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【預かり物は半分の主】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

預かり物は半分の主

【ことわざ】
預かり物は半分の主

【読み方】
あずかりものははんぶんのぬし

【意味】
人から預かった物は、半分は自分の物と思ってもよいということ。預けた物が相手の手元にあると、預かった人の立場が強くなりやすいことを表す。

ことわざ博士
預かり物は半分の主は、物を預かる人に、保管する責任と同時に強い支配が生じるという考えを表しているよ。
助手ねこ
長く預けたままの物について、返却や扱いをめぐって預けた側が不利になる場面に用いるニャン。

【英語】
・Possession is nine points of the law(実際に持っていることは、権利を主張するときの強みになる)

【類義語】
・拾い主は半分(ひろいぬしははんぶん)
・拾うた者は半分の主(ひろうたものははんぶんのぬし)

【対義語】
・借りる八合、済す一升(かりるはちごう、なすいっしょう)

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「預かり物は半分の主」の語源・由来

ことわざを深掘り

「預かり物は半分の主」は、中国の古い人物や事件に由来する故事成語ではなく、物を預ける、預かるという日常の経験から生まれたことわざです。「預かる」は、頼まれて人や物を引き受け、保管や世話をすること、また物事の管理を任されることを表します。そこに「主」、つまり所有者・持ち主という意味の言葉が結びつき、「預かった人も、半分は持ち主のような立場になる」という表現になっています。

このことわざの「半分」は、法律上の正確な割合を表す数字ではありません。物が預けられると、実際にその物を手元に置き、守り、動かせるのは預かった人です。そのため、預けた人の所有物であっても、実際の扱いでは預かった人の影響が大きくなる、という生活上の感覚を「半分の主」と言い表したものです。

古くから「預かり」には、単に物を置いておくというだけでなく、任されて管理する意味がありました。たとえば「預人(あずかりにん)」は、他人から金銭・物品・土地などを預かっている人、すなわち預かり主を指します。また「預かり置く」には、人の身柄や物事を一定期間保護・保管する意味のほか、金品などを借りている意味もあります。これらの用法からも、預かる行為が、保管・管理・占有の境目に関わる言葉であったことが分かります。

昭和11年の『国語 : 学習指導の研究 巻7』(1936年・昭和時代前期、岩波編輯部編)にも、このことわざは取り上げられています。そこでは「預ったものは事實上半ば預り主のものである、の意」とあり、さらに、現在持っているという事実の強みをいったものとして説明されています。この説明は、ことわざが「本当に半分を所有できる」という意味ではなく、手元にあることが実際上の力を持つ、という考えを表していることをよく示しています。

この表現には、「預ける側も軽々しく物を預けてはいけない」という注意も含まれます。預かった人が悪いというだけでなく、長く相手の手元に置かれた物は、扱いをめぐって相手の判断に左右されやすくなります。そのため、物を預けるときには、返す時期や保管の仕方をはっきりさせることが大切だ、という実際的な教訓につながります。

一方で、現在の使い方では、このことわざを文字どおり「預かった物を自分の物にしてよい」という意味で使うと、相手への配慮を欠いた言い方になりやすいです。むしろ、物を預けたままにする危うさや、手元にある人の立場の強さを、少し皮肉をこめて表すことが多いことわざです。英語の “Possession is nine points of the law” も、実際に持っていることが主張の強みになるという発想を表しますが、特定の法律そのものを述べた言葉ではありません。

「預かり物は半分の主」の使い方

健太
夏休みのあいだだけ預かっていた図書委員会のしおりの箱、まだ先生に返していないんだ。
ともこ
もう二学期が始まって一週間だよ。預かり物は半分の主っていうけれど、健太くんの物になったわけじゃないよ?
健太
うん、箱の中身を勝手に使う前に、今日の昼休みに先生へ返しに行くよ!
ともこ
それがいいね。預かった物は、持っているあいだほど責任も重くなるんだと思う。
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「預かり物は半分の主」の例文

例文
  • 預かり物は半分の主というように、友人に長く預けたままの自転車は、返してもらう話を切り出しにくくなった。
  • 預かり物は半分の主とはいえ、預かった資料を勝手に書き込むのはよくない。
  • 旅行中に祖母から預かった植木は、預かり物は半分の主と思って、毎朝ていねいに水をやった。
  • 預かり物は半分の主という言葉を思い出し、父は大切な時計を他人に預けっぱなしにしなかった。
  • 会社の備品を長く個人の机に置いたままにすると、預かり物は半分の主のような誤解を招きかねない。
  • 預かり物は半分の主だからこそ、借りた本や預かった品は、早めに持ち主へ返すべきだ。

主な参考文献
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・岩波編輯部編『国語 : 学習指導の研究 巻7』岩波書店、1936年。
・Houghton Mifflin Harcourt『The American Heritage Idioms Dictionary』Houghton Mifflin Harcourt、2002年。





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