ちょんちょんと踊りを踊るように飛び跳ねて歩く癖があり、その癖が死ぬまで抜けないように、幼い頃についた習慣は改まりにくいというたとえ。とくに、若い頃に身についた道楽がいくつになってもやまないたとえにいう。
能ある鷹は爪を隠す
実力や才能のある者は、普段はそれを隠していて、いざという時にだけその力を発揮するという意味。
立つ鳥跡を濁さず
立ち去る者は、後始末をして見苦しくないように去るべきだと言う事。また、物事の引き際は美しく、潔い事。
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
取るに足りない小人物(しょうじんぶつ)には、大人物(だいじんぶつ)の考えや大きな志などが分からない事。
人を謗るは鴨の味
他人の欠点を見つけて、あれこれ言って貶すことは気分の良いものだというたとえ。
後の雁が先になる
寿命に逆らい若者が年配の者より先に亡くなったり、出世や学業に対して後輩が先輩を追い越すことをいう。
鷹は飢えても穂を摘まず
節操のある人は、どんなに貧窮したとしても、不正な金品を受け取ったりしないということ。道義に外れるようなことは、断じてしないということ。
「魚・蟹」のことわざ・慣用句
鯉の滝登り
めざましく立身出世することのたとえ。
鰻登り
気温・物価・評価などが見る間に上がったり、物事の件数・回数が急激に増えたりすること。
鰻の寝床
うなぎの寝床は体に合った細長いものだということから、入口が狭くて奥行きの深い建物や場所のたとえ。裏長屋や細長く狭い窮屈な場所にもいう。
河豚は食いたし命は惜しし
快楽や利益は得たいと思う一方で、それに伴う危険や損害を恐れるあまりためらう事。
俎上の魚
相手の思うままになるよりほかはない、という立場にあるというたとえ。
水魚の交わり
水と魚が切っても切れない関係にあるように、きわめて親密な友情や交際のたとえ。
ごまめの歯軋り
力のない者がいたずらに憤慨し、悔しがることのたとえ。また、その行為が無駄であるということのたとえ。
鯖を読む
自分の利益になるように、数をごまかすたとえ。
腐っても鯛
本来価値のある人や物は、時間が経ったり条件が変わったりしても、それなりの値打ちがあるものだというたとえ。
魚心あれば水心
相手が自分を好きになってくれたら、自分も相手を好きになるという意味です。あなたの気持ち次第で私の態度も変わりますよ、という場合に使われる事が多いです。
魚の水を得たるが如し
お互い離れることの出来ない様な、親密な交際や間柄の事。また、苦境から脱して、その人にふさわしい場所にて能力を発揮し、大いに活躍する事。
鰯の頭も信心から
例えイワシの頭のような価値もなくつまらないものでも、一度信仰の対象となってしまえば、ありがたいものに思えるという意味です。何かを頑固に信じている人をからかう時にも使います。
木に縁りて魚を求む
物事の一部分や細部に気を取られてしまうと、全体を見失うという事。手段を誤れば、何かを得ようとしても得られないという事。また、見当違いで実現不可能な望みを持つ事。
海老で鯛を釣る
ほんの少しの労力や努力、投資によって、大きな利益や収穫を手に入れることができるという意味です。
水清ければ魚棲まず
水があまりに清らかに澄みきっていると、隠れる場所がなくて魚がすみつかないように、人もきちんとしすぎていると、人が寄り付かず孤立するというたとえ。
水を得た魚
自分にふさわしい場所や得意の分野を得て、生き生きとしているようすのこと。
まな板の鯉
自分の力ではどうすることもできず、相手の思うままになるしかない様、また、そのような運命にあることのたとえ。
蟹は甲羅に似せて穴を掘る
人は自分の身の丈に合った、考えや行動をとることが一番良いということのたとえ。
猫に鰹節
1.過ちが起きやすい状態であること。
2.危険な状況、安心できない状況、信用できない状況にあること。
逃がした魚は大きい
手に入り損なったものは、惜しさのあまり実際よりも素晴らしく思えるという意味です。
柳の下にいつも泥鰌はいない
一度柳の下でたまたま泥鰌をとったからといって、同じ柳の下でまた見つかるとは限らない。同じように、一度うまいことがあって味をしめても、同じようなことは何度も起こらないという意味。
「虫」のことわざ・慣用句
虫も殺さない
小さな虫も殺せないほど、優しくておとなしい。
虫の息
弱り果てて、今にも絶えそうな呼吸。また、その状態。
蜂の巣をつついたよう
蜂の巣をつつくと蜂の群れがいっせいに飛び立ち、飛び回る。そこから、大勢の人がいっせいに騒ぎ出して手がつけられない状態のたとえ。
蟻の這い出る隙もない
少しの隙もなく、警戒が厳重なようす。
蟻の穴から堤も崩れる
頑丈に築いた堤防も、小さな蟻の穴が原因となって崩壊することがある。わずかな油断や手違いで重大な物事が駄目になることのたとえ。
蟻の思いも天に届く
弱小な者でも一心に念じれば望みが達せられることのたとえ。
蛍雪の功
蛍(ほたる)の光や雪明かりによって勉強することで、苦労して学問に励むという意味。
蟷螂の斧
自分の力が弱いことに気づかずに大敵に刃向かうこと。向こう見ず。はかない抵抗。
蝶よ花よ
親が子供をこの上なく可愛がり、大切に育てるさま。
小の虫を殺して大の虫を助ける
大きな目的を成就しようとする場合、全体として成功するために一部分、または比較的必要でない部分を犠牲にすること。
獅子身中の虫
獅子の体内に寄生して恩恵を受けている虫が、獅子を死に至らしめるということで、内部にいて味方でありながら、味方に害を与えるもののたとえ。
虻蜂取らず
強欲なあまり、同時に2つのものを得ようとするが、結局どちらも得ることはできなかったという戒め。
虫の居所が悪い
機嫌が悪く、怒りっぽい。
虫が好かない
なんとなく嫌なかんじがして相性が合わず、どうも好きになれないという意味。
虫が知らせる
はっきりした理由はないが、何かが起こりそうな気がすること。
虫がいい
自分勝手で、ずうずうしい。
蜘蛛の子を散らす
大勢の人があっという間に散って逃げる様子。
頭の上の蠅を追え
人の世話を焼くよりも、まずは自分のことをきちんとしなさいという教え。
一寸の虫にも五分の魂
どんな弱小なものにも、それ相応の意地があるのだから侮りがたいの意。
飛んで火に入る夏の虫
自ら危険や災難に進んで、飛び込んでいく事。自らを滅ぼすような禍の中に進んで身を投じる事。
蓼食う虫も好き好き
人の好みはそれぞれで、ずいぶんと違いがあるという事。 多様性に富んでいるという事。
泣き面に蜂
泣いている顔をさらに蜂が刺す。不運や不幸が重なることのたとえ。
千里の堤も蟻の穴から
ささいなことでも油断すると、大きな災いを招くことがあるというたとえ。
「鬼」のことわざ・慣用句
心を鬼にする
かわいそうだと思う気持ちを振り捨て、相手のためを考え、あえて厳しい態度で当たること。
疑心暗鬼を生ず
疑ってかかると、なんでもないことも不安になり、疑わしく思えるというたとえ。
鬼も十八番茶も出花
どんなものにも、その魅力がいちばん発揮される時期があるということ。女性は誰でも年ごろになると、色気や魅力が出てくるというたとえ。
鬼の首を取ったよう
大きな手柄を立てたかのように、得意になったり大喜びしたりするというたとえ。
鬼の霍乱
普段は丈夫な人が、めずらしく病気にかかること。
鬼が出るか蛇が出るか
どんなに恐ろしいことが待っているのか、わからないというたとえ。また、将来どんな運命が待っているのかわからないこと。
鬼に金棒
ただえさえ強い人が、何かを得たり、良い条件が加わったりして、さらに強さを増して無敵になるという意味です。
鬼の居ぬ間に洗濯
怖い人・気詰まりする人・気兼ねする人がいない間に、思いっきりくつろいで息抜きをするという意味です。
鬼の目にも涙
冷酷で無慈悲な人でも、時には他人の苦しみや悲しみに憐れみや同情を感じて涙を流す事もあるという意味です。現在では、怖い人や厳しい人に対して使われることが多いです。
来年の事を言えば鬼が笑う
まだ先の話をあれやこれや言って、見通しのたつはずのない未来について予測するのは、意味がないということ。
渡る世間に鬼はなし
この世の中には、鬼のように冷たい人ばかりではなく、思いやりのある優しい人も必ずいる。
「想像上の生き物」のことわざ・慣用句
屁の河童
簡単、容易にできること。「河童の屁」が逆さになったことば。
天狗になる
いい気になって自慢する。得意になる。うぬぼれる。
鯱張る
しゃちほこのように、緊張して体をこわばらせる。「鯱」は想像上の動物で、頭は虎に似て体は魚。尾は跳ね上げた形の作り物にして、城などの屋根の両端に飾ったりする。緊張することを、その姿にたとえた。「しゃちこばる」「しゃっちょこばる」ともいう。
虎口を逃れて竜穴に入る
災難が続いて起こる例え。
河童に水練
泳ぎの達者な河童に泳ぎ方を教えるということから、ある分野に精通している人に対してその分野について教えようとする愚かさのたとえ。
画竜点睛を欠く
全体としてはよくできているが、肝心なことがかけているというたとえ。また、最後の仕上げが不十分なために全体が不完全になってしまうこと。
陸に上がった河童
能力の高い人でも、自分に適した環境から離れると、本来の力を発揮する事ができず無能になってしまうという意味です。
河童の川流れ
どんなんにその道の達人や名人であっても、奢りや油断により失敗してしまうこともあるということのたとえ。
「その他の動物」のことわざ・慣用句
中原に鹿を逐う
ある地位・権力を手に入れようとしてたがいに争(あらそ)うことのたとえ。
一斑を見て全豹を卜す
豹の皮にある一つのまだら模様を見て、豹全体の美しさを察することから、ものごとの一部分だけを見て、その全体像を推察することのたとえ。
穴の狢を値段する
あてにならないことをもう自分のものになったように考えて、その気になる愚かしさをいうことのたとえ。
頭の黒い鼠
ねずみではなく、髪の黒い人間を指していることばで、家の中の物を盗む人のたとえ。物がなくなったときなどに、犯人はねずみではなく、家にいる人間であることをそれとなく言うことば。
一つ穴の狢
同じ仲間、あるいは同類の意味で、多くの場合、同じような悪事、あるいは感心できないことをする人間を同一視していう。
鼬ごっこ
二人が手の甲を交互につねり、その手を重ねてゆく遊び。両方がたがいに同じことを繰り返して結着がつかないこと。
鼬の道切り
交際や音信がぱったりと途切れることのたとえ。
鶴は千年、亀は万年
長寿で極めてめでたいときを祝うことば。鶴と亀は寿命が長い代表で、めでたいものとされていることから、縁起の良い賀寿などの際に使われる。実際の寿命は、鶴がタンチョウヅルで20~30年、亀はゾウガメで100~200年といわれている。
遼東の豕
世の中のことを知らずに、自分だけが得意になること。独りよがり。
豚に念仏猫に経
どんなに立派な教えも、それを理解できない者に言い聞かせたところで、何の意味もなさないという事。無駄だという事。
豚に真珠
そのものの価値や値打ちがわからない者には、どんなに価値のあるものを与えても意味がなく、無駄だという事。
豚もおだてりゃ木に登る
能力の低い者でもおだてて気分よく働かせれば、能力以上に働くことのたとえ。
亡羊の嘆
学問の道が細分化しすぎてしまうことによって、真理を見失ってしまうことを嘆いたこと。また、方針や方法がいろいろあって、その選択に迷ってしまうこと。
蛇に見込まれた蛙
恐ろしいものや、苦手なものを前にしてしまって、恐ろしくて身動きが取れなくなってしまうというたとえ。
鳥なき里の蝙蝠
本当にその分野の優れた人がいないところでは、少し詳しいだけであたかもその分野の専門家のように威張り、偉そうにする人を意味する。
羊頭を懸けて狗肉を売る
見かけと実質がともなっていないことのたとえ。立派なものをおとりに使い、実際には粗悪なものを売ることのたとえ。
狡兎死して走狗烹らる
兎(うさぎ)が捕まって死んでしまえば、猟犬もいらなくなって煮て食われてしまう。必要なときにはよく使われるが、いらなくなると簡単に捨てられてしまうことのたとえ。
獅子身中の虫
獅子の体内に寄生して恩恵を受けている虫が、獅子を死に至らしめるということで、内部にいて味方でありながら、味方に害を与えるもののたとえ。
鹿を追う者は山を見ず
目先の利益を追っている者は、周囲の状況に気づかないというたとえ。
蝸牛角上の争い
小さなことで争ったり、喧嘩をしたりすること。また、家や学校などといった狭い世界の中で争うこともいう。
株を守りて兎を待つ
古い習慣や過去に偶然成功した経験にこだわり、いつまでも進歩がなかったり融通がきかない事。
兎の登り坂
自身の得意分野で実力を発揮している事。持ち前の力を振るうことが出来る事。また、条件に恵まれて物事が調子よく早く進む事。
あの声で蜥蜴食らうか時鳥
人や物事は必ずしも外見だけが全てではなく、外見と中身が同じではないこともあるというたとえ。
鼬の最後っ屁
窮地(きゅうち)に追い込まれた時などに使う非常手段のたとえ。
井の中の蛙大海を知らず
自分の目で見たり耳で聞いたりするなどして得た体験や知識が圧倒的に少なく、それでいて自分の乏しい見聞にこだわってしまうという意味です。見聞が乏しいにも関わらず、自分は何でも知っているように勘違いしたり、得意になっている人を指す事もあります。また、世間知らずという意味もあります。
窮鼠猫を噛む
どんなに弱い者でも、絶体絶命の窮地に追い詰められれば、強い者に逆襲することがあるという事。弱い物を侮ってはいけないと言う事。また、逃げ場のないところに人を追いつめてはいけないと言う事。
亀の甲より年の功
年長者の長年培ってきた知恵や経験は貴重であるということ。
前門の虎後門の狼
困ったことや、災難から逃れることができたと思ったら、また困ったことや災難にあうというたとえ。
同じ穴の狢
一見すると関係ないように見えても、同類や仲間であるという意味です。一般的に、悪事を働く同類や仲間という意味で使われます。
月と鼈
二つのものの間に非常に差のあることのたとえ。
蛙の面に水
どんな酷い目にあっても、顔色を変えることなく、平然とし鈍感なこと。
獅子の子落とし
自分の子供にわざと苦しいことをさせて、その能力を試し鍛え、立派な人間に育てようとすることのたとえ。
蛙の子は蛙
親が凡人であれば、親に似た子供も凡人にしかならないというように、子どもの才能や能力は親に似るということのたとえ。
二兎を追う者は一兎をも得ず
欲を出して2つの事を同時にやろうとすると、結局どちらも失敗するという意味です。
大山鳴動して鼠一匹
前触れや騒ぎばかりが大きい割には、実際は対した事が無かった事。結果が小さかった事。