【ことわざ】
今日の後に今日はなし
【読み方】
きょうののちにきょうはなし
【意味】
今日という日は、一度過ぎれば二度と戻ってこないので、一日一日を無駄にせず大切に過ごせという教え。


【英語】
・Never put off until tomorrow what you can do today.(今日できることを明日まで延ばすな)
【類義語】
・歳月人を待たず(さいげつひとをまたず)
・時は人を待たず(ときはひとをまたず)
「今日の後に今日はなし」の語源・由来
「今日の後に今日はなし」は、「今日」という言葉を前後に置き、その間を「後に」で結んだ表現です。最初の「今日」は、今まさに過ごしている一日を指し、後の「今日」は、その同じ一日をもう一度取り戻すことを指します。「後」は「のち」と読み、全体では、今日が過ぎたあとには同じ今日は存在しない、という意味になります。
このことわざには、「今日の後に今日なし」と「今日の後に今日は無し」という二つの形があります。前者では、二つ目の「今日」のあとに助詞を置かず、後者では「は」を添えて、「今日というものは、もうない」と対照をはっきりさせています。
「無し」をひらがなで「なし」と書いたものが、対象語の「今日の後に今日はなし」です。「無し」と「なし」は表記が異なるだけで、今日という一日は二度と戻らないという意味に違いはありません。また、「は」のない形も、ある形も、教えの中核は共通しています。
ここでいう二つ目の「今日」は、単に、日付として同じ月日が再び巡ることを否定しているのではありません。たとえ翌年に同じ月日を迎えても、年齢、周囲の人々、季節の様子、自分の置かれた状況は変わっており、今経験している一日を、そのままやり直すことはできない、という考えを表しています。
この表現は、時間についての事実を述べるだけでなく、そこから生活上の教えを導いています。同じ今日が戻らないのであれば、今すべきことを先延ばしにせず、その日に与えられた時間を無駄にしてはならない、という戒めにつながります。
ただし、いつも急いで行動し、休む時間まで惜しむべきだという意味ではありません。勉強や仕事だけでなく、家族と過ごす時間、友人との約束、季節の行事など、その日にしか得られない経験を意識し、大切にすることも、このことわざの教えにかないます。
意味の近い「歳月人を待たず」は、年月が人の都合にかかわらず過ぎていくことを表します。「歳月人を待たず」が、長い年月や時間全体の流れに目を向けるのに対し、「今日の後に今日はなし」は、目の前の一日に焦点を当て、その日を大切にするよう強く促す表現です。
このように、「今日の後に今日はなし」は、同じ言葉を繰り返す簡潔な形によって、一日のかけがえのなさを表したことわざです。過ぎた時間を悔やむ前に、今できることを行い、今日という一日を大切に生きるよう教えています。
「今日の後に今日はなし」の使い方




「今日の後に今日はなし」の例文
- 今日の後に今日はなしと考え、授業で分からなかった所をその日のうちに復習した。
- 祖母は今日の後に今日はなしを口ぐせに、家族と過ごす時間を大切にした。
- 今日の後に今日はなしという教えから、農家は晴れているうちに収穫を終えた。
- 締め切りを前に、担当者は今日の後に今日はなしと自分を励まし、必要な作業を進めた。
- 旅先の景色は二度と同じ姿では見られないと思い、今日の後に今日はなしを胸に写真を撮った。
- 今日の後に今日はなしという言葉は、一日を無駄にせず生きる大切さを教える。
主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修、小学館国語辞典編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・Cambridge University Press & Assessment, Cambridge Dictionary.























