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【虚名久しく立たず】の意味と使い方や例文!語源由来は?(対義語・英語)

虚名久しく立たず

【ことわざ】
虚名久しく立たず

【読み方】
きょめいひさしくたたず

【意味】
称賛であっても中傷であっても、事実に基づかない評判は長く続かないということ。

ことわざ博士
「虚名」は、実際と異なるうわさや、実力以上に高い名声を表すよ。
助手ねこ
根拠のない評判が広まっても、やがて実情が明らかになって消えていく場面に用いるニャン。

【英語】
・Truth will out.(真実は必ず明らかになる)

【対義語】
・名実相伴う(めいじつあいともなう)

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「虚名久しく立たず」の語源・由来

ことわざを深掘り

「虚名」の「虚」は、うそや偽り、または中身が伴わないことを表します。「虚名」には、事実と異なる悪いうわさや、身に覚えのない評判という意味と、実力以上に高く伝えられた名声という意味があります。

「立つ」は、ここでは人が立ち上がることではありません。「名が立つ」という言い方と同じく、世間で評判になったり、うわさが広まったりすることを表します。そのため、「虚名久しく立たず」は、事実に基づかない評判は長い間そのままではいられない、という意味になります。

現在のことわざにつながる古い用例は、『太平記(たいへいき)』(1368~1375年ごろ成立・南北朝時代、作者未詳)巻第十二「兵部卿親王流罪の事付驪姫が事」に出てきます。『太平記』は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての争乱を、和文と漢文の要素を交えた文章で描いた軍記物語です。

この場面の中心人物は、後醍醐天皇の皇子である護良親王(もりよししんのう)です。護良親王は、鎌倉幕府を倒す運動で大きな役割を果たしましたが、幕府の滅亡後には足利尊氏との対立を深め、父である後醍醐天皇とも考えが合わなくなっていきました。

『太平記』では、足利尊氏が、護良親王は帝の位を奪うために諸国から兵を集めていると、後醍醐天皇へ訴えたと記しています。天皇はこれを信じて怒り、護良親王を捕らえさせました。親王は狭い部屋に閉じ込められ、人に会うこともできないまま、自分が事実とは異なる訴えによって罪を受けたことを悲しみます。

そのときの文章に、「『虚名不久立』云事あれば、さり共君も可被聞召直思召ける処に」とあります。「虚名不久立」は、「虚名、久しく立たず」と読み下せます。護良親王は、根拠のない悪評は長く続かないのだから、天皇もやがて真相を知り、考えを改めてくださるだろうと望んだのです。

しかし、親王の願いはかないませんでした。親王は、自分に罪がないことを訴える手紙を書きましたが、取り次ぐ者が恐れて天皇に届けなかったため、鎌倉へ送られて幽閉されました。

『太平記』のこの場面でいう「虚名」は、実力以上の名声ではなく、謀反を企てているという、事実に反した悪いうわさを指します。「虚名久しく立たず」は、無実であれば偽りの評判はいずれ消え、真実が明らかになるはずだという、護良親王の希望を表す言葉として用いられています。

原文の「虚名不久立」は、漢文の語順を保った簡潔な形です。これを日本語の語順に読み下した「虚名久しく立たず」が、ことわざとして定着しました。「不久立」の三字が、「久しく立たず」という言い方になっています。

現在では、『太平記』に出てくる根拠のない中傷だけでなく、実力以上に持ち上げられた名声にも用います。高すぎる評価も、いわれのない悪評も、事実と合わなければ長くは続かないという、評判と実際との関係を説くことわざです。

「虚名久しく立たず」の使い方

健太
図工展のポスターは人の絵をまねしたものだって、翔太くんの悪いうわさが広がっているよ。
ともこ
でも、翔太くんが何週間も前から描いていた下絵を私は見たよ。根拠のない話だと思う。
健太
虚名久しく立たずというし、先生が制作ノートを見れば、本当のことが分かるね!
ともこ
うん。うわさだけで決めつけず、事実を確かめることが大切だね。
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「虚名久しく立たず」の例文

例文
  • 実力以上に持ち上げられた選手も、成績が伴わなければ、虚名久しく立たずとなる。
  • 根拠のない悪評に苦しんだ店主は、虚名久しく立たずと信じて誠実な営業を続けた。
  • 広告だけで評判を集めた商品は、虚名久しく立たずの言葉どおり、間もなく人気を失った。
  • 彼への中傷は事実無根だったため、虚名久しく立たずというように、やがて誰も口にしなくなった。
  • 立派な肩書だけで高く評価されても、虚名久しく立たずで、実力の有無はいずれ明らかになる。
  • 会社は虚名久しく立たずを戒めとして、一時的な話題作りよりも品質の向上を重んじた。

主な参考文献

・集英社辞典編集部編『会話で使えることわざ辞典』集英社、1989年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
・長谷川端校注・訳『太平記(二)新編日本古典文学全集55』小学館、1996年。
・『太平記』1368~1375年ごろ成立。





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