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【食うことは今日食い、言うことは明日言え】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

食うことは今日食い、言うことは明日言え

【ことわざ】
食うことは今日食い、言うことは明日言え

【読み方】
くうことはきょうくい、いうことはあすいえ

【意味】
食べ物は味のよいうちに早く食べるのがよいが、言葉はすぐ口に出さず、よく考えてから言うのが賢明だということ。

ことわざ博士
食うことは今日食い、言うことは明日言えは、すぐに行うべきことと、急がず慎重に行うべきこととを対照的に示した表現だよ。
助手ねこ
腹を立てた時や、相手を傷つけかねないことを言いたくなった時に、ひと晩置いて考え直すよう戒める場面で用いるニャン。

【類義語】
・言いたい事は明日言え(いいたいことはあすいえ)
・腹の立つ事は明日言え(はらのたつことはあすいえ)

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「食うことは今日食い、言うことは明日言え」の語源・由来

ことわざを深掘り

「食うことは今日食い、言うことは明日言え」は、食べることは早く、話すことは遅くという、反対の心得を一つに組み合わせたことわざです。「今日」と「明日」、「食う」と「言う」を並べることで、行動の時機を短く、印象深く教えています。

前半の「食うことは今日食い」には、食べ物は味が落ちないうちに食べるのがよいという、日常生活から生まれた知恵があります。これと同じ考えを表す古いことわざに、「旨い物は宵に食え」があります。うまい食べ物を翌日まで残してまずくするより、その日のうちに食べるほうがよく、転じて、利益や好機は事情が変わらないうちに手に入れるべきだという意味です。

「旨い物は宵に食え」に近い古い用例は、浮世草子(うきよぞうし)『椀久二世』(1691年・江戸時代前期)にあります。そこには、「今時はうまき物は宵にといふ事口近し」とあり、「うまき物は宵に」という言い方が、当時すでに人々の口に上る身近な表現であったことを示しています。「口近し」は、誰もがよく口にする、話題にしやすいという意味です。

後半の「言うことは明日言え」は、「言いたい事は明日言え」ということわざと同じ教えです。言いたいことがあっても、その場ですぐに口にせず、時間を置いてよく考えれば、失言や争いを避けやすいという意味です。特に、腹を立てていたり、感情が高ぶっていたりする時には、言葉を急がないよう戒めます。

「言いたい事は明日言え」は、松葉軒東井が編んだ『譬喩尽(たとへづくし)』に収められています。『譬喩尽』は、天明6年、すなわち1786年の序をもち、寛政11年、すなわち1799年ごろまで増補された、江戸時代後期のことわざ集です。ことわざをはじめ、詩歌、童謡、流行語、方言などを広く集めた全八巻の書物でした。

江戸時代には、この「言いたい事は明日言え」を、「旨い物は宵に食え」のような、得になることは早く行うという言葉と組み合わせる例が多くありました。食べ物や利益は機会を逃さず手に入れる一方、言葉は急いで発すると災いを招くため、時間を置くという対照です。

現在の「食うことは今日食い、言うことは明日言え」は、「旨い物は宵に食え」と「言いたい事は明日言え」に通じる二つの知恵を、「今日」と「明日」の対比によってまとめた形です。前半では、時機を逃すと価値が失われるものを急ぎ、後半では、一度口にすれば取り消しにくい言葉を慎むよう促しています。

ここでいう「明日」は、何があっても翌日まで発言してはならないという厳密な決まりではありません。気持ちが落ち着き、言う必要があるか、どのように伝えるべきかを考え直せるだけの時間を置くことを表します。反対に、食べ物の「今日」は、味や価値が失われないうちに、ふさわしい時機を逃さず行動することを表しています。

このことわざは、何でも急いだほうがよいとも、何でも先延ばしにしたほうがよいとも教えていません。物事には、すぐ行うべきものと、慎重に考えてから行うべきものがあり、その違いを見極めることが大切だと説いています。

「食うことは今日食い、言うことは明日言え」の使い方

健太
班の新聞を破ったのは直樹くんだと思って、今すぐみんなの前で注意しようとしたんだ。
ともこ
まだ直樹くんが破ったと決まったわけではないでしょう?食うことは今日食い、言うことは明日言えだよ。
健太
そうだね……。怒ったまま決めつけて話したら、直樹くんを傷つけるかもしれない。
ともこ
まず本当に何があったのか聞いてみよう!落ち着いてからなら、必要なこともきちんと伝えられるよ。
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「食うことは今日食い、言うことは明日言え」の例文

例文
  • 弟に腹を立てたが、食うことは今日食い、言うことは明日言えと思い、その場では言い返さなかった。
  • 食うことは今日食い、言うことは明日言えというように、感情に任せた発言は一度考え直したほうがよい。
  • 父は食うことは今日食い、言うことは明日言えを心掛け、重大な注意ほど落ち着いて伝えた。
  • 会議で厳しい反論をしたくなった時、彼は食うことは今日食い、言うことは明日言えという教えを思い出した。
  • 食うことは今日食い、言うことは明日言えと考え、彼女は怒りに任せて書いた手紙を翌朝まで出さなかった。
  • 情報が確かでないうちに批判を公表しない姿勢は、食うことは今日食い、言うことは明日言えの教えにかなっている。

主な参考文献

・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・松葉軒東井編、宗政五十緒校・編『たとへづくし―譬喩尽―』同朋舎出版、1979年。
・松葉軒東井編『譬喩尽並古語名数』天明6年序、寛政11年ごろまで増補。
・『椀久二世』1691年。





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