『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』講談社より出版。詳細はコチラ!

【垣根と諍いは一人でならぬ】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

垣根と諍いは一人でならぬ

【ことわざ】
垣根と諍いは一人でならぬ

【読み方】
かきねといさかいはひとりでならぬ

【意味】
けんかや言い争いは、一人だけでは起こらず、相手になる人がいて初めて成り立つということ。

ことわざ博士
垣根と諍いは一人でならぬは、垣根を作るにも相手方との関わりがあり、諍いも相手なしには成り立たないというたとえなんだよ。
助手ねこ
相手の挑発に乗らず、争いの相手にならないことを戒める場面で用いるニャン。

【類義語】
・相手の無い喧嘩はできぬ(あいてのないけんかはできぬ)
・一人喧嘩はならぬ(ひとりげんかはならぬ)
・諍いと餅搗きは一人ではならぬ(いさかいともちつきはひとりではならぬ)

【スポンサーリンク】

「垣根と諍いは一人でならぬ」の語源・由来

ことわざを深掘り

「垣根と諍いは一人でならぬ」は、垣根を作ることと人の争いとを並べたことわざです。垣根は、敷地を限るために設ける囲いや仕切りを指し、家と家、庭と道、内と外などを分ける役目をもちます。

このことわざの前半にある「垣根」は、ただの物の名前ではなく、隣り合う者どうしの境目を示すものとして働いています。垣根を作るという行為は、自分の側だけのことに見えても、隣との関係や境界を意識せずには成り立ちにくいものです。

由来としては、垣根を結うとき、両側に分かれて互い違いに結ぶため、一人だけではうまくできないという説明があります。竹や枝を組み、縄で結び合わせていく垣根の作業では、片側からだけでなく、反対側から支えたり結んだりする相手が必要になります。

後半の「諍い」は、言い争い、言い合い、けんかを表す言葉です。古くは『大和物語』(947〜957年ごろ成立、平安時代中期)にも「人のいさかひする音のしければ」という用例があり、人どうしの言い争いを表す言葉として使われていました。

また、『宇治拾遺物語』(1221年ごろ成立、鎌倉時代前期)にも、幼い子どもどうしが「いさかひ」をする場面が出てきます。この段階でも、「いさかい」は一人の内側だけで起こるものではなく、相手とのやり取りの中で生じる争いを指しています。

「垣根」と「諍い」を並べたところに、このことわざの工夫があります。垣根は作業の相手がいなければ成り立ちにくく、諍いも相手が応じなければ続きません。

この発想は、「相手の無い喧嘩はできぬ」と同じ方向の教えです。相手となる人がいなければけんかにならないため、争いの相手になることを戒める言葉として用いられます。

類義の形として、「諍いと餅搗きは一人ではならぬ」もあります。餅搗きは、杵で搗く人と餅を返す人が呼吸を合わせる作業であり、ここにも一人では成り立ちにくい動作がたとえとして用いられています。

このように、垣根を結う作業や餅搗きのような共同の動作を、けんかに重ねたところに、昔の暮らしに根ざした表現の面白さがあります。身近な作業を通して、「争いも相手が応じるから大きくなる」という人間関係の道理を分かりやすく示しています。

ただし、このことわざは、争いの原因をいつも両方に同じだけ求める言葉ではありません。相手が強く責めてくる場合でも、自分がそれに乗らなければ、少なくとも言い争いとしては広がりにくい、という戒めとして受け取るのが穏当です。

したがって、「垣根と諍いは一人でならぬ」は、相手を責め返す前に、自分が争いの輪に入っていないかを考えさせることわざです。垣根を結ぶにも相手がいるように、諍いも相手があって成り立つものだから、争いを避けるには、まず自分が相手役にならないことが大切だと教えています。

「垣根と諍いは一人でならぬ」の使い方

健太
休み時間に、隣のクラスの子から、サッカーのことで強い口調で文句を言われたよ。
ともこ
言い返したら、昼休みの試合まで険悪になりそうだね。まず、何が嫌だったのか聞いてみたら?
健太
垣根と諍いは一人でならぬっていうから、ぼくが怒って返さなければ、けんかにはならないね。
ともこ
うん!落ち着いて話せば、次の試合のルールも決め直せると思うよ。
【スポンサーリンク】

「垣根と諍いは一人でならぬ」の例文

例文
  • 相手の皮肉に言い返さなければ、垣根と諍いは一人でならぬで、大きな口論にはならなかった。
  • 兄弟げんかを止めるには、垣根と諍いは一人でならぬと考え、まず一方が冷静になることが大切だ。
  • 友人が強い言葉で責めてきたが、垣根と諍いは一人でならぬと思い、すぐには言い返さなかった。
  • 地域の会議では、垣根と諍いは一人でならぬの教えどおり、相手の挑発に乗らず事実だけを話した。
  • 職場の意見対立が深まらなかったのは、垣根と諍いは一人でならぬと知る上司が、双方を落ち着かせたからだ。
  • 垣根と諍いは一人でならぬというように、争いを避けるには、相手を言い負かすよりも、争いに加わらない判断が必要だ。

主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2006年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。





『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』(講談社)発売中♪

マンガでわかる ことわざ図鑑

◆試験に出ることわざを網羅
ことわざは小学、中学、高校、大学、さらに就職試験の問題になっています。ことわざの試験対策としてもオススメの一冊。

◆マンガで楽しみながらことわざを知る! 憶える!
本書では、マンガで楽しくわかりやすくことわざを解説し、記憶に定着させます。