【ことわざ】
川の石星となる
【読み方】
かわのいしほしとなる
【意味】
川の石が星になるはずがないように、絶対にありえないことのたとえ。


【英語】
・when pigs fly.(絶対に起こらないこと)
【類義語】
・岩に花咲く(いわにはなさく)
・煎り豆に花(いりまめにはな)
・枯れ木に花咲く(かれきにはなさく)
【対義語】
・石に立つ矢(いしにたつや)
「川の石星となる」の語源・由来
「川の石星となる」は、川にある石が空の星になるという、現実には起こらない取り合わせから生まれたことわざです。川の石は地上の水辺にある身近なもの、星は夜空に光る遠い天体であり、この二つの隔たりの大きさが、ありえないことを分かりやすく表しています。
「石」は、岩より小さく、砂より大きい鉱物質のかけらを指します。川辺の石は、日常の中で目に入りやすい、重くて地上にあるものとして受け取られます。
「星」は、夜空に小さく光っている天体を指します。昔の人にとっても、星は空の高いところにあり、手の届かないものとして思い浮かべやすい存在でした。
このことわざでは、「石」と「星」がただ並んでいるだけではありません。「川の石が星となる」という形で、低い所にある石が高い空の星へ変わるという、ふつうの道理では考えられない変化を表しています。
そのため、この表現は「珍しいこと」よりもさらに強く、「絶対にありえないこと」という意味で用います。単に成功が難しい場合や、努力すれば実現できる場合には、意味が強すぎることがあります。
近い発想をもつことわざに、「岩に花咲く」があります。岩に花が咲くことはふつう考えられないため、実際には起こらないことを表す言い方として、「川の石星となる」と同じ方向のたとえになります。
また、「煎り豆に花」も、火を通した豆から花が咲くという、ふつうは期待できないことを表します。ただし、こちらは思いがけない幸運や、衰えたものがよみがえるような意味で使われることもあり、「川の石星となる」よりも奇跡的な実現への含みを持つ場合があります。
「枯れ木に花咲く」も、起こりそうもないことが起こるという意味を持ちます。ただし、枯れ木は「冬に葉を落とした木」とも取れるため、季節が巡れば花が咲く可能性もあり、「川の石星となる」ほど絶対的な不可能を表す言い方ではありません。
このように、「川の石星となる」は、石・星という二つの語を使って、地上のものが天上のものへ変わるはずがないという感覚を短く言い表したものです。身近な川の石と、遠い空の星を対照させることで、ありえないことを強く印象づけることわざです。
「川の石星となる」の使い方




「川の石星となる」の例文
- 一日で富士山ほどの砂山を手で作るなど、川の石星となるというものだ。
- 何の練習もせずに全国大会で優勝するのは、川の石星となるに近い話だ。
- 壊れた時計が自然に直って正確に動き出すなど、川の石星となるようなことだ。
- 全員が一度も勉強せずに満点を取るなど、川の石星となると先生は言った。
- 会社の借金が一晩で何もしないまま消えるなど、川の石星となる話にすぎない。
- なくした鍵が海を渡って机の上に戻るなど、川の石星となるような出来事だ。
主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修、小学館国語辞典編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・Oxford University Press『Oxford Advanced American Dictionary』Oxford University Press.























