猫は、人間にとって昔から非常に身近な動物であり、大切なパートナーです。
今回の記事では、「猫」にまつわることわざと慣用句をご紹介します。
猫以外にも、様々な動物のことわざに関しては、「動物のことわざ一覧」をご覧ください。
犬のことわざは、「犬のことわざ100選(海外含む)」をご覧ください。
アフリカのことわざは、「アフリカのことわざ一覧と意味付き」をご覧ください。
目次
「あ行」の猫のことわざ・慣用句
秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる
秋は晴れた日よりも、雨が降った日の方が気温が高いので猫の顔も長くして喜ぶという意味。
有っても無くても猫の尻尾
有っても無くてもいいもののこと。
犬に念仏猫に経
どんなに立派な教えも、それを理解できない者に言い聞かせたところで、無意味であることのたとえ。犬に念仏を唱えたり、ネコにお経を聞かせたりしても、ありがたみも分からないし何の効果もないことから。
犬猫にも馴染めば思う
恩知らずな人を戒める語。犬や猫でも、なついて主人のことを思うようになるし、飼い主にも愛情がわくという意味。
犬猫は三日扶持すれば恩を忘れず
犬や猫でも三日可愛がって飼えば、 主人を思うようになり、その恩を忘れない。まして人間は恩知らずになってはいけない、 恩を受けた人には感謝の気持ちを忘れてはいけない、という教え。
犬は三日の恩を三年忘れず、猫は三年の恩を三日で忘れる
犬と猫が人の恩を記憶する能力の違いを言ったことわざ。
犬は人に付き猫は家に付く
犬は家人になつき、引っ越しにもついて行くが、猫は人よりも家の建物・場所になじむという意味。犬と猫の違いを表した言葉で、犬は飼い主である人間から受けた恩を一生忘れないというたとえ。
魚を猫に預ける
油断ができず危険であること。また、過ちを犯しやすいことのたとえ
女の心は猫の眼
女性の心理は、猫の目のように変化しやすいというたとえ。
女の腰と猫の鼻はいつも冷たい
猫の鼻先は湿っているため、また、女性のお尻も皮下脂肪のせいで、ほぼ1年中冷たいということ。
女の尻と猫の鼻は土用三日暖かい
猫の鼻はその一番暑い時期に3日間だけ熱くなるほかは 一年中冷たい。あるいは、いつも冷たい猫の鼻でも、土用三日の本当に暑い時は さすがに暖かい、の意。
「か行」の猫のことわざ・慣用句
鰹節を猫に預ける
猫のそばに大好物の鰹節をおけばいつ食べられるかわからない。そこから、すこしも油断できないたとえ。また、過ちが起こりやすいことのたとえ。
叶わぬ恋に心を尽くすより犬猫を飼え
叶わぬ恋にいろいろ思い悩んで心をわずらうより、飼い主の愛情に応えてくれる犬や猫を飼った方がましであるということ。
借りてきた猫
普段の姿とは打って変わり、非常におとなしい様を指している。
窮鼠猫を噛む
どんなに弱い者でも、絶体絶命の窮地に追い詰められれば、強い者に逆襲することがあるという事。弱い物を侮ってはいけないと言う事。また、逃げ場のないところに人を追いつめてはいけないと言う事。
子供も猫よりまし
幼い子供など、頼りなく役に立ちそうにないが、 猫よりは良い、というたとえ。
「さ行」の猫のことわざ・慣用句
酒の席には狆、猫、婆
陽気であるべき酒を飲む席には、 狆や猫、老婆といった華やかさに欠ける者は似つかわしくないということ。
皿嘗めた猫が科を負う
大きな犯罪を犯した人間が処罰されず、関係した小物ばかりが刑罰を食うことにたとえる。皿にあった魚を取った猫はまんまと逃げおおせ、皿をなめた猫だけが罪をしょいこむところからいう。
三年になる鼠を今年生まれの猫の子が捕らえる
すぐれた人物は、幼いときから非凡な才能を発揮すること。また、大の大人が子供にしてやられることのたとえ。
上手の猫が爪を隠す
本当に能力のある者は、それをひけらかすようなことはしないたとえ。
雀の上の鷹、猫の下の鼠
危険が近くに迫っていること。また、下位の者には強くても上位の者にはかなわないこと。
節季師走には猫の手も借りたい
盆暮れなどの多忙な時には、どんな手伝いでもほしいと言う事。節季は勘定期のこと。
「た行」の猫のことわざ・慣用句
たくらだ猫の隣歩き
自分の家の用は何もしないで、他人の家の用ばかり手伝うことのたとえ。「たくらだ」はじゃこう鹿に似た獣。じゃこう鹿を狩りにきた猟師が、飛び出してきたたくらだを誤って狩ったことから、自分に無関係なことで死んだり傷ついたりする者のこと。転じて、愚か者・まぬけのことをいう。
虎を画きて猫に類す
勇猛な虎の絵を描こうとしたのに、猫や犬のような絵になってしまったの意から、豪快で男気のある人物を目指して、かえって軽薄な人間になることのたとえ。また、素質の無い者が、優れた人物の真似をして失敗するたとえ。
「な行」の猫のことわざ・慣用句
鳴く猫は鼠を捕らぬ
ペラペラとよく喋るものに限って、口先だけで実行に移さないという意味。
猫足
①猫のように音を立てないで歩くこと。また、その歩き方。
②膳 (ぜん) や机などの脚で、上部がふくらみ、中ほどがやや細くなり、下部が丸くなっていて、猫の足の形に似たもの。
猫が肥えれば鰹節が痩せる
鰹節を食べて猫が太るにつれ、食べられた鰹節は削られて細くなっていくという意味から、片方が得をすれば片方は損をするということ。一方にとって良いときは、他方にとっては悪いときだということ。
猫が鼠を捕るようなもの
実行することがたいそう簡単なことのたとえ。
猫が糞を踏む
悪いことをして、隠したまま知らん顔をしていること。 猫が糞をしたあとに足で砂をかけて隠すようすから。
猫被り
本性を隠して、おとなしそうなふりをすること。また、知っていて知らないふりをすること。また、そういう人。
猫と庄屋に取らぬはない
猫はネズミや魚などが目の前にあれば必ず取るものだし、庄屋も機会があれば必ず袖の下をとるものだということ。 賄賂に手を出す役人を皮肉って言う。
猫撫で声
猫が人になでられたときに発するような、きげんを取るためのやさしくこびる声。
猫撫で声に油断をするな
猫撫で声を出すような人は、 何か下心を持っている場合が多いから、 油断してはいけないといういましめ。 「猫撫で声」とは、猫を撫でる時のように、 優しく甘い声を出すこと。 相手を懐かせようとするときの声。
猫に会った鼠
猫の前のネズミのように、逃げることも戦うこともできず、絶体絶命といった様子。また、苦手な相手や圧倒されるような人物の前で、萎縮してしまうこと。
猫に石仏
人間には有難い石仏でも、猫にはわからない。 ありがたいものを見せても効果や反応を示さないこと。貴重な物を持っていても、その価値の分からない人にとっては なんの役にもたたないこと。
猫に追われた鼠
猫の前のネズミのように、逃げることも戦うこともできず、絶体絶命といった様子。また、苦手な相手や圧倒されるような人物の前で、萎縮してしまうこと。
猫に鰹節
①過ちが起きやすい状態であること。
②危険な状況、安心できない状況、信用できない状況にあること。
猫に鰹節の番
猫のそばに大好物の鰹節や魚を置いては、いつとられても不思議ではない。 過ちが起きやすい状態をつくることのたとえ。また、危険で油断がならないたとえ。
猫に紙袋
猫は頭に紙の袋をかぶせられると、それを取ろうとして後ろの方へどんどん下がることから、後ずさりする格好のこと。また、尻込みすることのたとえ。
猫に九生有り
猫には沢山の命があって、9回も生まれ変わることができる という迷信があることから、 猫は執念深くなかなか死なないとか、 猫は殺しても何度でも生き返るぞ、という西洋の諺。
猫に小判
どれほど貴重なもの・高価なもの・価値のあるものでも、持ち主がそれを知らなければ何の値打ちもないことを意味します。すばらしいものを見せても、効果や反応がない事を意味することもあります。
猫に念仏、馬に銭
少しも有難がらずに、何も感じない様をいう。
猫に木天蓼
猫は木天蓼が最高の好物であることから、大好物、または効果があることのたとえ。「木天蓼」はマタタビ科のつる性植物。「猫に木天蓼お女郎に小判」「猫に木天蓼泣く子に乳房」とも続ける。
猫に木天蓼お女郎に小判
大好物のたとえ。また、非常に効き目があることのたとえ。
猫にもなれば虎にもなる
同じ人が、時と場合により、または相手の態度によって、おとなしくもなれば、凶暴にもなること。
猫の魚辞退
猫が大好物の魚をことわること。 長続きしないこと、また、内心は望んでいながら、うわべだけことわることのたとえ。
猫の寒恋い
寒がりの猫でさえ、真夏の暑い盛りには寒い季節を恋しがると言うこと。寒がりの人でも、暑い夏には冬が恋しいということのたとえ。
猫の首に鈴をつける
猫に仲間を捕られる鼠たちが集まって相談し、猫の首に鈴をつけることにしたが、実行できる鼠はいなかったという西洋の寓話から、いざ実行となると、引き受け手のない至難なことのたとえ。
猫の子一匹いない
全く人影のないようす。
猫の子の貰いがけ嫁の取りがけ
もらったばかりの猫の子はみんなから可愛がられるものだし、嫁も家に来てすぐの間は家族全員から大切にされるものだと言うこと。どちらも初めのうちだけは珍しがられ大切にされるが、やがて粗末に扱われるようになると言うこと。
猫の子も只は貰えぬ
何を貰うときも、無料で貰うことはできない、必ず謝礼が必要だ、ということ。
猫の子を貰うよう
猫の子をもらうときのように、縁組みが手軽に行われるようす。
猫の手も借りたい
とても忙しいので、誰でも良いから手伝って欲しいという意味です。
猫の鼠を窺うよう
猫がネズミをねらうときのように、 獲物に鋭い目を向け、逃がすまいと身構えている様子。
猫の鼻先の物を鼠が狙う
猫の目の前にある物を鼠が取るのは命がけである。非常な危険を犯すたとえ。また、不可能なことをしたり、大それた望みを持ったりするたとえ。
猫の歯に蚤
猫が自分の毛についている蚤(ノミ)を歯でとろうとしても、なかなかとれない。つまり、不確実で、めったなことで成功しないことをさす。
猫の額
土地や場所の面積がとても狭い事を意味します。
猫の額にある物を鼠が窺う
自分の実力を考えず、大それたこと、無謀なことをしようとすることのたとえ。猫のそばにある物を、鼠がねらって様子を窺うという意から。
猫の前の鼠
恐ろしさのあまり、身がすくんで動けないようすのたとえ。
猫の前の鼠の昼寝
目の前に猫がいる事に気つかず、ネズミがノンキに昼寝をしている。我が身に危険が迫っている事を知らずにいることのたとえ。
猫の目
物事がよく変わること。物事の移り変わりが激しいことのたとえ。
猫は傾城の生まれ変わり
ここでいう「傾城」とは遊女のこと。猫の前世は遊女だという意。客に対する遊女のしぐさがどことなく猫に似ていることや、遊女たちが猫の皮でつくった三味線で踊ったことなどから、遊女は猫の生まれ変わり、または遊女は猫に生まれ変わるという俗説が生まれたという。
猫は長者の生まれ変わり
何不自由なくのんびり寝て暮らす猫は、前世はお金持ちだったのだろうという意味。
猫は土用に三日鼻熱し
猫の鼻は一番暑い土用の時期に3日間だけ熱くなるだけで一年中冷たく湿っているという意味。
猫は虎の心を知らず
つまらない人間には、大人物の心の中はわからないということのたとえ。
猫糞を決め込む
悪い事をしても、知らん顔を決め込むという意味です。
人の物を隠して、自分の物にしてしまうという意味もあります。
猫は禿げても猫
たとえ毛が抜け落ちたところで、 猫が猫であることに変わりはないということから、 世の中には、意外なことや、突拍子もないことは 起こらないものだというたとえ。
猫跨ぎ
《魚の好きな猫でもまたいで通り過ぎる意から》味のよくない魚。
猫も杓子も
猫も跨いで通る
魚が何より大好物の猫でさえ、振り向こうともしない魚ということで、生きの悪い魚、味の悪い魚、腐った魚、骨だけの魚などをいう。
猫を追うより魚を除けよ
問題が発生したら、その場しのぎの事をせず、根本から正すべきという意味です。
猫を追うより皿を引け
その場のがれより、根本を正すことが大事だというたとえ。皿をねらっている猫を追い払うより、皿を片付けるほうがいいということから。
猫を被る
もともとの性質を隠して、人の前ではおとなしそうにふるまう。
猫を殺せば七代祟る
猫は執念深い魔性の動物であり、殺すと子々孫々までたたるという俗説。
鼠窮して猫を噛み、人貧しゅうして盗みす
追いつめられた鼠が進退窮まって猫に噛みつくように、人も貧しさにどうしても耐えられなくなると盗みをはたらくようになる。
鼠捕らずが駆け歩く
「鼠捕らず」は、鼠を捕まえない猫のこと。 転じて、役に立たないもののこと。 ろくな働きをしない者が忙しそうに走り回るたとえ。 また、つまらない者に限って物事をするときに大騒ぎするものだということ。
鼠捕る猫は爪を隠す
すぐれた才能や力のある者は、平素それをむやみに人にひけらかしたりしないというたとえ。
鼠無きを以て捕らざるの猫を養うべからず
ネズミがいないからといって、飼い猫は ネズミを捕れないような駄猫でもよいというわけにはいかない、ということから 、能力のない者、役に立たない者は養っておけないというたとえ。
「は行」の猫のことわざ・慣用句
豚に念仏猫に経
どんなに立派な教えも、それを理解できない者に言い聞かせたところで、何の意味もなさないという事。無駄だという事。
冬の雨が三日降れば猫の顔が三尺伸びる
雨の日は比較的暖かなので、肌寒い秋の日や、寒いはずの冬の日でも雨が三日降り続けば猫の顔も三尺も伸びるほど喜ぶということ。
「ら行」の猫のことわざ・慣用句
猟ある猫は爪を隠す
すぐれた才能や力量を持つ者は、謙虚であり、むやみにそれを人に誇示したりはしないものだというたとえ。
猟よし猫爪をかくす
すぐれた才能や力量を持つ者は、謙虚であり、むやみにそれを人に誇示したりはしないものだというたとえ。